英雄の絶望 その2

前回の続きとして残る二人の英雄について自分なりの考えを書いてみたいと思います。

 

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以下 ver6.0 までのネタバレを含みます!

 

前回の記事です。

kyuroinu.hatenablog.com

 

 

アシュレイ

レンダーシア大陸出身で人間種族の英雄アシュレイは初代勇者です。

 

①.英雄としての功績

アシュレイは神話時代末期にレンダーシア大陸で活躍した英雄です。

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右側の緑の衣装がアシュレイ

神話時代末期、魔界で誕生した初代大魔王ゴダによるアストルティア侵攻に際し、神の言葉を賜れる巫女のゼドラ族に勇者が生まれるとの預言後にゼドラ族の族長の子として産まれた双子の兄弟の兄でした。

 

成長したアシュレイは、巫女のお告げによりゼドラ族と対立していたレビュール族に養子に出された弟レオーネ、剣術の師である剣聖ガーニハン預言の巫女の二代目である女性の四人で大魔王ゴダと戦い討ち果たします。

 

この戦いでガーニハンと弟レオーネは戦死してしまいますが、後に預言の巫女の二代目の女性とアシュレイが婚姻神聖ゼドラ王国を建国します

 

アシュレイは初代勇者であり、彼の建国した神聖ゼドラ王国は現在のグランドゼドラ王国の前身となる国家です。

 

現在のグランゼドーラ王国の勇者姫アンルシアまで繋がる勇者の血筋の始まりであり、初代大魔王を打倒し王国を建国したその功績・存在感は他の英雄を凌駕するものといえるでしょう。

 

②.子孫は居たのか

初代勇者であるアシュレイの血筋は現在のグランゼドーラ王国の王室に受け継がれており、当代の勇者である勇者姫アンルシアはアシュレイの子孫です

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現代の勇者アンルシア

勇者は初代勇者の子孫からしか誕生しないと明言されてはいませんが、「勇者の一族はグランゼドーラ王家として所在が明らか」と創世記(p.025)に明記されている事、現実として歴史上判明している歴代勇者は全員グランゼドーラ王家出身であることから勇者はアシュレイの子孫からしか生まれないと考えられます。

 

現在判明している勇者は、

  1. 初代アシュレイ
  2. 記録上二代目の勇者
  3. 賢者ワルスタットと共に戦い命を落とした勇者
  4. アルヴァン
  5. アンルシア

の五名ですが、

 

創世記においては記録上二代目勇者が国名をグランゼドーラ王国に改名したと記述されていた部分がアストルティア秘聞録(以下 秘聞録)では疑わしいと記述されている事、勇者誕生の原因となる魔界の大魔王によるアストルティア侵攻が魔界側の歴史においては初代大魔王ゴダ、ヴァルザード、ネロドス、マデサゴーラの四名である事を考えると、

 

2の記録上二代目の勇者と、3の賢者ワルスタットと共に戦った勇者は同一人物であり、初代勇者アシュレイを含め歴代勇者は四名であると考えるのが現在判明してる範囲では妥当だと考えられます。

なぜ、大魔王ヴァルザードとの戦いで死んだはずの二代目勇者がグランゼドーラ王国の建国王として伝わっているのか、建国王であるにもかかわらず名前が明らかになっていないのかなどは今後判明するのかもしれません。

 

③.何に絶望しているのか

アシュレイが絶望しているのは人間そのもののようです。

 

神化の儀で悪神と化してしまったアシュレイは、

 

「ひとりひとりは 善でも 群れると悪になる。

平和になると 身内で 争うようになるしな。」

 

「共通の敵がいるうちは 結束していたのに……。」

 

と、語ります。

 

このセリフから、大魔王ゴダ討伐後に人間同士の大きな争いがあったと考えられます。

 

それは神聖ゼドラ王国の建国に至るまでに争いがあったのか、建国後に争いが起きたのかはまだ不明ですが、存命のうちに起きた争いであればアシュレイ自身がその争いにどう関わったのかも気になります。

 

争いですが、アシュレイを神輿として担いだゼドラ族とレオーネを神輿として担いでいたレビュール族による建国の主導権争いがあったのではないかと考えます。

 

神話時代末期のレンダーシア大陸は大小の部族が寄り集まって魔族の侵攻に対抗していたと心層迷宮で語られていたことから当時のレンダーシア大陸においては地域を統一するような国家はなかったと考えられます。

 

大魔王との戦いでゼドラ族とレビュール族を中心として団結することが出来た人間たちは戦後になって初の国家建設へ向かう事は、歴史的に自然な流れだったでしょうがどちらが主導権を握るかは大きな問題となったと容易に想像できます。

結果からいえば、建国された国名神聖ゼドラ王国から、婚姻により預言の巫女の宗教的権威と結託したゼドラ族が支配層となる王国が出来たと考えられます。

 

レビュール族が建国に参加できたのかは不明ですが、もし弟であるレオーネを養子として向かえたレビュール族を弾圧したのであれば、それはアシュレイが指示したのかという問題も生じます。

アシュレイは、王として自由がなかったとも語っているのでもしかしたら実権の無い飾りとしての王の役割以外果たせなかったのかもしれません。

 

大魔王との戦いで弟は死んだが自分だけ生き残り、養子とはいえ弟を育てたレビュール族と争い、ゼドラ族の繁栄と王座を手に入れたという罪の意識が人間への絶望につながったのでしょうか。

 

レオーネ

レンダーシア大陸出身で人間種族の英雄レオーネは初代盟友です。

 

①.英雄としての功績

レオーネは神話時代末期にレンダーシア大陸で活躍した英雄です。

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左側のオレンジの衣装がレオーネ 

神話時代末期、預言によってゼドラ族の族長のもとに生まれた双子の男児の弟であり兄は初代勇者レオーネですが、預言の巫女のお告げによりゼドラ族と敵対していたレビュール族の族長のもとに養子として出されます。

 

養子に出されたレオーネですが、養父には愛されたようで血がつながらなくとも本当の子として立派なレビュール族として育てたと族長は自負していたようです。

成長し兄アシュレイ、師ガーニハン、預言の巫女の二代目である女性と共に大魔王ゴダと戦いますがその戦いでゴダの死に際に放たれた石化の呪いにより絶命したと伝えられています。

 

アシュレイの最後に関しては、心層の迷宮で聞ける話と符合する秘聞録の記述とは別に現在のグランゼドーラ王国にはレオーネは兄を支える友として大魔王と戦い勝利した後人知れずどこかへ旅立ったと伝わっています

 

なぜ、レオーネの最後に関して大魔王との戦いで死んだことが伝わっていないのかは不明ですが今後明らかになるのかもしれません。

 

②.子孫は居たのか

レオーネの子孫が居たとすれば、その子孫のひとりが主人公です

 

兄であるアシュレイの血筋が神聖ゼドラ王国から現在のグランゼドーラ王国の王家まで繋がっており、歴代の勇者がアシュレイの子孫の中からのみ生まれてきた事を考えると勇者と一対の存在である盟友もレオーネの血筋からのみ生まれてくると考えるのが自然だと考えます。

 

歴代の盟友である、二代目勇者と共に戦った盟友・勇者アルヴァンの盟友カミル・勇者アンルシアの盟友である主人公はどれもレオーネの子孫であり、遡れば双子に辿り着く勇者とは遠い遠い親戚のような関係だと思われます。

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盟友カミル撮影時に不倫現場が写りこんでしまったパドレ

ただ、レオーネは若くして亡くなっており生前に子供が居たとの記録は現在の処見つかりません。それにレオーネに子供が居たとしてその子供の血筋がどうやって古代エテーネ王国の王家に受け継がれたのかという謎もあります。

 

主人公の出自が約5000年前、古代エテーネ王家の王族であるパドレとマローネの間に生まれた子であり、それが時渡りにより現代のエテーネ村で育てられた事が ver.4 で判明します。

 

これにより、盟友は血筋に関係なくランダムに選ばれる存在でないかぎり初代盟友レオーネの血が古代エテーネ王国の王族に流れている事となりますが、二代目勇者の盟友だった者・1000年前の盟友カミルも古代エテーネ王国の王族の血を引いていた事となるのでしょうか。

 

ver.4 においてキュロノスや主人公による時渡りによって歴史改変が行われてしまいましたが元の歴史では古代エテーネ王国は約5000年前、本拠地であった大エテーネ島ごと水没し滅亡しています。

王族の中に生き残りがおりその末裔がカミルたちの祖先となったのか、その生き残った王族は大エテーネ島沈没直前に未開拓の島へ移住し現在のエテーネ村の原型となる集落を開拓した人々の中に居たのかなど不明な点は多くあります。

 

③.何に絶望したのか

レオーネが絶望しているのはアシュレイと同じく人間そのもののようです

 

「人類なぞ 大魔王に 滅ぼされるべきだった。」

 

「人間ってのは つくづく 度しがたいね。

このチカラで 世界を一変させよう。」

 

と、語るレオーネの絶望はアシュレイと同じように見えますが本当にそうなのか個人としては疑問が残ります。

この疑問は盟友という存在が現段階でも本当にレオーネが初代であったのかという点と、彼の人物像・人生の最後がゼドラ族からの視点からしか語られていないのではないかという考えからです。

 

盟友アシュレイに関する疑問を書いてみたいと思います。

 

 

レオーネは盟友なのか

以前書いた記事で、盟友という存在はアシュレイとレオーネの時代には存在していなかったのではないかとい考えを書きました。

 

以前に勇者と盟友、グランゼドーラ王国の成立に関して考えを書いた記事です。

kyuroinu.hatenablog.com

 

ver.5.3 で実装された王家の迷宮内の「心層迷宮」内で迷宮に魂を縛り付けられている王家所縁の者たちから聞ける話では、初代勇者である双子の生きた時代の人々の魂から話を聞ける「悔恨の園」「哀惜の砂漠」においてレオーネが盟友であったという話は聞けません。

 

あくまで双子の勇者としか表現されておらず、それは、ver.6.0 現在でも同じです。

 

その一方で、二代目勇者と共に戦ったと思われる賢者ワルスタットが生きた時代の魂から話を聞ける「断罪の森」では、勇者と盟友という言葉を聞くことが出来ます。

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心層迷宮には王家ゆかりの魂が縛り付けられている

この事から、盟友という存在は神聖ゼドラ王国の建国時に起きたゼドラ族とレビュール族の人間世界における主導権争いの中で、ゼドラ族が勇者はゼドラ族の神輿であるアシュレイのみであり、その勇者に付随する一段下の存在としての盟友がレビュール族の神輿であったレオーネだと、ゼドラ族により後年創作されたのではないかと考えていました。

 

しかし、ver.6.0 において天星郷で出会うレオーネは自ら「初代勇者の盟友だ」と語る事からレオーネは生前から盟友と呼ばれる存在であった事は確かだと考えられます。

 

では、何故に心層迷宮内で出会う剣聖ガーニハンや双子の勇者を産んだ母親といった大魔王ゴダとの戦いを知る時代の魂は盟友という存在を語らず双子の勇者とだけ語るのかについては不明のままです。

レオーネも勇者であり盟友と呼ばれる存在ではなかったのではないかという今までの自説は大ハズレとなりましたが、それでも気になる部分があります。

 

それは、思い出映写機でムービーを見返す限り、天星郷においてもレオーネ自身以外彼を盟友とは読んでいない点です。

 

浄罪の泉で出会うアシュレイは、自らを初代勇者だと名乗りますが盟友に関しては、

 

「……盟友。

そうか 盟友なのか……。」

 

と、盟友の存在は知っている様子ですがここでレオーネを初代盟友として語りはしません。この時点ではレオーネの英雄としての復活を知らなかったようであり敢て名を出さなかっただけかもしれませんが、レオーネと再会をする事となる場面でもアシュレイは、

 

「俺らも よく 言われていたよ。

大魔王を倒すのです。 なぜなら……

お前たちは 勇者なのだから。」

 

と、幼いころから二人とも勇者として育てられていたと思われる発言をしています。

 

儀式前夜のレオーネと主人公の会話をアシュレイは部屋の前で立ち聞きしますが

 

「俺だって 勇者の盟友と 呼ばれていたからね。」

 

という発言部分の時には部屋の前にはいませんでした。

 

何故、初代勇者と盟友は双子として生まれ双子の勇者として育てられたのか盟友という存在の謎はまだある気がしています。

 

 

レオーネの子孫は主人公なのか・瞳の色

初代勇者アシュレイの子孫がグランゼドーラ王家でありその中から現在の勇者アンルシアが誕生していることを考えると、初代盟友レオーネの子孫が歴代の盟友となったのではないかという事はすでに書きました。

 

となると、当代の盟友である主人公はレオーネの子孫となり、天星郷での出会いは遠い子孫との出会いにとなるわけですがその事にレオーネは触れません。

 

アシュレイとレオーネは初代勇者と盟友であるので自分たちの子孫からのみ勇者と盟友が生まれてくるという事を知らないのかもしれませんが、何か不自然な気もします。

 

そして、主人公の出自は約5000年前に存在した古代エテーネ王国の王族であるパドレの子供である事からレオーネの血筋がエテーネ王国の王族に受け継がれていたという事になります。

 

古代エテーネ王国の成り立ちは、約5700年前のレンダーシア大陸の大エテーネ島においてマデ氏族の長レトリウス放浪者キュレクスケミル氏族の大錬金術師ユマテルらの助力を得て大エテーネ島に住む全氏族を傘下に治め王国を建国した事に始まります。

 

建国後、病に臥せったレトリウスを治療するためににキュレクスが与えようとしたチカラの不可抗力で「時渡り」の能力がその身に宿り、能力はレトリウスがユマテルとの間に授かり出産した二代目国王オルクス以降の王族に受け継がれていきます

 

ただ、王族の中でも時渡りの力を十分に使役できる者はごく少数であったようです。

 

この事から、レオーネの子孫がエテーネ王族に居たとしても時渡りの能力は盟友に由来するチカラでない事は確定しています。

 

二代目国王のオルクスは建国王レトリウスと大錬金術師ユマテルとの間に生まれた男児であったことから、初代盟友レオーネの血を引いていたのはレトリウスではなくケミル族のユマテルという可能性もあります。

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ユマテルの肖像画は眼帯で瞳の色はわからない

レオーネの血を引いた人物がどの時点で大エテーネ島にやって来たのかなどは不明ですが、レトリウスとレオーネに共通する肉体的特徴からレトリウスがレオーネの子孫だったのではないかと考えてみたいと思います。

 

その特徴はアイスブルーの瞳の色です。

 

エストNO.588「えにし紡いで……」において、自由人の集落で時渡りしたレトリウスと出会い会話したネブリィは「大きなアイスブルーの瞳が印象的な女の人よ。」と証言していますが、レオーネの瞳もアイスブルーです。

 

アイスブルーの瞳は現在のエテーネ王国の指導者メレアーデにも受け継がれており、その父である第49代国王ドミネウス、弟である第50代国王クオードも同じ瞳の色です。

 

双子の兄、アシュレイも同じ瞳の色でありその子孫である勇者姫アンルシアもアイスブルーの瞳の色です。

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レオーネの瞳の色

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アシュレイの瞳の色

さらに、レオーネの子孫の可能性がある1000年前の盟友カミルの瞳の色もアイスブルーでした。

 

瞳の色だけで判断することは出来ないかもしれません。

現に主人公の父親であり「エテーネ王国最高の時渡りの使い手」とまで称され、レトリウスのチカラが強く遺伝したと思われるパドレの瞳の色はアイスブルーではありませんし、盟友カミルと共に戦った勇者アルヴァンの瞳は青系統の色ですがアイスブルーではないようです

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カミルとアルヴァンの瞳の色は微妙に違う?

