神が消えても世界は続く

ver.6.5後期ストーリーを終えることができました

天使によって天星郷に招かれた英雄たちの物語も終わりを迎えましたが今回はこの冒険を終えてドラクエⅩのストーリー全体に対し個人的に感じた事について書いてみたいと思います。


以下ver.6.5後期までのネタバレを含みます

 

大きなテーに関して

ドラゴンクエストⅩオンラインという大きな物語のテーマは今までのver.1~5で語られてきたものを変更するのかと疑問は湧きました。

ver.1~3と5で語られたのは神(親)との別れ・種族としての自立というテーマでありましたが、ver.6.0の時点で過去の英雄たちが登場し神化の儀によって新たなる種族神を誕生させるという試みは過去の物語のテーマを全否定することになります。それを天使たちがする事の重大さには大きな秘密があるのと考えましたがそうではなかったようです。

神の時代は終わった

天使たちは単純に新しい種族神が必要だと考えていただけで深い意味は無いように見えました。そして神化した英雄たちはそのほとんどが消えてしまい過去からのテーマは一応守られました。

 

神との別れ・種族としての自立という大きなテーマに変更がないとするのなら神化した英雄たちとは別れが来るであろうことは容易に想像できますが実際にその通りになってしまいました。魅力的な人物が多くver.6.1~6.2において悪神の心域で目撃する事となる英雄たちの主観による過去の出来事なども興味深かっただけに残念でしたがフォステイルを除く神化した英雄たちとの消滅を経て物語は終わっていきます。

ユーライザは生き残りますが神としてのチカラは光輪とともに失われます。

 

ただ、物語終了後の天使たちとの会話で今後も神化の儀の準備を続けるという予定を聞かされ、これらのテーマに変更があるのではとのちょっとした不安も生じています。

 

神化した英雄たち

天星郷が招いた英雄たち

初代勇者アシュレイとその盟友レオーネ三闘士カブ・ナンナ・ドルタム始原の歌姫リナーシェ二代目時の王者ハクオウガートラント建国王ラダ・ガートメギストリス建国王フォステイル主人公の十人。時代を超えて集められた英雄たちは来るべき時のため神化の儀を受け新たなる種族神としてアストルティアを守護するはずでしたがジア・クトに汚染された天使ヘルヴェルの企てにより主人公とフォステイル以外が悪神化してしまいます。

 

悪神の心域でみる事となる英雄たちの過去、栄光と後悔・懺悔はとても興味深く登場する人物たちも様々でした。悪神化から解放され主人公と天使ユーライザと共にジア・クトとの決戦に挑みますが最終的にはフォステイルを除き消滅してしまいます。

この笑みの意味なんだったんだろ?

とても魅力的だった英雄たちがことごとく死亡してしまう事に納得できないという意見があるようですが、これは安易に衝撃や感動を誘うための演出ではなく(そういう部分もあるとは考えます)、神化した英雄たちが神として残れないのは創生の女神ルティアナによって生み出されたこの世界の定めなのではないかと考えます。

 

それは自ら神化の光炉に飛び込み最終的には古き世の天使レクタリスの記憶により神化したユーライザも光輪が消え力を失う事も関係しているはずです。

 

では、なぜ女神ルティアナが創ったこの世界では新しい神は生まれない・生まれてはいけないのかについて個人的考えを

 

ルティアナが断ち切りたかったもの

ドラクエⅩの世界はドラクエⅨの時間軸と連動しており、我々が今冒険しているより遥か昔ジア・クトの襲来により滅んだ古き世界・とこしえの揺り籠とはドラクエⅨの世界だった、そしてそこから脱出した女神ルティアナとはドラクエⅨの女神セレシアもしくはセレシアが生み出した神であるという前提での話になりますが、女神ルティアナはアストルティアを創生し七柱の種族神を産み落とすにあたり過去とは別の世界を創ろうとしていた様に思えます。

古き神 シルエットは男神

それは人間の種族神にグランゼニスと名付けた事

 

ドラクエⅨの世界は創造神グランゼニスという全知全能の神によって創られました。

創造神は空と海を分かち空には星を海には大地を、ありとあらゆる生き物を創り最後に人間を創りましたが、後に人間を失敗作と考え滅ぼそうと考えます。

創造神グランゼニスを娘である女神セレシアはその行為を諫めるため自らの姿を世界樹に変え人間の清き心を証明しようとしました。これを受けて創造神グランゼニスはセレシアに仕える存在として天使たちを創り出し人間の清き心を集める役目を与えます。

 

この時創り出された天使たちが、ジア・クトの襲来時にルティアナと共にとこしえの揺り籠を脱出しフォーリオンを護衛したレクタリス達、光輪を持つ古き世の天使たちです。

 

創造神グランゼニスは全知全能の神であり娘を大切に思う一方で、失敗作は滅ぼしてしまえというかなり厳しい考えを持った存在でもあります。この考えに反対したセレシアはドラクエⅨが完結する時点で世界樹の姿からから元の姿に戻ることができましたが、グランゼニス神は物語冒頭にいつの間にか姿を消していたことが判明し何故かその身体がバラバラに宝の地図に封印されセレシアの望んだ人間を許し和解することは出来ませんでした。

 

創生の女神ルティアナが女神セレシアであるのか更にその子であるのかは未だに完全には判明していませんが(個人的にはルティアナ=セレシアと考えています)ルティアナが古き神から受け継いだ創生のチカラは元々この創造神グランゼニスのものだったはずです。