さらに、アイスブルーの瞳を持つ第49代国王ドミネウスの隠し子であった指針監督官ベルマの瞳も違う色です。

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ベルマの瞳の色は茶系

アイスブルーの瞳を持っていれば全員が勇者盟友の子孫という事ではないはずですが、レトリウスとその子孫の特徴として強調されているアイスブルーの瞳をアシュレイ・レオーネや盟友カミルが持っていることは何か繋がりを感じてしまいます。

 

更に、エテーネ王族がレオーネの子孫だとするのなら現代に時渡りしてきた大エテーネ島の指導者であるメレアーデは盟友として覚醒する可能性があるといえないでしょうか。

そうなるとひとつの時代に盟友が二人存在するという事態が起こるのかもしれません。

 

 

レオーネの境遇が落とす影

天星郷で再会を喜ぶアシュレイとレオーネですが、二人の間には少し温度差があるようにみえました。

 

陽気なふるまいを見せるアシュレイですがレオーネに対してどこか負い目を感じているようです。

それは大魔王ゴダとの戦いで死んでしまったレオーネに対して戦いを生き延び王として人生を終えた事や幼い時期に神託の巫女のお告げによりレビュール族へ養子に出されてしまった事が関係していると考えられます。

 

生前のレオーネはどのような境遇だったのでしょうか。

 

心層迷宮で出会う魂たちは一応にレオーネの境遇を憐れんでいます。

双子の勇者の母も、

 

「下の子は 何も よい目を見ることなく しんでしもうた。」

 

と悔しがっていますがこれらの発言はゼドラ族側からの見方のようにも思えます。

現に、レオーネを迎えたレビュール族の族長は彼を本当の息子として育て立派に育てたと自負していただけに立場上共に戦えなかった事、愛する息子を失ってしまった事を深く悲しんでいました。

 

養子に出されてからのレオーネはひたすらに不幸だと感じていたのえでしょうか。

 

神化の儀前夜の主人公との会話でも、

 

「……なあ キミは この時代に

盟友として生を受け しあわせだったかい?」

 

と質問し、「はい」と回答した場合「そうか……キミにも それなりの苦労が あっただろうに……。」と自分も苦労した事をにおわせます。

 

「いいえ」と回答した場合は「しあわせと 言いきれないのか……。ま……盟友の 宿命かもしれないね。」と、こちらでも報われた人生ではなかった事をにおわせます。

 

以上から、レオーネは自らの人生が報われたものではなかったという自覚があるようです。

 

剣聖ガーニハンが語ったような、いかなる犠牲を払ってでも大魔王を倒すという使命を果たせたとしてもその結末がレオーネにとって無念となった原因は何だったのでしょうか。

 

それがゼドラ族からレビュール族へ養子に出された事なのだとすれば、レビュール族の族長が本当の息子のように育てたとしてもレオーネにとってはレビュール族や養父に対して愛情を持つことは出来ず心はゼドラ族のままであったのかもしれません。

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レビュール族の族長の魂は今も囚われている

あとは、大魔王ゴダ討伐と戦った四人のなかで唯一名前が不明なままの二代目神託の巫女の存在が関わった可能性もあるかもしれません。

 

二代目巫女は双子とは幼馴染で後にアシュレイと婚姻する事となり、幼いころから性格の明るいアシュレイと気が合っていたようだと心層迷宮で聞くことが出来ますがその二人をレオーネはどう見ていたのでしょうか。

 

もし、アシュレイが二代目巫女に恋心を抱いていたとしたら養子としてゼドラ族から弾かれた身の上もあって複雑な思いがあったのではと考えてしまいます。

 

アシュレイとレオーネの境遇の違いが濃い影を落としているとするなら同じ人間に対する絶望であってもその範囲や深さに違いが生じても不思議ではありません。

自分の死後に起きた様々な事柄や幼馴染であった二代目神託の巫女の存在が相まって、レオーネの人間に対する絶望の中には実はアシュレイも含まれているなんて事もありえるかもしれません。

 

 

最後に

今回は二回に分けて天星郷で出会った英雄たちについて個人的な考えを書いてみました。

 

アシュレイとレオーネに関してはいまだ不明な点があると感じてしまう勇者と盟友の始まりと血筋についてと、一見同じようにみえるアシュレイとレオーネの絶望には実は何かしらの差があるのではないかという考えでした。

 

まもなく公開される ver.6.1 が楽しみです。

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ユーライザの瞳の色もアイスブルー

今回はここまで。

英雄の絶望 その1

ver.6.0において天星郷で出会う事とる英雄たち

アストルティアの歴史に大きな功績を残した彼らについて今回は個人的な考えを書いてみたいと思います

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以下ver.6.0のネタバレを含みます。

 

英雄の絶望

神化の儀により神へと神化するはずが悪神と化してしまったアストルティアの英雄たちですが、悪神となった彼らはその台詞からアストルティアに対する深い絶望の感情をみることが出来ました。

 

「愚かなる歴史に終止符を!」

「人類なぞ大魔王に滅ぼされるべきだった。」

 

この様な発言をしたのは悪神となり湧き上がる全能感・恍惚感が言わせたものでしょうがその背景には英雄たちが心に抱えてる無念や怒りがアストルティアに対する絶望に繋がりあの発言に至ったように思えます。

 

生前には大業を成し遂げた英雄たちの希望がなぜ絶望となったのか

 

大陸・種族ごとの英雄について、①.生前の功績 ②.子孫は居たのか ③.何に絶望してしまったのか考えてみたいと思います。

 

ラダ・ガート

オーグリード大陸出身で種族はオーガの英雄ラダ・ガート

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ラダ・ガート

①.英雄としての功績

ラダ・ガートは約500年前にオーグリード大陸で活躍した英雄です。

 

彼は、レイダメテスが世界を焼き尽くそうとした時代に生き、旅の果てに民を率いて現在のザマ峠以南の土地にガートラント王国を建国を成し遂げました

 

レイダメテスの出現という苦難の時代に未開拓の地に入植し国を興しただけでなくその地で魔祖の血族たちと戦い勝利をおさめ封印したという功績を持ちます。

 

魔祖の血族とは異界滅神ジャゴヌバが襲来した折にアストルティアから切り離され魔界となってしまった地に取り残された賢者たちが魔祖と化し、その魔祖によって生み出された古代魔族でありその力は強大です。

その中の剛獣鬼ガルドドンを返り討ちにしていることからも生前のラダ・ガートの強さは英雄と呼ばれるにふさわしいものだったようです。

 

②.子孫は居たのか

ラダ・ガートには娘ガラテアが居た事が判明しています。

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ガラテアの神槍の精霊だと語る「おかっぱ」

ガラテアは種族神ガズバランから神槍を授けられるほどの実力者で、魔祖の血族の王である羅刹王バラシュナとの一騎打ちによりバラシュナを封印することに成功しますが彼女自身も姿を消してしまったようです。

 

ガラテアの他に子供が存在したかは不明ですが、ガートラント王国は現在でも存続しており現在の国王はグロスナーです。

彼がラダ・ガートの直接の子孫にあたるのかは明らかにされていませんが王位がどのように継承されて来たかが明らかになればオーグリード大陸の文化を知る上で重要なものとなると思われます。

 

ガラテアには彼女が使ったとされる神槍のデザインが黄金のパラディンが所有していた博愛騎士の槍に似ていることからガラテアの正体は過去へ時渡りをしたジェニャ(黄金のパラディンなのではないかという説もあるようですが実際そうなのかは不明です。

 

③.何に絶望したのか

ラダ・ガートが絶望しているのは自分自身のようです

 

「無邪気に 夢を追い求めた 結果

娘や仲間が 犠牲となり果て のうのうと

自分だけが 生き延びてしまった。」

 

と、発言する事から民を率い新天地を求めた結果、魔祖の血族との戦いによって娘ガラテアや仲間を失ってしまった事を後悔しているようです。

 

ガートラント建国後の彼の人生はひたすら苦痛に満ちたものだったのでしょう。

娘や仲間を犠牲にしてしまった罪の意識から逃れるため、国王として政務を精力的にこなし大国としての礎を築いても自らを許すことはできず名君として称賛されるほどに罪の意識はむしろ大きくなっていったのかもしれません。

 

彼自身、ガルドドンを返り討ちにするほどの実力者であり魔祖の血族の封印を解いてしまった事も不可抗力だった可能性があります。

それでも自分自身を許せなかった背景には幼き頃よりの友人ガミルゴの存在があったのかもしれません。

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ガミルゴ

ガミルゴ500年前のグレン城の本来の主で、この時代の四術師のひとりでもあり、主人公と四術師エルジュによるレイダメテスへの襲撃に助力した人物です。

また、現在グランゼドーラ王国に仕える賢者ルシェンダの祖先にあたる人物でもあります。

 

ラダ・ガートとガミルゴは幼き頃、バクレア教会でともに育ち同じ日にそれぞれ旅立った友人でしたが、ガミルゴは後年、ゲルト海峡に戦禍の邪神によって開けられた穴をふさぐために自らを犠牲として命を落としています。

 

「民のため 故国のためと すすんで

己の身を 捨てた友人が 俺にはいたのだ」

 

とラダ・ガートは白灰の試練場で語ります。

これがガミルゴを指すのか、自分に付き従った他の仲間を指すのかはわかりませんが個人的には両方の事を指しているのではと考えます。

 

友人ガミルゴは危機に際し、民のために自らの命を投げ出したのに自分はまたしても生き残り彼のために何もしてやれなかった。

この事もラダ・ガートの心をさらに苦しめているのかもしれません。

 

 

フォスティル

プクリポ種族の英雄、フォスティル

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フォスティル

①.英雄としての功績

フォスティルは約500年前にプクランド大陸・オーグリード大陸などで活躍した英雄です

 

パルカラス王国の宮廷魔術師であると同時に当時の四術師のひとりとして活躍し、レイダメテスが出現してからはプクリポの一部を率いてオーグリード大陸に渡っています。

 

レイダメテスの崩壊後はプクランド大陸に戻りパラカス王国に蔓延した疫病を彼の未来予知能力と魔術により治めた後は非道の政治を行うパルカラス王に対するクーデターを起こし自らが新王として戴冠

パルカラス王の娘メギストリスを王妃として迎え、国名をメギストリス王国と改名しています

 

追放されたパルカラス王の怨念を鎮めるため自らの命を捧げる儀式をキラキラ大風車塔でおこない最後を迎えますが、彼の未来を予知・未来に移動できる能力や現実改変を可能にしてしまえるほどの強力な魔法アイテムを作れてしまう強大な魔力はすでに肉体の生死を超え英雄という枠に収まるものではなくもはや神の領域にあるといって過言ではありません。

 

自らの死も、子孫や同じ能力を持つ者の死をも知った上で全てをプクランド大陸の安定のために利用するという冷徹な側面をもつドラクエ10の全キャラクターの中で最も癖のある人物ともいえます。

 

②.子孫は居るのか

彼の子孫は現在のメギストリス王国の指導者であるラグアス王子です。

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ラグアス王子

ラグアス王子は彼の母親であるアルウェ王妃から未来予知の能力を受け継ぎますがそのれはフォスティルが持っていた能力と同じでしょう。

 

アルウェ王妃は元々は王族ではなくオルフェア出身ですがその姿はメギストリス王妃と瓜二つです。

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メギストリス王妃の肖像画

もしかするとアルウェの血筋も元をたどればどこかでメギストリス王家に繋がっていたのかもしれません。

 

③.何に絶望しているのか

彼が何かに絶望しているようには見えませんでした

 

神化の儀にも唯一不参加であり、その理由は不明ですが現在は天星郷で姿を消しています。

 

肉体の生死を超えているといえる存在である彼は500年前にはすでにこのような事態を予知していた可能性もあります。

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ねぇ、なに企んでるの?

現在も何か目的をもって一人で行動しているのかもしれません。

 

 

リナーシェ

ウェナ諸島出身ウェディ種族の英雄です、リナーシェ

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リナーシェ

①.英雄としての功績

リナーシェは約600年前のウェナ諸島において、コルレーン王国の王族に生まれ後に争っていたジュレド王国と和睦し両国を合併、現在まで続くヴェリナード王国を建国しました。

 

また、現在では女王が歌う「恵みの歌」と男王が歌う「導きの歌」の原型である「育みの歌」をつくりだし始原の歌姫と呼ばれていました。

 

約300年前、暴君バサグランデウェナ諸島を蹂躙した時期に彼女の名前は歴史から忘れ去られたようですが現在のウェナ諸島の政治体制や歌文化の基礎を作ったといえる人物ではないでしょうか

彼女が生まれたコルレーン王国はその名前から現在のレーン村があるコルット地方に存在していたのではないかと推測しています。

 

コルレーン王国と対立していたジュレド王国は現在のジュレットの町の周辺に存在していたのかもしれません。

 

ジュレー島の下層にはジュレイダ連塔遺跡をはじめいくつかの遺跡を確認できますが、それらはかつてのコルレーン王国やジュレド王国のものだった可能性が高いと思われます

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レーナム緑野側の下層にも遺跡が存在する

②.子孫は居るのか

現在のヴェリナード王家はリナーシェの子孫である可能性が高いと思われます。

 

現在の女王ディオーレや歴代の女王も「恵の歌」を歌えたことからリナーシェの能力が王家に受け継がれているのだと考えられます。

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現在のヴェリナード王家の面々

ヴェリナード王国はコルレーン王国とジュレド王国が合併して出来た国家であることから、コルレーン王国の王族リナーシェとジュレド王国の国王であったヴィゴレーが婚姻し二人の間に生まれた子が王座を継いでいったと考えるのが普通ではないかと考えますが、その辺りは ver.6.1 において明らかにされるでしょう。

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この幽霊はヴィゴレーか?

またリナーシェにはアリアという名の妹がいることも明らかになっています。

アリアも歌声に不思議な力を宿している事からリナーシェが子孫を残していない場合は、現在の王家はアリアの子孫という事もあり得るのかもしれません。

 

③.何に絶望しているのか

彼女が絶望しているのは「男」という属性に対してのようです。

 

「……殿方は 本当に

争いごとが お好きですわね。」

 

と紺碧の試練場でつぶやいた彼女の声には失望と軽蔑の念がこもっていたように受け取れました。

 

リナーシェの紺碧の試練で相手を試し利用とするような行動、ぱふぱふの件の意図的に誤解を与えようとする仕草は基本的に相手が、知性や理性が低く下等な存在だと見下していることの現れですが、そのような考えに至った理由があるはずです。

 

「昔から性格が悪かった」だけは悲しすぎます。

 

ver.6.1 で彼女が生きた時代について語られるようですが、もしかすると女性の歌の力によって平和に建国されたヴェリナード王国が「男」達の権力闘争によって悲劇に見舞われた歴史があったのかもしれません

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歌うリナーシェ

その中で、女性が犠牲になり傷つけられたという認識が「男」という属性にたいする絶望を産んだのでしょうか。

 

そして、その絶望はある種の王家への呪いとして彼女の生きた時代より300年後のラーディス王が娘セーリアを犠牲にした事への罪の意識から退位し以後は女王による統治が決まりとなった事にまで繋がっていくのかもしれません

 

ラーディス王と対比しようとするともしかすると妹アリアの身に不幸が起きたのではないかと思われますが、もうすぐ明らかになる事でしょう。

 

リナーシェの性格が悪いとも受け取られる言動は基本的に「男」という属性に対して向けられたものであるはずなので、ver.6.0 におけるリナーシェからの一番の被害者は男に対する態度と同じ扱いを受けてしまった女性プレイヤーなのかもしれません

 

 

ハクオウ

エルトナ大陸出身のエルフ種族の英雄、ハクオウ

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声が小さいハクオウ 飯食え

①.英雄としての功績

ハクオウは約6000年前のエルトナ大陸において活躍したヤマカミヌ王国出身の英雄です。

 

ハクオウは災厄の王の二度目の襲来において二代目の時の王者として選ばれたその時代の最強の剣士でした。

その実力は過去に災厄の王を退けた初代王者を超える実力を持っていましたが災厄の王の前に敗死し、ヤマカミヌ王国も滅んでしまいます

 

ハクオウの命を落とした場所である事が落葉の草原の名前の由来となりました。

 

二代目の時の王者に選ばれる前にも未だ語られていない活躍をしており、それも英雄選定のポイントなっていたのかもしれません。

 

ハクオウの敗北によってレンダーシア大陸を除く五大陸は災厄の王に蹂躙され、ゴフェル計画により五種族の中から僅かな人々だけがアストルティアを脱出し1000年間の旅を経てアストルティアに帰還する事となりました。

 

この時代であればゴフェル計画を主導したプクラスの方がよほど英雄として相応しいのではないかと考えますが天使たちの選定基準は必ずしも何かを成し遂げたり人格が優れている事が重要というわけではないようです。

 

過去には歴史上最大級の戦争犯罪人であるグルヤンラシュが英雄候補に上がった事からもわかるようにアストルティアに生きる者たちからの評価とは別の基準があるのでしょう。

 

また、ハクオウとは神話篇のクエスト「聖竜の神話」で一度会っています。

世告げの姫ロディアの頼みで訪れた古い石碑で彼の声を聴くことになりますが天星郷で会った彼は三代目の時の王者である主人公を覚えてはいませんでした。

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ハクオウの声を聴いた落葉の草原の古い石碑

古い石碑に宿っていたのは天星郷に召し上げられた彼の魂ではなく、敗れ去った当時の思念が切り離されたものだったのかもしれません。

単純に神話篇を未クリアのプレイヤー向けにそうなっているではつまらないのでそう解釈してみました。

 

②.子孫は居るのか

子孫は居ない可能性が高いと考えます。

 

彼の敗北後ヤマカミヌ王国も滅んでおり、家族が居たとしても生き残れなかった可能性があります。

 

また、天星郷で出会う彼からコウリンという親友がいたとは語られますが、自分の家族や子供についての発言がないことからも生前の彼は独身であり子供もいなかったと考えられます。

 

③.何に絶望しているのか

彼が絶望しているのは自身が感じている苦痛についてのようです。

 

ラダ・ガートと同じく自らに絶望しているように思えましたが神化の儀で悪神と化したハクオウは、

 

「抗う事が 苦痛を長引かせるだけならば……

最初から この手で 終わらせればいい……。」

 

と発言します。

 

仲間を傷つけたくない、守るのは自分だという使命感からひとりで災厄の王に挑み敗れたハクオウですが、その敗北が今も彼を苦しめているようです

 

もしかすると自らの敗北と向き合いきれていないのかもしれません。

 

深翠の試練場では、自らの力を見誤ったと後悔していましたが裏を返せばもっと力があれば一人で倒せたはずだという考えが根底にあると思えます。

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ソロプレイ縛りは危険

ハクオウは圧倒的な才能を持つが故に心のどこかで慢心し、仲間を守るのは自分であり仲間に守られる事など無いと思い違いをしているのかもしれません

 

深翠の試練場での話から、彼も自分が卵のコウリンを信じれてない事や過保護すぎる面を認め成長したように見えましたが、神化の儀で悪神化してしまいました。

 

ハクオウが背負い込んだ使命感から来る苦痛は本来仲間と分け合えたはずのものですが、慢心し仲間に背中を託すことが出来なかった事こそが彼にとって真の敗北なのかもしれません

 

その苦痛の原因である慢心と向き合えていないのは仲間想いの彼の優しさの裏返しという側面もあるでしょう。

 

親友コウリンとの関係やヤマカミヌ王国内での彼の立場、彼への扱いがその考えに影響を与えていたでしょうがそこはいずれ判明すると思われます。

 

 

カブ・ナンナ・ドルタム

ドワチャッカ大陸出身のドワーフ族の英雄で三闘士とも讃えられる、カブ・ナンナ・ドルタムの三人

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三闘士

①.英雄としての功績

カブ・ナンナ・ドルタム三闘士約4000年前のドワチャッカ大陸を開拓し、のちの三国時代に繋がる国家の基盤を建設する偉業を成し遂げた英雄です。

 

包容力と行動力があるがいい加減なカブと、それを叱り道を正す気が強いが優しいナンナ、それを一歩引いて見守る気弱だがすぐれた知識と技術を持つドルタムというとても魅力的な三闘士です。

 

4000年前のドワチャッカ大陸は開拓が進んでおらず山奥や岩穴でモンスターに怯えながら生活していたようです。

この時代が特にひどかったのかそれ以前からそういう生活だったのかは不明です。

 

6000年前の二度目の災厄の王襲来前のドワチャッカ大陸の状態はわかりませんが、当時レンダーシア大陸では神聖ゼドラ王国が誕生していた事もあり他の大陸でも一定以上の文明があったと思われますが、災厄の王の襲来とゴフェル計画による脱出で一度ドワチャッカ大陸の文明は滅んでしまい、1000年後の帰還後も文明再建はできなかったのかもしれません。

 

カブ・ナンナ・ドルタムの三人は血のつながらい義兄弟のようですが、三人が穴倉から外の世界へ旅立ち魔物と戦う事でドワーフの生活圏を広げ土地を開拓、それに共鳴した仲間たちが加わり巨大なキャラバンを形成しついに大陸を踏破するという偉業を成し遂げます

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戦う三人

三闘士は後に、それぞれが長を務める大きな集落を形成しましたが、その集落が後の三国時代ガテリア皇国・ウルベア地下帝国・旧ドルワーム王国へと発展し三闘士が用いたオノ・ハンマー・盾が各王家へ受け継がれていく事となりました。

 

②.子孫は居るのか

三闘士の末裔が三国を建国したとされる事から各王家は彼らの血を引いた子孫だと考えられます。

 

カブは二人の事を「兄弟分」と呼んでいたことから三人は血のつながらない義兄弟であったと考えられますが、カブの子孫が建国したとされるガテリア皇国の最後の皇子の名がビャン・ダオであった事からカブの本名はビャン・カブであった可能性があります。

 

同じくナンナの子孫と考えられるウルベア地下帝国の第11代皇帝ジャ・クバでったことからナンナの本名はジャ・ナンナの可能性もあります。

 

同じドワーフ族の名家であるドン家の現在の夫妻が「ドン・パパス」「ドン・ママス」である事から名前の前部分がファミリーネームであると考えられます。

更に、夫妻が両方ともドンを名乗っている事から婚姻すると苗字をどちらかに統一するという文化が少なくとも現在のドルワーム王国にはあるのかもしれません。

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現在のドン家はちょっと落ちぶれ気味?

他にも、人間種族であるラウルの真名が「アラハ・アルラウル」アストルティア秘聞禄に記載されている事からファミリーネームが前部に付くのがアストルティア全体の文化なのかもしれません、現在登場しているキャラクターの大半が表示されていないだけでファミリーネームを持っている可能性はあると考えられます。

Twitterにラダ・ガートのガート部分が苗字なのか部族名なのかという疑問を書いたところ複数の方からラダ・ガート以外にも苗字を持っている人物について、ドン家、ラウルの真名、ビャン・ダオ、ジャ・クバ、ベラストル家、紅玉館のマクフォール家などがあるとのご指摘を頂きました。誠にありがとうございます。

 

カブ・ナンナ・ドルタムの子孫はその後、三国時代の終焉と共に一度絶えたと考えられていました

 

ガテリア皇国ウルベア地下帝国によって滅ぼされ行方不明となったビャン・ダオ皇子以外の王族は殺されました。

そのウルベア地下帝国も最後の皇帝ウルタの時代に謎の滅亡、唯一残った旧ドルワーム王国もその後、天魔クァバルナの襲来により滅亡してしまいました。

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最後の皇帝となったウルタ

しかし、約400年前に旧ドルワーム王国の末裔を自称する人物が新ドルワーム王国を建国、これによりそれが真実であるならドルタムの子孫は現在まで確認できることになります。

 

旧ドルワーム王国の遺跡を発見したのは考古学者ペプドゥル・バブ・デチャトですが、アストルティア秘聞禄・創世記を読む限りではペプドゥル自身は旧ドルワーム王家の末裔ではないようです。

 

③.何に絶望したのか

三闘士が絶望しているのは開拓後のドワチャッカ大陸が歩んだ歴史とその始まりを作ってしまったかもしれない自分たちの偉業についてでしょう。

 

悪神化したカブは

 

「オレは このチカラで……

みずからの過ちを 正してみせよう。

ドワチャッカ大陸を あるべき姿に戻すんだ。」

 

と発言し、ナンナとドルタムもそれに同意しているようです。

 

英雄として死を迎えた後、魂を天星郷に迎えられ眠りについていた三闘士ですが、試練に臨むために覚醒した時に自分たちが生きたより後の歴史について天使たちから聞かされたのではないかと思われますがそれは大きな衝撃だったでしょう。

 

義兄弟三人の旅は多くのドワーフに勇気と希望を与え大陸踏破と開拓という偉業の末にそれぞれが長となった集落が、国として発展しさらなる開拓がすすみドワチャッカ大陸は豊かで平和になるはずがその先に待っていたのは大きな破壊でした

 

高度な技術と豊かな生活を維持するために消費される地脈エネルギーと乱開発により大地は砂漠化が進んでしまい、子孫が治めた国同士が争い破壊と虐殺を引き起こしてしまった。

 

自分や同胞の子孫たちが殺しあうために大陸を開拓したわけではない、こんなはずではなかったという怒りと悲しみから来る絶望は凄まじいものがあるはずです

 

悪神と化してしまった三闘士がドワチャッカ大陸をあるべき姿へ戻すという事は文明を破壊するという事なのかもしれませんが、現在のドワチャッカ大陸に生きる人々に対して責任を問うのかはまだ不明です。

 

ウルベアーガテリア戦争の勃発までの経緯は色々とあったでしょうが、この戦争が招いた悲劇の大半の責任はウルベア地下帝国の奸臣グルヤンラシュにあります。

 

そのグルヤンラシュの正体は時渡りでこの時代に飛ばされた古代エテーネ王国の皇子クオードだったわけですが、彼の祖国エテーネ王国は現在に大エテーネ島ごと時渡りで姿を現しています。

 

現在のエテーネ王国の指導者はクォードの姉である皇女メレアーデですが、悪神化した三闘士にエテーネ王国やメレアーデが絡んでくるような展開があるのではと個人的には期待しています。

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お宅の弟さんの責任なんですよ…

 

 

その2 へ続く

ここまで英雄について書いてみましたが残る双子の勇者アシュレイとレオーネについてはここまで大分長くなってしまったので次回に書いてみたいと思います。

 

以前書いたフォステイルに関する記事です

kyuroinu.hatenablog.com

 

以前書いたウルベア地下帝国の滅亡に関する記事です

kyuroinu.hatenablog.com

 

今回はここまで。

 

ver.6.0 天星郷で判明した事と疑問

ver.6.0が公開されてから3カ月近くなりますが先日ようやく、6.0のストーリーを終えることが出来ました。

ver.6.0の舞台となる天星郷と天使たちついて現時点でわかってきた事と、個人的に感じた疑問や謎など書いてみたいと思います。

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以下ver.6.0のネタバレを含みます!

 

天星郷と天使

ロンダ岬で主人公と出会った天使・ユーライザから「魂の燭台」を手渡され向かう事となった天星郷フォーリオンですがそこでは多くの天使たちが住んでいました。

※燭台はキリスト教においてはイエスを信じるものたちの集まりや教会そのものを表すといわれ、燭台を持った者の先導で司祭が入堂する事から天使たちから手渡されるものとしてはふさわしいのかもしれません。

 

天使たちのなかには主人公に対して敵対心を持つ者も多く、その原因は彼らの成り立ちに関係しているようです。

 

天使たちは女神ルティアナによる世界創生を見届けた者たちの末裔であり、異界滅神ジャゴヌバの襲来からの争いによってルティアナが自らを封印し、その後に種族神の長兄ナドラガとそれ以外六柱の神々との間で起きた神話戦争によるナドラガ神とナドラガンドの封印、六柱の種族神の肉体の消滅を経てその後の現在までの長い期間をアストルティアへの不介入を貫く中で自らの存在意義を神話時代の終わりに祖先たちが始めた計画の遂行にしかみいだせない存在になってしまったことが原因のようです。

 

その計画とは、英雄の魂から神を生み出すというものです。

 

英雄に試練を課しそれを乗り越えさせることで人の身を神の高見まで昇らせ、英雄を神化させることでアストルティアを守る神々の末席に加えることが計画の目的だったようですが、その計画は失敗し主人公と神化の儀に不参加だったフォスティルを除く9人の英雄たちを悪神にさせてしまったところで物語は一旦終わります。

 

これが何者かの企みによって悪神となってしまったのか、それとも遠い昔に祖先たちが始めた計画そのものが問題だったのかは今は不明ですが今後明らかになっていくのでしょう。

 

天使たちがルティアナによる世界創生を見届けた者たちの末裔ということは、どういう意味を持つのでしょうか。

 

とこしえの揺り籠を旅立ったルティアナが安息の地にて天使たちを作りだしてからアストルティアを創生したのか、とこしえの揺り籠を旅立った時に天使たちの祖先はルティアナと共に旅立ったのか。

 

個人的には後者のとこしえの揺り籠をルティアナと共に旅立った者たちの末裔なのではないかと考えます。

 

それは天星郷(てんせいきょう)という名前から推測できます。

 

 

ドラクエⅨと天星郷の繋がり

今回登場する天使たちはドラクエⅨの世界の天使たちと深いつながりがあると考えられます。

 

以前から、ドラクエⅨとドラクエⅩは繋がりがあるのではないとの考察は多くの方がされていたようですし数々の痕跡から自分自身もそう考えていましたが、審判の天使のひとりでありユーライザにとって姉的存在であるヘルヴェルの日記の中に伝説の天使として記されているイザヤール」が登場した事でドラクエⅨの世界との繋がりは決定的になったと考えます。

 

「……はるか昔 天星郷が

いまだ 世界に存在せぬ頃に」

 

という書き出しのヘルヴェルの日記の内容と同じく審判の天使であるカンティスの自宅の本棚にあった「ふたりの天使」という童話の内容を合わせて読むとドラクエⅨの物語と一致します。

 

これにより、多くの方が予想していた通り今現在我々が冒険している世界はドラクエⅨから未来の時代であり、異界滅神ジャゴヌバに滅ぼされたとこしえの揺り籠とはドラクエⅨの世界だった可能性が非常に高くなりました。

 

過去には、ⅨとⅩの両方の出現するモンスターである「ランドンクイナ」ドラクエⅨ内の豆知識にⅨの世界には出てこない地名「伝説の地 ランドン山脈」とあったことからドラクエⅩの未来がドラクエⅨなのではないかとの考察もあったようですがどちらが先にあったのかがほぼ確定しただけでも大きな進歩だといえるでしょう。

 

ドラクエⅨの物語は、主人公がエルギオスを倒すことで人間界と神の国を救い女神セレシアの復活により役目を終えた天使たちは星となり星空の守り人になりますが、主人公だけがセレシアの命により人間界の守り人として地上で人間としての生活を送る事となります。

追加クエストでは主人公の師であるイザヤールが復活しますがその罪により星にはなれず主人公と同じく人間としての生活を送る事となります。

 

星となった天使たち、星に転生したとなりますがその転生とは現実に夜空に輝く星の光となる事ではなく天星郷フォーリオンに転生し住み替えることになることを意味したのかもしれません。

 

天星郷は転生と天の星の二つの意味を持つ造語であると考えます。

天の星に転生したものたちの郷という意味があるのではないでしょうか。

 

天使たちが天星郷に移住したのがセレシアが復活した直後の事なのか、ジャゴヌバが襲来しルティアナが旅立つ直前の時期なのかはわまりませんが今後なにかしら情報があれば、女神セレシアと創生の女神ルティアナが同一の存在なのかという謎にもなにかしらの答えが出るかも知れません。

 

 

天使たちへの疑問

天星郷で大いなる計画のために活動する天使たちですが、天使とはどのような存在なのでしょうか。

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こいつ大嫌い!

女神ルティアナを敬愛し盟主と崇める故に、ルティアナの死の責任が主人公にあるのではないかと責める者も多くいるようですがフォーリオンで聞ける話からいくつかの疑問が生じます。

 

  1. 現在の天使で神に逢ったものはいない
  2. 本当に下界に原則不介入だったのか
  3. いにしえの大崩壊の日 とはなにか

 

1.現在の天使で神に逢ったものはいない

聖天舎の書庫に勤務するゾーフィアは、「我々の世代は神との交流は未経験」と語ります。天使たちの命には終わりがありある程度の期間活動すると聖天舎内の転生の園と呼ばれる場所で死を迎えるようですが、転生の園では新しい天使も誕生するとのことです。

 

死を迎えた天使の数だけ新しい天使が生まれる事で天星郷の人口を管理している可能性はありますがゾーフィアの発言からわかるように新しく生まれた天使は過去に生きた天使の記憶や知識を受け継いでいるわけではないようです。

 

天使の寿命は1000年、最大でも1300年程度ではないかと推測できますので、神話時代の記憶を有する天使は存在しないことになります。

 

聖天舎の特務室に勤務するユンジェロはかつて奸臣グルヤンラシュが英雄候補になった時代を「先輩のそのまた先輩の時代」と語り、自分は星導課で働いて「数百年の新米」とも語っています。 

奸臣グルヤンラシュは、今から3056年前ウルベアガテリア戦争を勃発させガテリア皇国を滅ぼすと共に大規模な民間人虐殺を引き起こし、さらに当時のウルベア皇帝やその忠臣たちを暗殺・粛清したドワチャッカ大陸の歴史上最大級の戦争犯罪人です。

 

聖天舎に勤務するジェムハザーは「三闘士・ハクオウなどの古い時代の英雄の魂を連れてきた導きの天使たちはもういない」と語りましたが、三闘士は約4000年前のドワチャッカ大陸で活躍した英雄たちであり、ハクオウは約6000年前に災厄の王の二度目の襲来と対峙した英雄です。

 

これらを素直に考えれば、天使は約1000年で一世代であり転生の園で生まれてからすぐに任務に就けるわけではないならば多少年月は伸びるかもしれませんが、ひとりの天使の一生は約1000年程度と考えます。

 

魔族も1000年程度生きるようですが見た目と年齢が比例するとは限らないようですしもっと長命の魔族も存在するようですが、天使も全員が同じような寿命なのか天使長ミトラーのような特別な役職の天使は他よりも長命なのかなどはまだわかりません。

 

このように、現在の天使たちの中で実際に女神ルティアナやその子である種族神たちに逢った経験のある者は存在しない中で頑なに祖先の計画やルティアナへの忠節を維持し続けている事には疑問が生じます。

 

天使が元々そう設計された存在だということなのかもしれませんが、今まで出会ったナドラガンドに生きる竜族、魔界に生きる魔族、どちらもその大半は過去や神にこだわって生きていませんでした。

 

竜族・魔族と天使たちとの違いに意味はあるのかは気になります。

 

2.本当に下界は原則不介入だったのか

聖天舎の天務室に勤務するネブリールは、

 

「世界創生を 見届けた者の 末裔として

下界で起こる さまざまな争いには

原則不介入を つらぬいてきました。」

 

と語りましたが本当でしょうか。

 

神話時代が終わった古代に起きた一度目の災厄の王の襲来時、天より白星剣をたずさえ天より舞い降り聖竜グレナイルと共に災厄の王を退けた初代王者とは天使ではなかったのか。

 

神話篇では、白星剣・グレナイルというドラクエⅨを思い出させるものが登場し当時から初代王者は天使でありドラクエⅨの主人公なのではないかと考察されていたと記憶しています。

 

初代王者が天使であったのなら下界に対して介入したことになりますが、これが原則を破るほどの事態であったのならば二度目の災厄の王襲来で二代目王者であったハクオウが敗れるという事態が発生した時にはなぜ介入しなかったのかレンダーシア大陸を除く五大陸が滅び暗黒時代と呼ばれる時代を天使たちはどうみていたのでしょうか。

 

さらに、ファビエルやメドナムが所属する界律課の仕事は下界への介入とは違うのでしょうか。

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界律課のファビエルとスライミーズ

破魂の審判は世界を滅ぼすかどうかを決めるという重大な内容ですが、メドナムは破壊神シドーの登場に際し「何度も見てきた」と発言しています。

 

この事から界律課は何度も下界に干渉してきたということになるはずです。

 

破界篇が公開された当時は、ファビエルとメドナムたち天使はいくつもの並行世界を移動しながら活動する夢現篇のグランマーズのような存在だと考えていました。

 

しかし、今回天使はアストルティアの上空に住むこの世界の住人であることが判明した事から何度も見てきた破壊神とはいつの事なのかこれは下界への介入とは違うのか、介入せずとも自然に破壊神が襲来した事を指すのかなど疑問が生まれます。

 

破魂の審判が行われたのは偽のレンダーシアであり大魔王マデサゴーラによって造られた世界でした。もしかすると何者かによって後に造りだされた偽の世界に対してだけ破魂の審判は行われるのかもしれませんが、マデサゴーラであっても創生の霊核を手に入れたことにより偽のレンダーシアを作ることが可能となったわけです。

 

マデサゴーラ以前に何度も破魂の審判の対象となる偽りの世界が存在したとは考えにくいのではないでしょうか。

 

下界に原則不介入という天使たちの発言と整合性がとれないような出来事がどう関係するのかが物語に影響するのか気になります。

 

3.いにしえの大崩壊の日 とはなにか

浄罪の泉が汚染された報告を受けた天使長ミトラーが独り言として呟いた

 

「いにしえの 大崩壊の日さえ……

奴らに フォーリオンが 蹂躙されても

あの水源だけは 汚されなかった。」

 

この事からフォーリオンは過去に何者かに攻め込まれ重大な危機に陥ったことがあったわかるわけですが、その事を今のフォーリオンに伝える文献などはみつけることが出来ませんでした。

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天使長は何か隠している?

ただ、聖天舎の戦務室に勤務するハルルートはパルミオ博士と主人公が天星郷に向かった事を「いつかくるであろうといわれていた脅威」かと思ったと発言していますので、これがいにしえの大崩壊の日の再来を警戒していたのだとしたら戦務室など一部の天使たちは部分的にでも知らされているのかも知れません。

 

さらに、現フォーリオンの下層に存在する神代の遺構を放棄する原因となったのが、いにしえの大崩壊の日だった場合、何故放棄しなくてはいけなかったのかそしてそれほどの大事件をなぜ大々的に語り継いでいかないのか、また英雄を神化させるという大いなる計画に影響したのかなど不明な点は多くあります。

 

 

天使の名称の由来について

前回の記事でユーライザの名前は、ユール(yule)+イライザ(Eliza, Elisaの造語であると書きました。

 

ユール(yule)は古英語でクリスマスの事であり北欧でユール( julといい、かつては主神オーディンへ捧げものをする習慣でした。

イライザ(Eliza, Elisaヘブライ語由来の名前で「我が神は我が誓い」という意味です。

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ユーライザ

この事からユーライザは北欧神話の英雄の魂をオーディンの兵士とするため運ぶというヴァルキリー(戦乙女)の事を指すのではないかと書きましたがその予想は何となく当たっていたように思えます。

 

ユーライザがヴァルキリーを指す名前だとしたら彼女の姉的存在であるヘルヴェルもまたヴァルキリーの名前です。

 

北欧神話「ヴェルンドの歌」に登場しヴェルンドの妻となるヴァルキリーです。

名前の意味はヘルヴェル(Hervor )で、軍団の守り手という意味のようです。

 

戦務室出身の彼女にふさわしい名前ではないでしょうか。

また神話のヘルヴェルは三姉妹であったのでもしかするとユーライザ以外にも姉妹的な存在がいるのかもしれません。

 

そしてヴェルンドの歌の主人公ヴェルンドは強欲な王に幽閉され傷つけられその力を利用されるが最後に復讐するという、どこかドラクエⅨのエルギオスを思わせる内容です。

 

これらの事がストーリーに関係してくるのかはまだ分かりません。

 

天使長ミトラーはおそらくミトラ教の主神である太陽神ミトラスから来ていると思われます。

 

ミトラーや他の天使たについても気づくことがあればその時にまた書きたいと思います。

 

 

フォーリオンの由来

天星郷フォーリオンの名前についてですが、天星郷は天の星に転生したものたちの郷ということですが、フォーリオンという名前は何か意味があるのでしょうか。

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フォーリオン

なにかの造語だとするならフォーは数字の四を表すfour、前置詞のfor、落ちるの意味のfallなどがあるかもしれません。

 

リオンですがギリシャ語のライオンを意味するLeonに由来する名称で、ゲルマン語では「雷」を意味するという記述を見かけましたがこれが本当なのかゲルマン語の中でも今でも解読できる言語なのかすでに死語になってしまったものなのか調べることが出来ませんでした。

もしかするとギリシア語のライオンがゲルマンで雷の意味に転じたのかもしれませんがそれも調べることが出来ませんでした。

 

スペインにレオン(León)という都市があります。

このレオンはライオンではなく紀元前1世紀にローマ軍が軍事キャンプを置いたことが名前の起源となっておりレオンはラテン語でローマ軍・軍団を指すレギオン(Legio)が基になった名前だといわれています。

 

仮定としてフォーリオンがフォー・レオン(for Leon)の造語から来ている名前だとすると「軍団の為に」という意味となりフォーリオンは何者かと戦うもしくは防衛することを目的として建造された都市なのではと推測できます。

 

いにしえの大崩壊の日を巻き起こした何者かや、いずれくるであろう脅威に対する備えや物語の未来を暗示する名前なのかもしれません。

 

また、フォーを数字の4であるfourとして考えてみるとキリスト教聖書において数字は象徴的に使われる事があるようで4は神が作りだした自然、世界を表すといわれています。

 

同じく聖書で考えるとレギオンマルコの福音書などに出てくる悪霊としても有名です。ローマ軍団を表すLegioがら転じているといわれますが大勢の悪霊たちの事のようです。

 

天使の住む郷に悪霊の名を冠するとは思えませんがそうであっても面白いですし、フォーリオン自体が幾つもの意味を含む名前なのかもしれません。

 

 

最後に気になる事

長くなってしまいましたが最後に天星郷に来てから最も気になってる事を。

 

それは白灰の試練場にある薔薇に見えるこのマークです。

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薔薇の蕾と棘?

各試練場にはそれぞれ試練場のシンボルとなるような記号が神殿の床や壁に存在しています。

例えば、祈願の神殿であれば鉱石や財貨の輝きを象徴していると思われる床の模様、生誕の花園であればそこにそびえる大樹をイメージしたような床の模様、裁定の清壇であれば外に多く咲いている紫陽花を思わせる壁の模様というふうに。

 

しかし、白灰の儀礼場への洞窟内とそなえの場の床にもある薔薇ですが試練場全体を回っても薔薇を見つけることはできずこのエリアの何を象徴しているか不明です。

 

キリスト教においては薔薇は、赤い薔薇は殉教者の流した血を象徴し、白い薔薇は聖母マリアの純潔さの象徴とされています。

 

この様な意味が白灰の試練場と関係あるのか無いのか、白灰の担当者であるヘルヴェルの今後の何かを暗示するのか、他の試練場と違いヘルヴェルだけが不在である理由と関係があるのかなどが気になるところです。

 

各試練場に埋まっていたり浮遊している巨大な塔のようなものの表面にも薔薇のような模様が刻まれています。

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近づいてよく見ると薔薇のような模様が?

気になる事は多くありますが今後明らかになることを期待しながら今回はここまで

ver.5.5後期を終え予想の答え合わせとver.6への予想も少し

ドラゴンクエストⅩver.5のストーリーをようやく終えることが出来ました。

ver.1から続いた一連のストーリーに幕が下りた今、ver.5において今まで自分が書いてきた予想に関して簡単に答え合わせと気になった事、さらにver.6の予想も少し書いてみたいと思います。

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冒険の終わりそして始まり

以下ver.5のネタバレを含みます!

 

 

ルティアナとジャゴヌバ

ver.1からその存在は感じることが出来た、「創生の女神ルティアナ」「大いなる闇の根源とよばれた異界滅神ジャゴヌバ」の正体についてですが、以前書いた記事の中で

 

①.ルティアナの正体はドラクエⅨの女神セレシア?

 

と、予想していましたがこれに関しては最後までわからないままでした。

 

今までのドラクエⅩの世界で「グランゼニス」・「大地の箱舟」・「クイーン・セレシア号」・「天使」といったドラクエⅨを連想させるものが多く存在し、世界宿屋協会のゼネラルマネージャーであるロクサーヌ、季節イベントにたびたび登場しているドラクエⅨのアギロと同一人物と思われるテンチョーこと聖天の使い、同じくドラクエⅨのサンディの未来の姿と想像できる妖精の女王などのキャラクターも存在します。

 

現在も、創生の女神ルティアナの正体は女神セレシアであると考えてはいますがドラクエⅨを知らなければドラクエⅩのストーリーを理解できないという事にはならないでしょうから今後もドラクエⅨの世界との繋がりに関しては明言はされないのかもしれません。

 

②.ジャゴヌバの正体はドラクエⅨの創造神グランゼニス?

 

と、予想していましたがこれは大外れでした。

 

ジャゴヌバの正体は、かつて遥か彼方より飛来した「異界滅神の一族」の一人であり過去にルティアナが生まれたとこしえの揺り籠を滅ぼしたのちにアストルティアへ飛来した事が魔祖メゼから語られます。

 

魔祖メゼから語られた内容は驚くべき新事実でした。

今までアストルティアの歴史を考えるうえで最も重要な資料のひとつが2016年に出版されたストルティア創世記だったわけですが、創世記のアストルティアの神話、アストルティアの誕生に書かれていた内容と違ったからです。

 

神学者ロッサム博士によって書かれたという設定のアストルティアの神話には、

 

この世界が生まれる前……はるか遠い場所、はるか古い時代に

「とこしえの揺り籠」と呼ばれる世界があった

とこしえの揺り籠はあまりにも永い星霜を経たため、滅びの時を迎えようとしていた。

 

この時、古き世界の神より万物創生の力を授かり、新天地を求めて旅立ったのが

光の女神ルティアナであった。

 

と、書かれています。

これを素直に読めば、とこしえの揺り籠の世界は長い年月を経たためその寿命により終わりを迎えたと考えられます。

 

しかし、魔祖メゼの話ではとこしえの揺り籠は世界の寿命によって滅びたのではなく何らかの事情によりルティアナが旅立った後に異界滅神の一族によって滅ぼされたとなります。

 

ルティアナが旅立った理由が異界滅神の一族の襲来から逃げるためだったのか、それとも別の理由で旅立った後に襲来し滅ぼされたのかはわかりませんが少なくともとこしえの揺り籠の滅亡は外部要因によるものであり、創世記の記述は今後はその前提が違っているという事になりました。

 

また、とこしえの揺り籠がドラクエⅨの世界だとした場合は創造神グランゼニスの死が世界の終焉となるのでグランゼニスが異界滅神の一族によって殺されたという事になるのでしょう。

 

以前、神の正体などについて予想を書いた記事です。

kyuroinu.hatenablog.com

 

kyuroinu.hatenablog.com

 

kyuroinu.hatenablog.com

 

 

ジャゴヌバは何者か目的とは

ver.1時代の魔瘴石が太陽石に変換されるという事実、ve.2以降でマデサゴーラの創作物に見え隠れする光と闇・聖と邪が混然としているイメージなどから光と闇は切り離せない存在、もしくは元々同一の存在だった可能性があるように思えた事から、創生の女神ルティアナと大いなる闇の根源・異界滅神ジャゴヌバはアストルティアの創生以前から深く繋がりがあった存在だったのではないかと考えていました。

 

この考えから、異界滅神ジャゴヌバ=ドラクエⅨのグランゼニスという説を書いてきました。

ジャゴヌバのルティアナと種族神の末子にして人間・勇気の神であるドラクエⅩのグランゼニスに対する執着のようなものからジャゴヌバはかつて自分がとこしえの揺り籠で創造神だった時代に、人間を失敗作だと考え滅ぼそうとした行いを諫めたセレシアがのちにルティアナとして新たなる世界を創生し、そこで人間の神に自分と同じ名前を与えた事に対する怒りから来ているのだと考えたからでした。

 

ドラクエⅨにおいてグランゼニスはその体をバラバラに封印されたまま話が終わっていきます。その後完全復活を遂げ娘である女神セレシアと和解出来たのかは不明ですが、完全なる復活はできないままその寿命を終え取り残された身体や精神の一部が妄念となりセレシアをアストルティアまで追いかけてきたのではないかと考えていました。

 

しかし、5.5後期で明かされた正体はとこしえの揺り籠ともアストルティアとも全く無関係なく突如現れた異界滅神の一族の一人でした。

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一族という事は他にも…?

魔祖ザークによると、異界滅神ジャゴヌバは遠い彼方からやってきた生命を鉱物へ変容させる者でした。

水は砂に、草木は石に、果実は宝石に変えることがジャゴヌバの目的であり生命が死に絶えることが世界を滅ぼすという事になるようです。

 

ジャゴヌバにとっては、自らが襲撃した世界の生命などの有機を鉱石などの無機体に変えてしまう事が世界を滅ぼすという事のようです。

有機とは有機物からなる組織体の事で、一般的に生物のことを指します。

有機物とは生物が作り出す化学物質の事であると古くは定義されていましたが現在では人間が有機物を作り出せるようになったことから、「炭素が原子結合の中心になる物質の総称」と現代では定義されているようです。

無機物は有機物の反対であるので「炭素が原子結合に含まれない物質の総称」となり、この炭素を含まない無機物からなる組織体であり生物でないものが無機体と呼ばれます。

 

有機物と無機物の定義は歴史的なものと現在のものとが混在する場合もあり明確な区別が着けられないという主張もあるらしいのですが、その最大の違いが炭素にあるのだとしたら本来、異界滅神の一族のチカラとは有機物の炭素に働きかけ抜き取るもしくは別なものに変化させてしまうものなのかもしれません。

 

ただ、アストルティアに飛来し、シュナ・メゼ・スコル・ガルド・ザーク他二人の七人(後の魔祖たち)を含むアストルティアの賢者たちによる封印をうけるなか突然変容して元々の異界滅神の一族の目的とは別の存在になってしまいました。

 

姿も巨大な肉塊へと変容し全身から濃厚な魔瘴を噴き出したという魔祖メゼの発言もあり、魔祖ザークとの戦いの後に魔王アスバルも

「ジャゴヌバは 魔瘴によって

生き物の姿を 変容させる

それは 鉱物化というには ほど遠い」

と感想をもらします。

 

おそらく、アストルティアに飛来しルティアナの創生した世界を目撃した事で異界滅神ジャゴヌバの内面に変化が起き、今まで知らなかった未知の概念や思想を自らに取り込みたいと考えるようになったという事なのでしょう。

「僕が 時代ごとの 大魔王に求めてきたのは

王者の器と そして……斬新で革新的な思想。」

 

と、魔界に暮らす者にも未知の思想を求め

 

「女神ルティアナよ。

我は 貴様の滅びを 渇望する一方で

貴様そのものを 求めていたのやもしれぬ。」

 

と、ルティアナの生命力を取り込み

 

真の望みはルティアナの光と融合する事だったとジャゴヌバは気づいたようでした。

 

光を取り込み完全体となることで全ての生命と思想をひとつに統べることが、

「協調の神髄」だと考えたジャゴヌバですが、ルティアナの呼びかけによりアストルティア・魔界に個々それぞれ暮らす人々の祈り・願い・想いを集め束ねたミナデインによって倒されます。

 

これはそれぞれ弱くバラバラな存在でも協調し手を取り合い立ち向かえば完全なる神にでさへ勝るという事なのですが、

 

なぜ生物を鉱物に変えることが滅びと考えていた異界滅神の一族が新たなる概念を取り込みより完全なる存在へと変貌したいと願ったのか、そう思たのはルティアナに出会ったからだけなのか、ルティアナを生み出したとこしえの揺り籠を滅ぼしたときにはそうは思わなかったのかなどは不明です。

 

世界から生命を消し去り滅ぼしたいという行動原理は時元神キュロノスと似ていますが、キュロノスは誕生した過程から宇宙のエントロピー因果律をリセットするために生命を滅ぼすという理由とは異なるのかジャゴヌバの動機や最終目的はver.1~4のラスボスと比べてかなり判りにくく支離滅裂な印象を受けます。

 

ドラゴンクエストⅩ9周年特番において鉱物化についてはまだ語れないという発言があったようですから今後他の異界滅神の一族の登場や謎についての言及があるのかもしれません。

 

 

魔王について

魔王については、いままでにマデサゴーラについてとユシュカについて記事を書いてきました。ブログを始めたのもマデサゴーラに関する自分の考えを何らかの形にして残しておきたいというのが動機でした。

 

マデサゴーラとユシュカについては二人とも魔界の魔王でありながら太陽神の化身としての性質を有していると考えていましたが

 

全ての大魔王が復活と再生の象徴であったのではないかという推測をいずれ書くとしたまま放置していましたがこの推測が正解だった可能性があると考えます。

 

それは復活と再生の象徴としての第三の魔王が居た可能性があるからです。

 

それは討伐モンスターリストのまめちしきから知ることが出来ます。

 

起源鎧デルメゼのまめちしきには変身前の魔祖メゼには妻シュナが存在したとあります。シュナもアストルティアの賢者のひとりであり同じく魔祖となった存在です。

その魔祖シュナは最強の異形を生み出したと起源魔スコルパイドのまめちしきに書かれています。

 

その最強の異形とはおそらく魔祖の血族の絶対君主である羅刹王バラシュナでしょう。

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羅刹王バラシュナ

バラシュナのまめちしきには、

太古の時代 年老いた魔王が

魔祖と呼ばれる存在に接触

その聡明な知性と引き換えに

絶対的な怪物として再臨した。

 

と、書かれています。

つまりバラシュナはかつて魔王の成れの果てなわけですが、その背中にはえている羽は主人公の大魔王城の玉座、ペペローゴーラが作成した玉座にある羽とよく似ています。

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有翼スカラベを模したデザイン

この玉座古代エジプトの有翼スカラベを模したデザインであり、有翼スカラベは復活再生・永久不滅のシンボルであったと以前に書きましたが太陽信仰とつながるものがかつて魔王であったバラシュナの背中にあるということはバラシュナもかつて魔王だった時代はマデサゴーラやユシュカと同じく太陽神の化身としての性質を持っていた可能性があると考えられます。

 

バラシュナは大魔王になったわけではありませんし、もしかしたらその性質は魔祖シュナが持っていたものがバラシュナに受け継がれただけかもしれませんが、魔界という場所でこれほど太陽・再生復活の象徴となる存在がいるということは偶然ではなく意味があるのと考えます。

 

大魔王、特にマデサゴーラについてはまだ書きたいこともあるので機会があればその時にまた他の大魔王・魔王についても書ければと思います。

 

以前、玉座とユシュカについて書いた記事です

kyuroinu.hatenablog.com

 

 

ゼクレス魔導国

ストーリーのクリア後のサブクエストも面白いものが多く魔界の三大強国のなかでも特にお気に入りだったゼクレス魔導国についてはイーヴ王とエルガドーラ王太后をめぐる話はとても興味深かったです。

 

ゼクレス魔導国、イーヴ王アスバルについての記事も以前に書きましたがその中でかいたエルガドーラ王妃の家系は王家と血のつながりがないと書いていましたが傍系も傍系であるとはいえ血のつながりがあったようです。

 

他にもオジャロスとデルクロアのつながりなども判明しましたし、イーヴ王の改革が王制そのものの廃止を考えていたなど新事実も出てきました。

 

エルガドーラのイーヴへの思い婚姻の裏側などに関しては以前書いた内容が当たっていたのは驚きました。

 

魔界で一番好きな国、ゼクレスに関してはいつかまた何かしら書けたらと思います。

 

以前、イーヴ王とアスバルの改革について書いた記事です。

kyuroinu.hatenablog.com

 

 

勇者と盟友

ver.5.3で「心層迷宮」が登場した時に書いた記事で、初代勇者の時代には勇者と盟友の盟友という存在はなく双子の勇者がいただけだった。

そして双子の勇者の弟レオーネの死については今に伝えられていない事から盟友という概念は後の世に創作されたのではないかという考えを書きましたが、

ver.6のキャラクター紹介にてレオーネは「初代盟友と」としっかり明記されていました。

 

じゃあなんで心層迷宮でもそういわなかったんだよすごく大事な話だろと思いますがしかたがありません。予想は大外れでした。

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勇者レオーネって言ったよね?おい、こっちみろよ

おそらく勇者と盟友についてや過去に何人の勇者が存在したのかなどは今後も設定が頻に変わる可能性があると思われるのでそのつど納得するしかないのかもしれません。

 

大小の部族が寄り集まって勝利したはずの初代大魔王との戦いの後に建国された神聖ゼドラ王国、そしてその後継国であるグランドゼドラ王国という名前から推測されるネガティブな歴史に関しても否定されると思われます。

 

以前、盟友について書いた記事です。

kyuroinu.hatenablog.com

 

 

ストーリー終えて

主に、ルティアナとジャゴヌバの正体について、ジャゴヌバの目的とは、魔王について、ゼクレス、勇者と盟友にかんして大雑把に答え合わせをしてみましたが大外れでした。

 

冒険の中で拾える情報と創世記を元に妄想を膨らませて書いているだけなので当たり前といえばそれまでですが。

 

ただ、もっとも驚いたのはとこしえの揺り籠の最後に関する部分が創世記に書かれた内容が変更されてしまったという点です。

 

創世記の冒頭はロッサム博士が書いた資料から抜粋されているという設定ではありますがアストルティア創生に関わる大本が変更されたいうのは衝撃的でした。

 

黄金のパラディンのクエストで大地の竜バウギアの設定が大きく変更されたように今後もその都度、ストーリーや人気キャラの外伝を作るうえでアストルティアの歴史や世界観は変更されていく事になるのだと思います。

 

サービス開始から9年を迎えディレクターも二人交代している中で過去に設定した世界観が現在進行している話しや人気キャラに上手く繋がっていかないということは当然あるでしょうから致し方がない事ですが、ver.1からの世界観が好きで隅々をまわってアストルティアに考えを巡らせていた者としては寂しさを感じてしいました。

 

とはいえ、ver.3でも最大のテーマであった 神との決別・種族としての自立 は今回も大テーマとしてありましたからドラクエⅩとしての大きな軸は変更されていない事は凄いことだと感心してしまいます。

 

長々書いていますがもうちょっとだけ

 

 

ver.6の予想

ver,6の冒険の舞台は天星郷フォーリオンになるようです。

情報はまだ詳しく見れてはいないのですが、公開されている情報の中で主人公をフォーリオンへ導く役割の天使のひとり「ユーライザ」の名前から少し予想をしてみたいと思います。

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いざ天星郷へ!

ユーライザという名前の綴りが「Yuliza」だった場合スペイン語圏の女性にある名前のようですがスペイン語が読めないためその意味や由来については理解できませんでした。

 

スペイン語から来ている名前だとすれば分かりませんが、もしこのユーライザという名前が、

 

ユール(yule)+イライザ(Eliza, Elisa

 

と英語での造語も含んでいるとすると意味が分かりver.6の世界とのイメージが繋がる気がします。

 

ユールとは英語の古語で現在のクリスマスの事をユール(yule)・ユールタイド(yuletideと呼んでいたことに由来します。

今でも北欧圏ではクリスマスの事をユール(jul)と呼んでいるようです。

 

そしてイライザ(Elisaはエリザベス(Elizabeth) の短縮形でありヘブライ語のエリシェバ(Elisheva、אֱלִישֶׁבַע)がギリシア語のエリザベト(Elisavet)になりそれが由来している名前のようで、その意味は「我が神は我が誓い」となります。

 

クリスマス+神への誓いを名前に持つことになるユーライザさんですが、ユール(クリスマス)は現在のような贈り物をもらえる風習ではなく元々はキリスト教がヨーロッパゲルマン人社会に広まる以前の冬至祭のことで本来はビールや豚を神へ捧げる習慣の事だったようです。

捧げる相手の神は北欧神話主神オーディンや豊穣の神であるフレイ神であったとも、フレイ神を含むヴァン神族(豊穣と平和を司る)は対象外でオーディン(死と戦の神)が対象だったともいわれています。

 

ユーライザという名前が、戦の神オーディンに捧げものをするユール(クリスマス)と我が神は我が誓いという強い信仰心を名前の中に持っているとすると、その存在は戦乙女・ヴァルキリーなのではないでしょうか。

※ヴァルキリー(  valkyrja )北欧神話において戦争で死んだ兵士の半分・英雄を主神オーディンの宮殿まで運ぶ役割があり運ばれた者たちは終末戦争にそなえた兵士とされます。

 

そしてヴァルキリーは白鳥に例えられることもあるようで。

ユーライザの背中の美しい白い羽は白鳥のものとよく似ているではないですか。

 

天星郷フォーリオンにはアストルティアでかつて活躍したラダ・ガートフォステイルといった英雄たちが住んでいる様子です。

主人公たちは英雄として招かれるのか、それとも神への捧げものとされるのかはまだわかりません。

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捧げものに喜ぶガルム

PVなどでみる天星郷はエリアがしっかりと別れていておそらく各バージョンごとに一つのエリアを冒険することになりそうな気がしています。

どことなくナドラガンドを連想してしまうのは私だけでしょうか。

 

もしかしたらver.6ではかつてのナドラガンドでの冒険と同じようなテーマが隠されているのかもしれません。

 

今回はここまで

 

魔界の関所

今回は魔界の各地にある関所からそれがどういった役割だったのか、関所をみることで魔界の歴史がみえてくるのではないか考えを書いてみたいと思います。

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バルディスタ山岳地帯への関所

以下ver.5.2までのネタバレを含みます。

 

 

魔界の関所

魔界に存在する関所は地図上に明記されているものでは、ゲルヘナ原野のベルヴァインの森関所・バルディスタ山岳地帯関所・ジャリムバハ砂漠関所とジャリムバハ砂漠のディンガ交易所入り口を長く封印していたディンガ関所四か所です。

 

※関所とは、陸路・海路の要所におかれた検問や租税を行うための施設です。

関所の役割や数は、時代や情勢により変わります。

一国の中で各地域の貴族・軍閥・宗教勢力などが独自に出入りする人や物に対して検問や税金を取る代わりに通行者に対して安全を保障する目的で数多く設置された時代もあれば、国が主体となり税金を徴収する目的ではなく各地域の軍事防衛や治安維持のために人・物の出入りを把握・管理する目的で城塞として設置された時代や国もあります。

 

魔界においての関所にはどんな役割があるのでしょうか。

租税や検問も大事な役割でしょうが見た目としては他国からの軍事防衛を目的として国境に置かれているのかもしれません。

 

その理由は各関所のデザインからです。

 

ジャリムバハ砂漠のディンガ関所を除くゲルヘナ原野にある三か所の関所はどれも同じ造りになっており、違いは関所を抜けた先の勢力である現在の魔界三強国の旗や紋章、かがり火の色の違い程度です。

 

関所の構造は石積みの重厚な壁と扉、そして壁には外殻塔(内側にだけ開いた塔)や壁の上にはのこぎり壁・のこぎり型挟間(凹凸があり身を隠したり覗いたり矢を射るための壁)思われる防衛設備が設置されています。

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外殻塔は内側からしか入り口がない防衛設備

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これは側塔のイメージか?攻撃用の隙間は省略されている様子

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凸凹に身を隠して矢を射かける鋸狭間

一部、現実世界の中世ヨーロッパの城塞を思わせるような構造でありゲルヘナ原野側から他国の侵攻を受けた時にこの関所が防衛拠点として利用する目的として建造されたと考えます。

 

 

防衛拠点としての関所

他国からの侵攻に対しての防衛拠点として建造されたと思われる関所ですが、上手に運用できているのはバルディスタ要塞ぐらいのようです。

 

ver.5.1で発生した魔界大戦では、バルディスタ軍がベルヴァインの森関所・ジャリムバハ砂漠関所をいとも簡単に突破しその先にあるゼクレス魔導国・ファラザード領へ侵入しています。

 

ファラザードに関しては関所で防衛するよりは砂漠へ引き入れそこでバルディスタ軍を消耗させてから戦う戦術だったようですがゼクレス魔導国に関しては関所を突破されそのまま王都への侵入を許しバルディスタの魔王ヴァレリアがゼクレス城にまで突入してくるという非常事態に陥りました。

 

これはゼクレス軍が油断し弱かったからかもしれませんが関所が防衛施設としてまったく機能していなかった可能性が高いように思えます。

 

関所の構造が防衛設備として機能しないことを知っていたからこそファラザードはあえて通行させその先に罠を張るような戦い方を考えたのかもしれません。

 

ゼクレス魔導国もベルヴァインの森は見通しが悪く道も細く曲がるしかない地形があるのでいくらでも待ち伏せや狭い道を封鎖して防衛し時間を稼ぐことは可能だったと思われますが現在のゼクレス魔導国には有能な指揮官が居ないのかもしれません。

 

もしくは、内政に関しては有能でも軍事には疎く非常に感情的な決定をしてしまうエルガドーラ王太后が方々に命令を乱発して現場を混乱させ指揮官たちのやる気や能力を削いでしまっていた可能性はあるかもしれません。

※16世紀スペイン帝国の最盛期に君臨したフェリペ2世のアマルダ海戦や17世紀のフランス王国太陽王と呼ばれたルイ14世スペイン継承戦争のように絶対的権力と最強の軍隊を持ちながら、王宮から軍隊の前線まで細かい指示を送りたがりそれにより前線の柔軟な対応を阻害してしまい重大な局面で敗北してしまったという例もあります。

 

一方、バルディスタ要塞は関所を防衛施設として上手に利用できていました。

ファラザードと同じく相手を関所内に引き入れるところまでは同じですが、バルディスタの場合は関所から山岳地帯に入った街道のすぐ横手にある丘の上に兵士と軍馬、そして魔瘴弾を発射できる大砲を置いた基地を設置している事で関所の門からなだれ込んできた敵兵に対し横矢をかけるという防御施設となっています。

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関所を抜けると左手から大砲 正面からヴァレリアという地獄

横矢をかけられた敵兵が前進しようにもバルディスタ要塞の街道はすぐ先で細いトンネルが待ち構えており、そこに兵士を詰めさせれば少ない人数で防衛することが可能です。

 

実際に魔界大戦でもゼクレス・ファラザード連合軍はこの関所を抜けた先の空間で横矢を受け足止めを食らい中々前進できなかったようです。

さらに丘の上の基地を攻略しようにも前方のトンネルから魔王ヴァレリア自身が突撃してくるので前と横から挟撃され数の優位を生かせずに攻め込んだ側が劣勢という状況まで作られていました。

 

ゼクレス側の太古の魔人による一撃で戦況は一変しますが、そのままバルディスタ要塞を陥落させるための進軍はせずにゼクレス軍が撤退、ファラザード軍も副官であるジーを失った事で撤退を余儀なくされます。

 

ゼクレス軍が撤退した理由はエルガドーラ王太后が魔王ヴァレリアを討ち取りバルディスタ軍に壊滅的ダメージを与えたと勘違いした事によりますが、他にもこれ以上前進するのが難しいほどの被害がゼクレス軍にも出ていたのかもしれません。

 

防衛施設として上手に利用できるかは各国によって変わるようですが、ゲルヘナ原野の三か所の関所以外にも同じ構造の建物が魔界にはいくつかあります。

それらの中には、今は地図に記載されていないが当時は関所の役割があったり防衛施設であったりしたはずです。次でそれらを紹介したいと思います。

 

 

地図に乗らない関所

地図で表記されていないが関所である・あったと思われる同じ構造の建造物として

  1. ベルヴァインの森東への入り口にある城壁
  2. バルディスタ要塞入り口の城門
  3. ザハディガル岩峰への関所
  4. 魔幻都市ゴーラ領への関所
  5. ゲルヘナ原野南西・ネクロデア領への国境の関所
  6. 旧ネクロデア領内で地図上のFー3
  7. 旧ネクロデア領Dー6北
  8. 旧ネクロデア領Dー6南

確認できるだけでも八ヶ所存在します。

 

1.ベルヴァイン東への城壁はこの先にはゼクレス魔導国の王都があり王都の最終防衛となる場所でしょう。

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ベルヴァインの森東への境界線にある関所・城壁

ゼクレス魔導国は建国王ワラキウスの時代にすでにゲルヘナ原野までその影響力を伸ばしていることから国境の関所として建造されたといういうよりは王都の防衛を目的として置かれたのかもしれません。

 

2.バルディスタ要塞入り口の城門は完全に関所というよりは要塞の一部です。

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城門として城の一部に組み込まれたのか

魔界西部はネロドスの死後、分裂し各勢力が争いあう戦乱状態に突入しますが、以前書いた記事にネロドスの登場以前も長く分裂状態にあったのではないかという推測を書きました。

 

魔界西域の戦乱は、ネロドスの次の大魔王として戴冠する事となるマデサゴーラと西域最大の勢力を築き上げる魔王ヴァレリアの登場までいくつもの勢力が生まれては滅びを繰り返し城塞の主も何度となく変わる時代だったと思われます。

 

もしかすると、バルディスタ要塞入り口は過去にこの場所にあった勢力の本拠地をヴァレリアが奪いその城塞をさらに改築し現在の姿に造り替えた名残として入り口が残っているだけなのかもしれません。

 

バルディスタ山岳地帯関所での上手な防衛施設運用を考えるとヴァレリア自身やその部下は築城や防衛施設の運用に高い知識と経験を有しているはずです。

 

現在のバルディスタ要塞は過去にネロドスが建国したネロディオス覇王国の王都跡を改築して出来ているというような話があれば面白いと考えてしまいます。

 

3.ザハディガル岩峰への関所は魔界とアストルティアを繋ぐルクスガルン大空洞への門があり、現在ではバルディスタの遠征軍駐屯所がおかれている地域ですので、軍事的にも重要な地位です。

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ザハディガル岩峰への関所

そこへの人の移動は厳しく管理する必要があるので関所が置かれるのは当然だと思われます。ルクスガルン大空洞が開いたのは500年ほど前に戦禍の邪神によってだと仮定した場合、関所が置かれたのは500年以内だったかもしれませんがそれ以前であったかもしれません。

 

ver.5のオープニングを考えるとユシュカは主人公を担いでこの関所を抜けた事になるのでしょうか。

 

4.魔幻都市ゴーラへの関所は、軍事的役割は少なそうです。

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関所を抜けると両側に屋敷が立ち並ぶゴーラ領

関所は他国のものとほぼ同じ構造ですが、バルディスタ山岳地帯から関所をくぐるとすぐ左右に屋敷が並んでおり、その屋敷にも武器や兵器のようなものも確認できないことから軍事的な施設というよりはゴーラ領に訪れた人々の宿泊施設や行政機関の役割があった屋敷のように思えます。

 

大魔王マデサゴーラが支配した地域ですが、長く戦乱が続いた魔界西域において西域最大の勢力であり大魔王に対しても服従を誓っていた様子もないバルディスタ要塞の領地と接していながら軍事施設とは思えない関所が置かれているのは芸術家でもあるマデサゴーラゆえの事でしょうか。

 

しかし、芸術家であり独創的な建造物や作品を数多く制作してきたマデサゴーラが他国と同じデザインの関所を置いているという事に少し違和感があります。

ジャリムバハ砂漠にあり、ザード遺跡と同時代に建造されたと思われるディンガ関所は他の地域にはない独創的な様式です。

 

この違和感から考えることを後で書いてみたいと思います。

 

5.ゲルヘナ原野南西・ネクロデア領への国境の関所は、現在確認できる物の中で最も防衛拠点として活躍した関所ではないでしょうか。

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バルディスタ軍を何度も退けた鉄壁のネクロデア軍

ネクロデア王国とバルディスタ要塞が争っていた時期、この関所はバルディスタ要塞の侵攻を何度も食い止めることに成功しています。

ネクロデア王国の武官が残した日記に記述があり、西域最大の勢力であり魔王ヴァレリアもネクロデア本国の領内に攻め込むことが出来なかったのだとすれば、魔王モルゼヌやその配下の指揮官たちの優秀さが際立ちます。

 

結果としては内部に潜入したゾブリス将軍の幻術によりネクロデア王国は滅んでしまいますが外部からの侵攻は跳ね返し続けたのだとすれば魔界最強の防衛力を誇った軍隊だったのかもしれません。

 

バルディスタ要塞でも関所の前方で防衛するというよりは一旦敵軍を引き込んで袋叩きにするという戦略をとっていますが魔瘴弾砲を使用してまで攻略してこようとするバルデイスタをどのようにして撃退してきたのかとても興味深いです。

 

6.7.8.ネクロデア領内の三か所からはネクロデア王国がその勢力を拡大していった過程が読み取れると考えます。

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ネクロデア領内複数ある関所・城壁

「ネクロデア王国建国秘話」という本によると、死地を彷徨っていた男が暗鉄神ネクロジームの導きによりネクロダイト鉱石を発見した事が始まりとされています。

おそらく山の中の小さな国家として出発したネクロデアがネクロダイト鉱石の精錬方法を確立し強い魔力を帯びた鉱石をジャリムバハ砂漠の小国家群との交易を通じて生活圏や採掘場を拡大させてきたであろう歴史が三か所の関所に現れているのではないでしょうか。

 

おそらく、建国から間もなくのころは地図のD-6北・D-6南の辺りまでが実効支配できている範囲で国境とされ南北に関所として建設されたと考えます。

 

その後、ネクロデア王国の国力が増し新しい鉱山の発見や王都の整備、住民の増加による新しい居住地の開発などで国土も北・北東側に拡大していった結果として新たな関所が地図のF-3に置かれたのではないでしょうか。

 

そして、最終的に大国となったネクロデアの鉱物資源の取引相手がジャリムバハ砂漠の小国家群に大きく依存している現状から自らゲルヘナ原野側に進出し直接ゼクレスやゴーラとの取引ができる通商路を開拓しようと領土の北側への道を切り開ていきゲルヘナ原野とネクロデア領の境界線に新たに関所を置いたと推測します。

 

ネクロデア王国の関所の建造された順番はD-6北南→F-3→ゲルヘナ原野南西の関所 の順番だったと考えます。

 

しかし、このゲルヘナ原野への進出がネクロデア王国にとって命取りになってしまった可能性があります。

魔界西部から魔界を武力統一する足掛かりとしてゲルヘナ原野へ進出を目論んだバルディスタ要塞と通商路の開拓を目的としたネクロデアのゲルヘナ原野への進出が重なりそこで衝突してしまったことが原因だったのかもしれません。

 

 

各地の関所は何故同じ構造なのか

魔界の各地域に点在している十一か所の関所や城門は防御施設としては運用が難しく不十分な性能しかないと思われるのに、何故同じ構造なのでしょうか。

 

現在魔界に存在する国家の中で最も歴史が古いのはゼクレス魔導国ですが、もしベルヴァインの森東にある王都への入り口ともなる城壁が関所として最も古いモノだったと仮定するとゼクレスの建国王であるワラキウスによって各地に建造されたのでしょうか。

 

ワラキウスは大魔王として戴冠を受けていますので、魔界の統治権の総覧者として各地に関所を設けたのかもしれません。

 

しかし、関所を置いたのがワラキウスであった場合を考えると、彼の死後に勃興してきた勢力やワラキウスの存命当時はめぼしい勢力がない未開拓の地域であった可能性もある魔界南西部(後のネクロデア王国領)地域に複数置かれた事が不自然に思えます。

 

ワラキウスが君臨した時代より4000年ほど下った時代にゼクレス魔導国とゲルヘナ原野で決戦を行った大魔王ヴァルザードがジャリムバハ砂漠に設けたディンガ関所は他の地域にない独自のデザインでした。

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ディンガ関所

ヴァルザードが特別に型破りだった可能性もありますが、関所を置くときに必ず同じ造りにする必要はないという事なのだと思われます。それでも各地域に時代もバラバラに同じ造りの関所が置かれたというのには何か意味があるのでしょうか。

 

ひとつの可能性として、ワラキウス以前にすでに最初の関所は置かれており、建設させた人物の影響力は後世になっても絶大だからというのはないでしょうか。

影響力が絶大なので、後の世の魔王たちもそれを模倣し防衛機能が低くても、同じ構造の関所を国境や城壁の一部として置くことで最初に関所を置いた人物の権威を借りて自らの権威を高めその地域の支配の正当性を主張する目的があるのではないかと考えます。

 

では、その後世の魔王にとっても絶大な影響を及ぼす人物とは誰なのか。

一番可能性がありそうなのは始まりの大魔王ではないでしょうか。

 

始まりの大魔王は今となっては名前も顔も忘れられその人物像や思想は謎ですが、その業績は大きく現在の魔界の制度を作り上げた人物です。

その業績は「始まりの大魔王 五つの偉業」という本に記されています。

  1. 魔界に統一国家を築く
  2. 魔界へのアストルティアからの侵略を史上初撃退
  3. ゴダ神殿建立
  4. 魔仙卿による大魔王選出制度の確立
  5. 初のアストルティア遠征

特に、に関しては現在でも魔仙卿による大魔大生の選定と戴冠、そしてアストルティアへの遠征が行われており始まりの大魔王によって確立された魔界の大魔王制度が現在まで絶大な影響を与えているといえます。

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始まりの大魔王の顔壁は崩れていて顔は不明

歴代の大魔王が選定と戴冠を受けた目的はそれぞれでしょうが、魔界という世界では大魔王が選定されるまでは分裂と戦乱が続くという時代が多かったようです。

 

分裂していた魔界を初めて統一した始まりの大魔王は魔界各地を平定した証として魔界を旅する人たちの安全を確保するため、または各地方の行政を任せる部下たちの境界線をはっきりさせるために最初の関所を置いたのではないでしょうか。

 

その後、始まりの大魔王が初代勇者に敗れ再び魔界が分裂していった過程ではその関所で区切られた地域の中でまず覇権争いが起き、各地域の覇者となった者がゲルヘナ原野方面へ進出し大審問を目指すという大きな流れが出来と考えます。

 

ワラキウスは魔界東部の覇者に、ヴァルザードは魔界南部の覇者に、ネロドスは魔界西域の覇者になってゲルヘナ原野へ進出し大魔王となった事を考えると関所が置かれたことが大魔王の誕生のしかたにも大きな影響をもたらした可能性があり、大魔王となるにはまず各地域の覇者となることが最低条件と考えられ、まずはそれを目指す。

そして覇者となり自らの軍勢を率いて始まりの大魔王の置いた関所を大審問へ向けて通るとき、大魔王の選定を受ける資格を有した魔王だと魔界各地の勢力も認めるという風潮があるのかもしれません。

 

そういった風潮がある故に、その地域を支配する勢力が自らの支配の正当性と大魔王になる資格がある存在だとアピールする目的で最初の関所を模したものが各地域に建造されたのではないでしょうか。

 

始まりの大魔王の権威と影響力を借りるためが最大の目的であるために防衛施設としての機能が低かったとしても同じ構造で作られたのであり、マデサゴーラのように魔界西域の覇者とならないまま大魔王として戴冠した存在も自らの正当性を表すためにバルディスタ山岳地帯とゴーラ領との境界線に関所を建造したと考えます。

 

ネクロデアも支配領域を拡大していくたびに関所を置き、ついにゲルヘナ原野に進出した時にゲルヘナ原野との境界線に関所を設置したことが、魔界南西部地域の覇者が進出してくるという意思として捉えられたこともバルディスタとの開戦理由になったのかもしれません。

 

ジャリムバハ砂漠のディンガ関所ですが、これは魔界南部とそのほかの地域を区別する目的の関所ではないから斬新なデザインになったのかもしれませんし、ヴァルザード自身がどこかで始まりの大魔王の権威を借りる必要がジャリムバハ砂漠地域においては無いと考える型破りな人物だったのかもしれません。

 

 

最後に

今回は魔界の各地に置かれた関所について自分なりの考えを書いてみました。

始まりの大魔王が置いたことが全ての始まりだったとした場合、最初の関所はゲルヘナ原野にあるベルヴァインの森関所・バルディスタ山岳地帯関所・ジャリムバハ砂漠関所の三か所くらいだったのかもしれません。

 

ゴダ神殿の他にも始まりの大魔王が残した建造物がゲルヘナ原野にあるとしたらその実像を考える何かの材料にならないかと考えています。

 

そして、現在は主人公の城となっているデスディオ暗黒荒原の大魔王城ですがこれを建設させたファラザードの魔王ユシュカはデスディオ暗黒原野に置いていません。

これは、彼が始まりの大魔王の影響を受けない考えをしているもしくは意図的に新しい魔界秩序のためには関所を置く必要がないと考えているのかもしれません。

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始まりの大魔王とヴァルザード ヴァルザードの顔はどことなく...

ディンガ関所を建設させたヴァルザードの子孫ではないかとの考えもあるユシュカですから、もしかしたら型にはまらない自由で英雄的な考えを受け継ぎその範囲はジャリムバハ砂漠を超え魔界全域に及んでいるのかもしれません。

 

今回はここまで

古代ウルベア帝国滅亡原因と太古の文明について

今回は2020年の3月頃にTwitterに書いた事を下敷きに、ver.4.3の舞台であった古代ウルベア帝国その滅亡原因についてとドワチャッカ大陸に過去に現在でも未発見の文明があったのではないかという個人的な考えを書いてみたいとおもいます。

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ぼくドワーフ

以下ver.4.3のネタバレを含みます

 

 

神話時代から三闘士の登場まで

 ドラクエⅩ世界の正史ともいえる(かなり整合しない部分もありますが)創世記によると神話時代が終わった後のドワチャッカ大陸の歴史は約4000年前の三闘士の登場までは記述がありません。

 

5000年より前に起こった災厄の王の二度目の襲来により世界が崩壊しゴフェル計画が発動、人間を除く五種族の救済対象者たちがアストルティアに帰還するのが約5000年ほど前です。

 

三闘士たちもルーツをたどればゴフェル計画の救済対象者の子孫だったとなるでしょうがそれ以外に生存者は本当にいなかったのか五種族の帰還まで五大陸は無人だったのかなどについては不明です。

 

 

三国時代の終わり

ver.4.3の舞台となったのは、創世記によるとドワチャッカ大陸の現在から約3000年~2500年ほど前の時代でありドワチャッカ大陸を開拓したと伝えられる三闘士の末裔を自称する三つの国家「ガテリア皇国」「古代ウルベア帝国」「旧ドルワーム王国」が栄えた三国時代の末期でした。

 

主人公が時渡りで訪れた時は、ウルベア地下帝国が隆盛を極めており領土を拡大、ガテリア皇国を滅ぼし残る旧ドルワーム王国も戦火を逃れるために砂漠の中に隠れていました。

 

ガテリア皇国滅亡はウルベア地下帝国の奸臣グルヤンラシュの個人的な欲望から和平を望んでいたウルベア皇帝ジャ・クバを暗殺しその罪をガテリア皇国第一皇子ビャン・ダオに擦り付けた事が原因でしたが時渡りでこの時代に来た主人公たちがジャ・クバの子であるウルタ皇女をを手助けすることでグルヤンラシュの排除に成功します。

※クエストNO.087~091「動き出した時間」ビャン・ダオから語られる当時の記憶とver.4.3のストーリーには違いがあったりもしますが今回は4.3での展開を重視したいと考えています。

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ウルタ皇女

ウルタ皇女による新体制となったウルベア地下帝国は現在から約2500年前までには滅亡していますがその滅亡原因は不明と創世記に書かれています。

 

三国時代最後の生き残りとなった旧ドルワーム王国も約2500年ほど前には天魔クァバルナがドワチャッカ大陸に襲来した事により滅亡しています。

旧ドルワーム王国の滅亡により三国時代は本格的に終焉を迎えた事となります。

 

 

ウルベア地下帝国の支配地域

現ドルワーム王国の資料によると

「古代ウルベア帝国はドワチャッカ大陸全域に勢力を拡大していたという説が有力」

とあります。

 

過去世界でこれを確認してみると、古代ウルベア帝国の支配地域といえる場所は、本拠地であるガタラ大山林・カルディア溶岩帯・ダラズ大鉱脈の三地域と、ゴブル砂漠東を拠点にガテリア皇国へ侵攻し滅ぼしたことを考えるとゴブル砂漠東の一部もしくは大部分・ゴブル砂漠西・ボロヌスの三地域も支配地域になったと考えられます。

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ガタラの丘にある帝都入り口は現在のダストン邸の辺りか?

さらに、兄の結婚式のため帝都に来ていたテテンはエゼソル地方で塩の生産を生業にしている一族との事ですからエゼソル地方も支配地域だったと考えられます。

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お兄さんの結婚式の為に来たテテンさん

ガタラ大山林など六地域とエゼソル地方を加えた七地域ということはドワチャッカ大陸全域が支配地域であったといっても過言ではないでしょう。

 

ただ、過去世界のエゼソル地方は現代とは違いカルディア溶岩帯との境目には溶岩の川が流れ地続きではありません。テテンはどうやってエゼソルから移動してきたのかは不明ですが古代ウルベア帝国では反重力飛行装置があるので移動自体は難しくないのかもしれません。

 

ドワチャッカ大陸で古代ウルベア帝国の支配地域に属していない地域は、現在のモガリム街道からラニアッカ断層方面とザグバン丘陵、サーマリ高原方面となりますが、約3000年前の世界にはサーマリ高原への道は未だなく高い山に阻まれ陸路での移動はできません。そして、モガリム街道方面も橋が架かっておらず移動は不可能で「未開拓のため立ち入り禁止」と看板に明記されています。

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古代のガタラ大山林の南部 サーマリ高原には移動不可能

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ガリム街道方面には橋がなく渡れない

 

 古代ウルベア帝国滅亡の原因を考える

創世記に原因不明と書かれている古代ウルベア帝国の滅亡ですが原因とは何だったのかいくつかの可能性について考えてみたいと思います。

 

考えられる理由として

  1. 敵勢力からの侵攻で滅んだ可能性
  2. 国内事情で滅亡へ向かった可能性
  3. 突然の滅亡だった可能性

この3つの視点から考えてみたいとおもいます。

 

1.敵勢力からの侵攻で滅んだ可能性

個人的にこの可能性は低いと考えています。

 

この時代ガテリア皇国を滅ぼしたウルベア帝国はドワチャッカ大陸において軍事力的に一強状態で、旧ドルワーム王国は二国の争いに巻き込まれないように砂漠の中に都市ごと隠れていました。

 

ガテリア皇国が負ければ次に攻め込まれるのは旧ドルワーム王国の可能性が高いわけですがガテリア皇国側に援軍を送る事もしてないと思われるので、援軍を出すだけの兵力が確保できないほど国力が低いもしくは他の二国との国力差があったと考えられます。

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いけっ!魔人兵!

それほど国力の差がある状態で旧ドルワーム王国がウルベア帝国に勝利できるとは考えられず、更にもし旧ドルワーム王国がウルベア帝国を滅ぼしたとするなら勝利した側の記録が残っいるはずで滅亡原因不明とはならないはずです。

 

後に天魔が襲来した時に全ての記録が失われてしまったので戦争の記録が残っていないという事はあるかもしれません。

また、本来旧ドルワーム王国は本来国力が十分あったが、グルヤンラシュとの間での密約があり敢て二国の争いに中立を装いグルヤンラシュの野望が成就した暁にはドワチャッカ大陸の覇権を旧ドルワーム王国が握る予定であったという事もありえるかもしれません。

 

2.国内事情で滅亡へ向かった可能性

個人的にこの可能性はある程度あると考えます。

 

奸臣グルヤンラシュを排除しウルタ皇女による新体制をスタートさせたウルベア帝国ですが国内に不安要素は数多くあったはずです。

 

先ず、グルヤンラシュによる莫大な国家予算の軍事費への投入と私的野望の為の流用で国家財政が悪化している可能性が高く軍縮をしながら国家予算振替をしなくてはいけませんがそれを帝国技術庁や兵士たちが納得してくれるかは大問題であり失敗すると内政は不安定なものとなるでしょう。

 

次に最大の課題となるのが、滅んだガテリア皇国からの難民流入問題です。

ダラズ大鉱脈の強制労働所で働かされていた元ガテリア兵の捕虜たちは解放され希望する者には労働者としての給与も支払われる事になりましたが、帝都の下層へ流入している難民たちはどうなるのでしょうか。

 

難民たちの多くは仕事もなく悲惨な生活をしているようです。難民たちへの生活支援や就労斡旋を行えば改善されますがそれには莫大な予算が必要であり急激な人口増加による帝国民からの反発や住民間で軋轢が生じるかもしれません。

 

何よりも、国を滅ぼされ家族を殺され、追い詰められ生きたまま溶岩に飛び込んで焼かれていった人々を目にした難民にとって全てはグルヤンラシュの責任だから和解しようといわれても納得できる道理は有りません。

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タタメ・チチムには平和な場所で幸せになってほしい

 難民をそのまま帝都にとどめておけば治安の悪化や内乱へ発展する可能性が予想されるのではないでしょうか。

 

その解決方法として考えられるひとつとして、ガテリア皇国の再建支援と難民の帰還事業もしくは難民たちをウルベア帝国の未開発の地域へ半強制的に移住させる政策がありえるかもしれません。

 

ガテリア皇国の再建はかなり難しいでしょう。

ガテリア皇国の再建を援助した場合再建されたガテリアと再び敵対する未来が来るかもしれませんし、再建させようにもガテリア皇国の新たな指導者となるべき皇族がもう誰も居ない可能性が高いからです。

 

ガテリア皇国の指導者層は国が滅ぼされた折に皆殺しにされたと思われ、唯一の生き残り第一皇子ビャン・ダオは冷凍睡眠のまま行方不明となっています。

 

ビャン・ダオが第一皇子ということは少なくとも第二皇子以降が存在していたはずですがその者たちも登場しておらずガテリア残党が組織したレジスタンスからもそのような存在の話は聞けません。

第一皇子が年齢的には若く見えるのでその下の皇子となるとまだ子供や下手をすると赤子だった可能性もありますが、おそらく生き残りが居たとしてもグルヤンラシュの命令で処刑されたのではないでしょうか。

 

ビャン・ダオの家庭教師であり彼を冷凍睡眠させたリウ老師は戦後彼の居場所を探しています。

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リウ老師

もしかすると老師は皇子によるガテリア再建を考えていたのかもしれませんが、老師の残りの人生を懸けても見つけ出すことはできずビャン・ダオが目覚めるのは約3000年後の現代でした。

 

実際にガテリア皇国の本拠地があったと思われるボロヌスでは現代まで破壊され朽ち果てた地下遺跡が残されているだけでガテリア皇国が一度でも再建されたとは考えにくいでしょう。

 

次の未開発地域への難民の移住ですが、まだ未開発のモガリム街道方面やサーマリ高原方面への開拓や街道整備が歴史上はじめておこなわれたのはこの時期なのかもしれません。

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現在 開拓が進んだモガリム街道

しかし、この移住政策が成功したかには疑問があります。

まず、3000年前のガタラ大山林が現在ではガタラ原野となっている点に注目してみたいと思いますが、山林とは樹木の生えた山という意味の他に林業用語として「林産業用の樹木の集団的育成や伐採地を目的とした地目分類のひとつ」という意味があるようです。

 

ウルベア帝国の快適な生活は地脈エネルギーによってまかなわれていますが、それ以外の普段の煮炊きにつかう薪や家具などに使う木材は地上で育成していたのかもしれません。

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3000年前 ガタラ大山林と呼ばれていた時代

 原野とは耕作によらず草や低木が生えている土地の事を指します。

 

古代には大山林として樹木を育成できていた土地は現代では低木しか育たない土地となってしまっているのです。

これには3000年の間の気候変動や生態系の変化なども理由としてあるかもしれませんが古代ウルベア帝国時代のエネルギー問題もあったのではないでしょうか。

 

グルヤンラシュの死亡後、地脈エネルギーを規制する動きがあると上層住民であるフフママは発言しています。

地脈エネルギーが枯渇し砂漠化が進行しているからなのか、そうなると代用エネルギーの存在が求められますがそれがみつかるまでは当面木材や化石エネルギーの需要が高まると考えられます。

 

帝都の発展や快適な生活を支えるために地上の大山林は育成が追い付かないほどの速度で伐採されやがて原野となり、難民たちが入植した辺境からも大量の化石燃料や木材が贈られたとすれば入植地は収奪により持続的な発展ができず貧しいままで帝国に対する不満がより蓄積していったのかもしれません。

 

帝都を支える資源が枯渇していき辺境の各地では元々難民やその子孫たちによる反乱が頻発、そうやって徐々に文明は衰退していき遂には帝都を維持する事すら不可能になり帝都を放棄し古代ウルベア帝国は歴史の中に消えていった事が滅亡の原因だったという考えですが、これは十分あり得る話だと思えます。

※文明の盛衰と天然資源には大いに関係があります。

現実世界の歴史でも、栄華を誇ったローマ帝国は2世紀頃から森林資源の枯渇が始まりそれに伴い鉱物資源の採掘量の低下と農地の荒廃が食糧生産を低下させ、他にも公衆浴場で使う薪の不足やローマ人好みの窓ガラスを使った木造住宅が造れないといった文化・生活面の衰退も招き帝国自体が滅んでいく一因となりました。

中世暗黒時代と呼ばれるような長い停滞時期が訪れたのも森林資源の枯渇によりローマ文明の継承が不可能となってしまったことが主原因との説があります。

 

ただ、そうであるなら旧ドルワーム王国のように末裔を自称するような人々が現在に存在しておかしくありませんが今の処、古代ウルベア帝国の末裔という人々は出てきていないようです。

 

3.突然の滅亡だった可能性

個人的にはこの説が一番面白いと思っています。

 

滅亡原因が歴史に記録も残らず末裔を自称する人々もいない古代ウルベア帝国ですが、それは記録が残っていない・失われたのではなくある日突然、帝国に暮らす人々でさへ何が起きているのかわからないまま滅亡の時を迎えたという可能性はないでしょうか。

 

古代ウルベア帝国が突然滅亡したので、帝国の各地方の住人や守備兵も原因の特定ができないまま帝都の再建もできず帝国の広大な領土は分断された形になりそのまま国家としても消滅していったという考えです。

 

では、帝都が突然滅亡してしまう出来事とは何が考えられるでしょうか。

 

3-①.火山活動による大地震・地形の変化に巻き込まれた

3000年前のドワチャッカ大陸はカルサドラ火山の活動が現代より活発な時期でした。

火山活動による噴火や地震により帝都が突如崩壊してしまった可能性はあると考えます。

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3000年前 カルサドラ火山の活動は活発だった

現在の岳都ガタラは古代ウルベア地下帝国への入り口があったガタラの丘にある都市で都市自体が帝都の遺跡の上に建設されているといっても過言ではないと思いますが、ガタラの展望台へ向かう道中など、過去のガタラの丘を見比べてみるとだいぶ地形も違うようです。

 

現在のガタラ展望台の方が崖が切り立って高さもあるように感じます。

これは過去に大地震で地下都市があった空間が崩落しその影響で丘の一部が崩れて標高が下がってしまったのが原因かもしれません。

ガタラの住宅村の水没地区、もしかすると露出している部分は古代ウルベア帝国時代の遺跡なのかもしれません。

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住宅村の水没地区でみられる遺跡

 ただ、そこまでの大地震や火山噴火によるものであったならその災害自体は記録として残っているのではと考えます。

 

3-②.偶然の事故により都市が崩壊・維持が出来なくなった

天災によるものでもなく運悪く偶然起こった事故が地下で複雑なシステムによって管理されていた巨大な帝都の生活を不可能にするほどの大惨事を引き起こしたということはないでしょうか。

 

例えばですが、何らかの事故で帝都全体にエネルギーを供給するラインが破壊されてしまったとしたら移動に必要な反重力飛行装置が動かなくなり、高速で動く光る歩道も使用できなくなる。

また、地下に広がる帝都全体に新鮮な空気を送る空調システムが動かなくなることで帝都全体が酸欠状態になり地下都市で生きる事すら不可能になるかもしれません。

 

このような不運な事故があったかもしれないと考えるきっかけになったクエストがあります。エストNO.537「面倒臭がり屋さんの発明」です。

 

このクエストではウルベア帝国城の自動遊覧回廊を動かすポンプが何者かに盗まれ、すぐに別ポンプの生産ができないため取り返してほしいと技術者のダルチャンから頼まれますが、ポンプを盗んだ犯人はカルデア溶岩帯の地下に住むモグホルトに率いられたモグラでした。

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モグホルト親方

モグラ組はドワチャッカ大陸の地下全土の地下を掘り進めており、その過程でスコップが刺さってしまったポンプをそのまま持ち帰っていたのですが、モグホルトはポンプを返還しその代りにダルチャンが改良した超高性能スコップを受け取ることでクエストは解決します。

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超高性能スコップを手にした親方

超高性能スコップは土だけではなく岩をもプリンのように掘ることが可能でした。

「なんちゅうパワーじゃあ!

これなら ドワチャッカ大陸全土......いや

アストルティア全土を 掘ることもできるぞ!」

 

「わしらの夢......モグラ地下王国を 作ることも可能じゃあ!」

と、モグホルトは喜んでいましたがこの超高性能スコップと酷似したスコップが現代にも存在しています。

 

それはガタラの採掘ギルドの「おしゃべりシャベル」です。

おしゃべりシャベルが超高性能シャベルそのものなのか、複製品なのかは不明ですがおそらく古代ウルベアのダルチャンの技術にルーツがある事は確実でしょう。 

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採掘ギルドの おしゃべりシャベル

そして採掘ギルドで依頼を受け採掘するアストルティア全土に埋蔵されている宝を隠しチササに降霊してくる黄金の国の王の霊

「わ…我は 今は無き 黄金の国の……ト王だ。」

この語りからおそらく「……ト王」はモグホルトの事、そして「黄金の国」とはモグラ組が作ったモグラ地下王国の事だと思われます。

 

ガタラの採掘ギルド付近にも財宝を埋めていることから、超高性能スコップを入手後にもモグラ地下王国は古代ウルベア帝国周辺も再び掘り進めていたことがうかがえます。

 

超高性能スコップを手に入れ浮かれて地下を掘り進めているうちに、帝都のエネルギー供給の心臓部となるような個所を破壊してしまった。もしくは、地下空間を支える柱のような部分を破壊してしまったという事はありえないでしょうか。

 

戦争でなく天災でもなく記録にも残らない原因不明な滅亡をしたとするならそれはあっという間の出来事であり生存者もほとんどいなかったのではないかと仮定してみると、このモグラ王国が再び事故を起こしてしまった事が滅亡に繋がってしまった可能性があるような気がしています。

 

一瞬にして帝都の機能が失われ地下空洞を支える天井が崩落し地上のガタラの丘の一部が崩れるほどの惨事がおきたのなら住人たちの多くは一瞬で命を奪われた事でしょう。

広大な帝都で一部押しつぶされなかった空間があったかもしれませんがそこに避難で来た人たちも最終的に地上に脱出できたかはわかりませんし、居たとしても少数だったかもしれません。

 

かなり飛躍した妄想ではありますが、ひとりの技術者が善意と気まぐれで渡した超高性能スコップが帝国滅亡の原因となったとすればこれは悲劇なのか喜劇なのか。

 

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ためし掘りするデバリポ

ただ、帝都住民で会ったキバチェ夫妻・リュウの他にツィンカのような地上移住を考えていた人々の内一部は滅亡時にはすでに地上に移住していたためか子孫が現在まで生き残っているようです。

 

結論

滅亡の原因は不明ですので全部推論と妄想になってしまいますが、モグラ地下王国が超高性能スコップで掘り進んでいるうちに帝都を崩壊させてしまったという可能性が一番面白いのではないかと考えます。

 

 

太古の文明について その1

ここまで古代ウルベア帝国の最大版図と滅亡について個人的考えを書いてきましたが、古代ウルベア帝国の支配地域外と考えられる地域で大規模な遺跡が眠っている場所があります。

 

サーマリ高原の水没遺跡です。

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サーマリ高原の水没遺跡

3000年前はガタラ山林より南部・南東部はいまだ開拓がはじまっていない地域でした。

ガリム街道を抜けラニアッカ断層帯の先にあるアクロニア鉱山が発見されたのが約900年前です。

 

ドワチャッカ大陸を開拓したといわれる三闘士の末裔が建国した三国が開拓していない地域という事は少なくても三闘士たちが開拓していない地域の可能性が高いと考えられます。

 

しかし、ラニアッカ断層帯には「三闘の祭壇」があります。

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三闘士の祭壇の床にはハンマー・オノ・盾が描かれている

ハンマー・オノ・盾の三つの祭壇とそれらの中心にある三闘の祭壇は神話篇において王者の盾の保管場所である「三闘の神殿」への入り口でもありました。

 

これらの祭壇は、モガリム街道からラニアッカ断層帯に開拓が始まって以降に建設されたものと思い込んでいましたがどうやら違いました。

 

エストNO.089・090においてビャン・ダオからオノの祭壇は三国時代当時はカルサドラ火山火口での儀式を執り行うガテリア皇国民の移動手段として転移装置があったと聞かされます。

つまり、約3000年ほど前には未開拓の土地ではあっても少なくともガテリア皇国民はラニアッカ断層帯を利用していたことがわかります。

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オノの祭壇

祭壇全てがガテリア皇国によって建設されたのか。

個人的にはガテリアの本拠地でえあるボロヌスから遠く離れたラニアッカに建設されたこと、ハンマー・オノ・盾はそれぞれ、古代ウルベア帝国・ガテリア皇国・ドルワーム王国の象徴とされ保管されていた事から、この祭壇は三国時代より以前に建設され、全ドワーフにとって神聖な場所だったと考えます。

 

では、なぜ三闘士の末裔が暮らす領域ではない場所に祭壇は建設されたのか。

それにはラニアッカ断層より西の土地が関係あるのではないでしょうか。

 

 ラニアッカ断層より西にある地域は、ザグバン丘陵・サーマリ高原の二地域です。

 

ザグバン丘陵は過去に隕石が落ちたと思われるクレーターが大量にある土地ですが、ドワチャッカ陸自体がゴブル砂漠東の謎の半球地帯・魔天より飛来した天魔クァバルナと宇宙を連想させるものがいくつか存在します。

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謎の半球体と手前の謎の毛玉球体

 ザグバン丘陵をさらに西に抜けるとサーマリ高原があります。

サーマリ高原には巨大な水没遺跡がありその一帯はドルワーム王国が研究中との看板があり実態はいまだつかめていないようですが、「太古の祭壇」と呼ばれています。

 

※太古とは大昔・有史以前を意味します。

つまりサーマリ高原の水没遺跡群は有史以前のモノの可能性が高いといえます。

 

※有史以前とは文明が文字による記録を残すより前の時代を指します。

ドワチャッカ大陸に文字が生まれたのがいつ頃かは不明ですがドワチャッカ大陸の文明が歴史として確認できるのは創世記をみる限りでは約4000年前の三闘士によるドワチャッカ大陸の大規模開拓以降ではないかと考えます。

よってドワチャッカ大陸における有史以前とは三闘士の登場以前の時代となり、サーマリ高原の太古の祭壇がある地域が栄えていた時代はその名の通り解釈するならば三国時代よりかなり前の時代となるはずです。

 

 有史以前の遺跡「太古の祭壇」「三闘の祭壇」が関係あるのではと考えるかというと、両方に共通する「祭壇」という部分です。

 

※祭壇とは神・精霊・死者などに生贄や供物を捧げるための壇の事をいいます。

ドルワームによる研究が正しいとするならばサーマリ高原では過去には祭壇に生贄や供物を捧げる風習があったことになり、三闘士時代以降に建造された三闘の祭壇にも何かしらの供物をを捧げていたのかもしれません。

 

しかし、三闘の祭壇は王者の盾を封印していたりカルサドラ火山への移動装置に使われていたりとその名前と機能は一致してないようにみえます。

 

これは、三国時代には祭壇に生贄や供物を捧げる風習はすでに無くなっていたからではないかと考えます。

 

実際に、現在のウルベア地下遺跡・ガテリア皇国の本拠地があった最果ての遺跡・400年ほど前に再建されたドルワーム王国にも祭壇は存在しません。

ドワチャッカ大陸においてサーマリ高原とラニアッカ断層以外で祭壇があるのはガタラ原野の遺跡の森「朽ち果てた 遺跡の祭壇がある」と表示される三か所だけです。

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遺跡の森の祭壇を勝手に改造した恐るべき男 ツーゴ

遺跡の森は3000年前でもすでに現在ほどではないですが朽ちており遺跡となっていると思われる状態でした。

これらの事からも、祭壇に供物を捧げる風習は三国時代にはすでに無くなっていたとと思われ、祭壇がある場所は三国時代より以前、三闘士たちによる大規模な開拓の時代もしくはそれより以前の時代に建造されたと考えます。

 

サーマリ高原の太古の祭壇をはじめとした祭壇を置いた遺跡はどういう関係があるのか個人的な考えを次に書きます。

 

 

太古の文明について その2

祭壇が置かれた有史以前の遺跡は個人的に

  • 三闘士の登場以前にサーマリ高原を中心に栄えた文明がありガタラ原野にも祭壇を築いていたが、その文明は崩壊しドワチャッカ大陸から一度文明は失われた。
  • その後、三闘士が登場しドワチャッカ大陸の開拓をするが、旧文明の中心地であったサーマリ高原などの開拓は避けられた。
  • 大陸の開拓がすすみ新たな文明が登場した後、ラニアッカに三闘の祭壇が建設されたが生贄や供物を捧げる風習は継承されなかった。
  • 未開拓地域であるラニアッカに祭壇が置かれたのはサーマリ高原を中心とした旧文明の祟りを恐れ死者を祀ると同時にザグバン丘陵より西を禁断の土地として足を踏み入れることを禁止する目的があったのでは

と、考えています。

 

なぜサーマリ高原に栄えた文明は歴史にも残されず立ち入りが禁止されたと考えるのかというとサーマリ高原にある舗装された街道の跡が関係しています。

 

サーマリ高原にはきれいに敷石が敷き詰められた道が古代の祭壇方面からザグバン丘陵方面とガタラ原野方面にのびています。

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サーマリ高原に残る街道跡

これほど整備された街道はドワチャッカ大陸には他になく過去にこの地域が発展していたことが想像できますが、現在でこそガタラ原野とサーマリ高原は陸路で繋がっていますが過去世界ではまだ山でふさがれ通行は出来ませんでした。

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現在のガタラ原野とサーマリ高原は陸路で通行可能

ガタラ原野とサーマリ高原が陸路で繋がったのは大地の箱舟の建設計画の中で山が切り崩されからではないかと考えますが、現在でもガタラ原野側にはサーマリ高原方面への道は整備されていません。

  • サーマリ高原側からガタラ原野側に過去に整備された街道跡が残されている。
  • しかし、3000年前に世界ではサーマリ高原とガタラ原野(当時は大山林)は繋がっていない。

この二点から考えて、こう推測してみます。

 

サーマリ高原の太古の祭壇が栄えていた時代はガタラ原野との街道が繋がっており、ガタラ原野側に建設された遺跡の森にある建造物はサーマリ高原の文明人が建設したものだったが、ある時サーマリ高原とガタラ原野の間に大地が隆起し山となり街道は分断された。

 

その大地の隆起が起きた時に太古の祭壇は水没し滅びた。

ガタラ原野に残った人々も太古の祭壇の水没を知り、自ら都市を放棄しなければいけない事情がありそれによりドワチャッカ大陸全土から一度文明が滅ぶこととなったのではないでしょうか。

 

そして、三闘士が登場し再び大陸を開拓していく事になりますが祭壇を置く風習は継承されなかったのではなく、意図的に継承せず決別をした。

ただ、太古の祭壇を築いた文明への畏れと鎮魂の意味を込めて三闘の祭壇だけが建造された。

 

以上が推論となりますが、なぜサーマリ高原の文明は滅び祭壇を置く風習は継承されなかったのかを最後に

 

サーマリ高原文明は何故滅んだのか

太古にサーマリ高原に栄え、現在は遺跡として残る太古の祭壇を建造した文明は何故滅んだのか、そして祭壇を置く風習は継承されなかったのかについては

  1. ゴフェル計画以前に栄えた文明であり災厄の王やその眷属たちによって滅ぼされゴフェル計画から帰還したドワーフ族は文明の記憶を失っていた。
  2. 滅びはドワーフにとっては受け入れるなければならない理由があり文明を一度捨て去らなければならなかった。

この二つの可能性を考えてみたいと思います。

 

1.については二度目の災厄の王の出現によってアストルティア全土に被害が及んでいますがゴフェル計画から帰還したドワーフが以前の文明を完全に失っていたとは考えにくい気もします。そしてサーマリ高原とガタラ原野の境目の大地が隆起して街道が分断されたという部分も説明できない気がします。

 

2.については個人的に推したい可能性です

そもそもすべてが不明ですから妄想の範囲ですが、太古の祭壇を建造した人々や国の名前が不明である事、三闘士の開拓の範囲外で三国時代などの新たな文明の勢力範囲外となっている事、三国に祭壇が置かれていない事、サーマリ高原とガタラ原野が分断された事が一つにつながる気がするからです。

 

結論としては

太古の祭壇を建造した文明はワギの怒りによって滅ぼされたのではないか。

 

ワギは創生の女神ルティアナが産み落とした七柱のうちの一柱で「地の民ドワーフの種族神です。

 

ドワーフは高い技術力を持ちいくつもの高度な文明を築きましたが、その強い欲望故に争いもたえない種族のようです。

 

そのドワーフの種族神であるワギは「荒ぶるワギ」ともいわれ、大地を汚す者に対しては容赦のない一面を竜族との戦争でみせています。

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ドワーフの種族神 ワギ

神墟ナドラグラムでいつまでも成仏させてもらえない霊魂の一人、カーラ郷の長マボミの話では、カーラ郷は熱い岸壁に守られた堅固な土地でしたが岩壁の外に毒をまき散らし大地を腐らせ攻め寄せたアストルティア軍を根絶やしにしたことでワギの怒りに触れてしまいます。

ワギが神器を大地に打ち付けると岩壁が崩れカーラ郷は敗れ去りその周辺は現在にいたるまで自らが撒いた毒によって汚染された闇の領界となってしまいます。

 

地の民ドワーフの種族神であるワギが神器を使えば大地の形を変形させることすら容易だとしたら都市を一瞬で水没させ大地を隆起させることも可能でしょう。

 

サーマリ高原の太古の祭壇を水没させ、ガタラ原野との境目の大地を隆起させサーマリ高原を隔離するようにしたのは「ワギ」であったので後の三闘士たちも禁断の土地として開拓をしなかったのではないでしょうか。

 

では、ワギを怒らせてしまった原因とは何だったのかというとそこに「祭壇」が関係あるかもしれません。

祭壇とは生贄や供物を捧げるための壇であると書きましたが、ドワチャッカ大陸に全体的に我々現実世界の中南米アステカ文明マヤ文明・インカ文明のようなデザインを感じる人は多いのではないでしょうか。

 

ドワチャッカ大陸とアステカ・マヤ・インカ文明になんらかの関連性があったとするとアステカ・マヤ・インカに共通する風習として生贄の儀式があったことを思い浮かべます。

アステカ文明では太陽が消滅しないように新鮮な人間の心臓を捧げるという風習があり日常的に生贄の儀式が執り行われていたようです。

また、様々な目的に応じた何種類もの生贄の儀式があったようですが生贄に選ばれることは本人にとって名誉なことでもあったようで儀式の日まで丁重な扱いを受けていたという説もあるようです。

 

太古の祭壇を置いた文明においては生贄の儀式があったのではないでしょうか。

生贄となる人身御供を確保するためにガタラ原野方面への街道は整備され、頻繁に人身御供たちが運ばれてきていたのかもしれません。

 

これがワギの怒りを買い太古の祭壇は水没させられ街道は大地の隆起によって遮断されたのではないでしょうか。

 

生贄の儀式を行っていた文明は神の怒りを招いて滅亡したわけですから残ったドワーフはその文明や都市を捨てざるをえずドワチャッカ大陸から一度文明が消えることになる。

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太古の祭壇では生贄の儀式があった?

そして、三闘士たちによる大陸の開拓がはじまった時に前文明の儀式は継承されずラニアッカだけに祭壇が建設されそこより西を禁断の土地とし祟られないようにと願われたのが三闘の祭壇のはじまりだったのではないでしょうか。

 

ラニアッカの西にはザグバン丘陵も存在し、そこには隕石の衝突によると思われる多くのクレーターや七不思議「謎の飛行物体」が確認されています。

サーマリ高原の整備された街道はザグバン丘陵方面にも向かっていることを考えると、太古の祭壇を建造した人々は宇宙と何かしらの関りがあった、もしくは宇宙から来た存在が一時的にドワチャッカ大陸の支配層となりドワーフたちに生贄となる人身御供を要求していたのかもしれません。

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ザグバンのクレーターは地面に対して垂直に隕石が落下してできたと思われる不自然な形

 

アストルティアの歴史は創世記では、神話時代から4000年ほど前までは人間中心の記述ばかりで他の種族に関しては全く不明です。

ドワチャッカの歴史に記されていない時代に関する個人的な考えでいつも以上に妄想が多くさらに長くなってしまいました。

 

今回はここまで。

 

Ver.5.5前期を終えて

先日ようやくver.5.5前期のストリーをクリアできました。

今回はその中で新たに判明した事や気になったこと、今後自分の中でテーマになりそうなものをいくつか書いてみたいとおもいます。

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ぼくたちなかよし

以下、ver.5.5ネタバレを含みます!

 

 

ストーリー開始前の魔界

ver.5.4を終え5.5開始前の魔界にでは、女神ルティアナが復活するも異界滅神ジャゴヌバに敗れ世界にとっては絶望的な状況であるにもかかわらず比較的平和な状況のようでした。

 

だれもジャゴヌバの肉体が復活しアストルティアへ飛び立ったことを見ていない知らない事も影響しているのかもしれません。

 

大魔瘴期の到来に備えなければならず危機感はあるものの、新大魔王のである主人公と現在の魔界三大強国の魔王であるヴァレリア・アスバル・ユシュカの三人が確執を乗り越え協力関係になった事から魔界の歴史上でも特筆すべき平和な時代ともいえる状況が生まれているからなのかもしれません。

 

ゼクレスの貴族がファラザードのユースティ*1にマッサージを頼みに来たり、ディンガ交易所ではバルディスタの元兵士が傭兵として隊商を守る仕事につき、またバルディスタの武器商人が魔瘴弾を売ると話を持ち掛けてきているようです。

 

これによってわかる事は新大魔王の居城であるデスディオ暗黒荒原へ向かう途中にあり三人の魔王の中でも最も新大魔王と関係の深いユシュカが魔王を務めるファラザードに対する注目が上がり交易だけでなく現在の魔界の中心地へ成長していってる様子がうかがえるのではないでしょうか。

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ファラザード

また、その一方で軍拡を続けていたバルディスタ要塞は平和な時代に入り兵員削減や自国で開発した強力な武器を他国へ販売することを考えているのだとしたらかなり財政的に苦しい状況になっているのかもしれません。

 

魔界に限らず各国の国内事情や経済的な面を妄想するのは好きなのでいつか記事に書けたらと思います。

 

 

ネシャロットの気になる発言

最も気になった発言はファラザードの黄昏呪術店の店主ネシャロット*2の今は無きジーに対するものでした

 

「にヒヒ......期待させて悪いけど 失敗続きでさ。

そもそも あの人の魂 どっかに行っちゃって

ボクでさへ つかまえられないんだな~。」

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ネシャロットさんは三人姉妹の末っ子

さらにはユシュカもナジーンの魂を感じられず

 

「もう どこにもいないのか お前は......。」

 

と魔剣アストロンを見つめながらつぶやいていました。

 

ジーンの魂は魔剣アストロンに宿りユシュカと共にあるのだと考えていただけにこれには驚きました。

 

以前書いた内容ですが、彼の使う剣技「火炎鳥のはばたき」の名からも、ユシュカには不死鳥としての性質が備わっていると考えられます。

 

そして不死鳥フェニックスの起源といわれる古代エジプトの霊鳥ベンヌは太陽信仰と深く結びついた存在でありました。

 

ユシュカもまたマデサゴーラと同じく太陽神の化身としての性質を有していると考えられますので、ストーリーの最後で自ら大いなる闇の根源にとらわれ闇に沈んだ彼がどうやって復活と再生をするのか、それにナジーンは関わってくるのかはとても楽しみです。

 

 

シュキエルとの会話

ユシュカが新生エテーネ村に訪れ住人達と交流を持った後、教会の中にいる冥王ネルゲルを産んだ棺桶から後に誕生したシェキエルとの会話でも興味深い話が聞けました。

 

シュキエルはユシュカと話し、

  • 同じ魔族でありながら全く違う存在。
  • ユシュカはネルゲルの存在を全く知らない。
  • 自分も魔界の話がピントこない

という趣旨の話を聞かせてくれます。

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旧エテーネ村の人々の魂を練って固めて生まれたシェキエルさん

今までも魔界で冥王ネルゲルの話はまったく聞くことはできず、500年前に行われたアストルティア生まれの魔王を誕生させることで勇者システムをかいくぐるという壮大な計画は魔界では全く認知されていないという事が改めて判明しました。

 

となると、マデサゴーラはいったい何時どこで冥王の存在を知り共闘を持ち掛けたのかも謎のままとなります。

 

以前は冥王という名の通り、ネルゲルは魔界ではなく冥界という別の世界が生み出した存在ではないかとも考えていました。

ネルゲルに付き従っていたベリアルの豆知識にも冥界という単語が出てきますので魔界とは別に冥界があり大魔王のアストルティア侵攻とは別の計画があったのではと推測していましたがそれでは創世記の内容や今回ネルゲルの妹であるシェキエルが「同じ魔族」とはっきり明言していますのでやはり冥界という別の世界があるという事ではなさそうです。

 

ただ、同じ魔族であっても人工的に作られた魔族であるネルゲルやシェキエルと普通の魔族では感覚自体もちがうのかもしれません。

 

この会話はどうやらver.5.5前期を終えると聞けなくなってしまうようで残念ではあります。

 

 

ゼクレスのシェルター計画

大魔瘴期が始まり魔界各地で魔瘴が濃くなっていく中でゼクレス魔導国は魔王であるアスバルがその強力な魔力で都に結界を張り多少は持ちこたえることが出来ているようです。また、旧オジャロス大公領に再度出現したと思われる魔瘴塚も一時的に封印し近づけないようにされています。

 

この事から、生前のエルガドーラ太后妃が計画していた大魔瘴期への対抗手段であるシェルターとはアスバルが大魔王に就任しそれによってさらに強大化した魔力を使って結界を張るというものだったのかもしれません。

 

また、ベラストル家のリンベリィは自らの屋敷に結界が張られていることを理由に避難所として人々を受け入れようとしていす。

 

この事で思い出すのがゼクレス城の宝物庫にある「魔瘴封じの護り」です。

これはゼクレス城建立当時に魔瘴から城を護るために飾られたレリーフとあります。

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今盗めば高く売れるかもしれない...

ベラストル家の屋敷にも同じものが飾られ魔瘴から護られているのかもしれません。

 

もしかすると、建城時にこのレリーフを贈ったのはベラストル家なのではないかと考え始めました。

ベラストル家は大貴族ですが、建国王ワラキウスに従った四豪族のような古くからの名門貴族の血筋なのかそれとも新興の貴族で近年のし上がってきたのかなど疑問でしたが、この魔瘴封じの護りを贈ったのがベラストル家であるなら少なくともそれなりの歴史がある家柄だと考えられるでしょう。

 

ゼクレス魔導国は魔界で一番好きな国なのでまだまだ何かあると期待してしまいます。

 

 

ユシュカの幼少期とマリーンとの出会い

回想シーンでユシュカが魔王・大魔王を目指すきっかけとなった出来事と彼の師匠となるマリーンとの出会いが語られます。

 

約300年前、少年時代のユシュカは宝石商である父に教育のためネクロデア王国に残されます。

そこでネクロデア王子であるジーと出会う事となったと思われるので王族と引き合わされ友となれたのですからユシュカの父はかなりの財力と影響力を持った商人だったのかもしれません。

 

魔瘴塚の出現による事故で家族を失ったユシュカは各地を旅することとなりそこで魔界に来ていた賢者マリーンと出会い、大魔瘴期について知ります。

 

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賢者マリーンは現在休養中

ゼクレスとネクロデア城下にある本棚の情報からユシュカはゼクレスでマリーンと出会いゼクレスを追放されたのちにネクロデアで教育を受けたのだと考えていましたが、違いました。

 

ユシュカは父の死後ネクロデアを旅立ち旅の中でゼクレスを訪れそこでアスバルと友人となった後、エルガドーラ王太后によって追放処分とされたあと再びネクロデアに戻ってきたという事になるようです。

 

もしかするとユシュカがネクロデアに戻った直後にゾブリス将軍による侵攻があったのかもしれません。

 

ユシュカがネクロデアに預けられたのが300年前で、ネクロデアの滅亡事件が200年前ですからその間にマリーンと出会いゼクレスにも滞在していたという事になると思われます。

 

ネクロデアでユシュカの書いたものと思われる日誌で「子供のころのように」という記述がありますがナジーンが混濁した意識の中で思い出したネクロデア滅亡時のユシュカは少年の姿でした。

魔族の見た目と年齢は必ずしも比例はしないようですがもう少し細かく時系列が知りたくなりました。

 

ユシュカを考えるうえでネクロデアを旅立ちゼクレスから戻ってネクロデア滅亡に立ち会った約100年の間はとても興味深いです。

 

 

記憶の世界

ラゴウ隊長*3らしき人物の登場で、主人兄弟姉妹やシンイの出身地であるエテーネ村が古代エテーネ王国の滅亡時に脱出した人々によって造られた集落だと確定しました。

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エテーネ村を開拓した人々

今までもストーリーの展開やエテーネ村と自由人の集落の住居の屋根の形などから古代エテーネ人たちが移住して造られた集落だろうとは予想できましたが、今回で確定したといえるでしょう。

 

しかし、古代エテーネ王国という進んだ文明を持ち人間以外の種族の移住も認められていた国からの脱出者をルーツに持つエテーネ村が5000年後には外部の世界とかかわりを断って生活していたのか、「いしずえの森」「清き水の洞窟」の石碑や壁画を描いたのは移住してきた人々の子孫だったのか、だとしたら何故竜族について知っていたのかなど謎は多く残されています。

 

 

もう一つ記憶の世界での最大の発見は、マデ島の記憶の修道院には約60年前には「修道女のオキテ」という本がまだ存在しなかったという事実です。

 

この本は主人公の兄弟姉妹がリリオルと共に訪れそしてリリオルだけを置いて去った後現在までの約60年の間に書かれたものとなります。

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まさかオキテが書かれる原因を作ったのは...

60年の間に修道院になにがあったというのでしょうか。

 

 

ナラジアとの会話とマデサゴーラ戴冠時期

記憶の世界に出現したナラジアとの会話で、ジャゴヌバが時渡りのチカラに興味がある事、ルティアナの創世した世界の不完全さを喜び主人公に魔祖を紹介したいなどと子供っぽい一面を見ることが出来ました。

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魔仙卿とナラジアとルティアナ

さらに記憶のジャディンの園での会話でマデサゴーラが大魔王として戴冠した当時の魔仙卿は主人公の兄弟姉妹ではなく先代の魔仙卿であったと教えられます。

 

兄弟姉妹は魔界で数百年の時を過ごしたと発言が以前にあったはずなので、すくなくとも200年以上は魔界に居た事になると思われます。

 

先代魔仙卿の元で数百年間の修業期間がありその期間中にマデサゴーラが戴冠したわけでないのならばすくなくとも200年ほど前までには大魔王として戴冠していたことになります。

 

となると、魔界で200年前の大事件といえば当時の大国ネクロデア王国がゾブリス将軍によって滅ぼされた事ですがその当時にマデサゴーラが大魔王だったのかという謎がわかるかもしれません。

 

ネクロデアの亡霊たちの会話から当時大魔王は空位だったという考えの方が多いだろうとは思いますが個人的には200年前にはマデサゴーラは大魔王だったのではないかと考えています。

 

 

最後に

今回のストーリーはユシュカの過去や自分の無力さへの苛立ちなどが語られユシュカが主役だったといって差し支えない展開だったと思います。

 

主人公の兄弟姉妹が時渡りの呪いを魔仙卿として契約する事で呪いを上書きするかたちで打ち消し、さらに魔仙卿としての呪縛・血の鎖を断ち切ったことで全て呪いから解放されたように、主人公もユシュカが自ら大いなる闇の根源のもとに新たな大魔王となるために身を捧げた事によって主人公の大魔王としての契約や呪いが破棄され、自由の身になったのかという疑問が残る形で終わりました。

 

続きが気になりますしまだ気になる事もたくさんありますが長くなりすぎました。

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この状態で5時間昼寝しちゃったゴメン

今回はここまで

 

 

*1:ユースティはファラザードのしびれくらげのマッサージ師

*2:賢女の都レジャンナの王族出身で魔界屈指の呪術師

*3:古代エテーネ王国の辺境警備隊詰所にいた隊長