グランゼニス神のチカラを受け継いだ創生の女神ルティアナはアストルティアと七柱の種族神を生み出しますがこの時、父(祖父?)であるグランゼニスと同じ過ちは繰り返したくないと考えたのかもしれません。

 

その過ちとは、自らが創造した人間を失敗作と決めつけ滅ぼそうとする独善的な考えです。ルティアナ自身も受け継いだチカラの元はグランゼニス神から。神が創った女神なら自分の中にもグランゼニスの独善的な部分が受け継がれた可能性はあります。

 

もしかすると、いつか自分も人間たちを滅ぼそうとするような考えに支配されるかもしれない。こういった連鎖を断ち切るために、人間以外の種族神となっていくナドラガ・エルドナ・ガズバラン・ワギ・マリーヌ・ピナヘトの六柱を生み出し協調の力と多様性を確保し末子として、最後まで人間と和解出来なかったかもしれない父グランゼニス神にやりなおして欲しかったという想いを込めて人間の種族神となるグランゼニスの名が与えられる神を生み出したのではないでしょうか。

 

そしてなにより大事だったのは神々が死んでも滅ばない世界を創る事で神と人間の対立を断ち切る事

 

創造神グランゼニスは何故人間を滅ぼしたかった?

ドラクエⅨの創造神グランゼニスは人間を失敗作として滅ぼそうとしますがそれはなぜでしょうか。人間には「正しい者」「悪しき者」が存在し悪しき者を許せなかったことが原因だったようですが悪しき者に自分の中の邪悪な心を見て恐怖したのかもしれません。

 

神が創り出したものには神の性質が反映されはずです。

全知全能のグランゼニス神が創り出した人間に悪しき者が存在するという事は自分の中の悪しき部分が反映された可能性、もっといえば悪しき部分が反映されたのは人間だけなのかという疑問にぶつかるはずです。世界の全てを創造したグランゼニス、彼が創り出した全てに自分の邪悪性が反映されていたとしたらという恐怖です。

 

そしてドラクエⅨの世界はグランゼニスが死ぬと世界も滅ぶといものでした。

女神セレシアも

父 グランゼニスが 滅びたのなら 

私も この世界も 

とうに 消えているはず

と、語っています。

 

創造神と世界は不可分な存在であり神が死ねば世界は滅ぶのであれば、逆に世界が滅べば神も死ぬはずです。神と世界は精神と肉体の様な関係にあり肉体である世界に自分の邪悪さを宿した存在が増殖していくことに耐えられなかったのではないでしょうか。だから邪悪な人間が世界を蝕み破滅させグランゼニス自身を殺してしまう前に人間だけを滅ぼそうと考えたのです。

 

そうならないために女神ルティアナは自分を含めた神々が死んでも滅ばない世界を創生し自分と世界の間に一定以上の距離を置くことで干渉をできるだけせず人間たちを慈しめるようにとしたのかもしれません。

これはドラクエⅨの世界からドラクエⅩの世界への移行は汎神論から超越的有神論への移行ととらえることも可能かもしれません。

※汎神論とは神と世界・自然・人間などに区別は無くすべては神の現れであり神の被造物の中にも神は宿っているという宗教・哲学的な考えです。ひどく単純化して考えれば神が人間を創ったのなら人の中にも神は宿っているとなります。

有神論とは神は存在するという宗教的な考えで、そのなかでも超越的有神論は神を外の世界にいる超越的存在ととらえ世界を創造した神は世界に干渉はしないという理神論や大魔王マデサゴーラに現れているグノーシス主義なども含まれます。

 

ルティアナは断ち切れたのか

女神ルティアナは異界滅神ジャゴヌバとの戦いで肉体を失い現在そのチカラもほぼ消えてしまいましたがその名残は光の河などとして未だに残ってはいます。ナドラガを除く六柱の種族神もナドラガとの神話戦争で肉体を失ってはいますが完全に消滅したわけではありません。一方、ナドラガ神は復活した後主人公によって倒され完全に消滅してしまいましたが彼が守護したナドラガンド・竜族と眷属である神獣プリフィーも滅びはしませんでした。

 

ルティアナの試みは成功したようにも見えますが、必ずしもそうではないのかもしれません。それは七柱の種族神の長兄ナドラガの闇落ちとその後の神話戦争です。

 

異界滅神ジャゴヌバと戦いで女神ルティアナは鏡合わせの儀により自分とジャゴヌバの魂をイルーシャとナラジアの中にそれぞれ封印し姿を消しますが、その後ルティアナが消えた後の世界の主導権を巡りナドラガ神と他の六柱の種族神は対立、特に末弟グランゼニス神に強い敵対心を持った長兄ナドラガは竜族を動員しレンダーシア大陸に侵攻、戦争の序盤を有利に進めるも他の種族神たちがグランゼニス側として参戦すると形勢は逆転し追い詰められ、最後の手段としてナドラガは封印されているジャゴヌバの力を借り闇落ちてしまいます。

 

最終的に六柱の種族神に敗れたナドラガは肉体をバラバラにされその肉体とナドラガンドを竜族もろとも五つの領域に分けて封印されますが、ナドラガと戦った種族神も肉体を失ってしまいます。

 

人間を滅ぼそうとした、身体をバラバラに封印される。

無理やり感はありますがこの二点でドラクエⅨのグランゼニスとの共通点を見いだすことができます。

 

滅びゆくとこしえの揺り籠から脱出し長い旅の果てに創生した新天地で父神の過ちを繰り返すまいとしたルティアナが生み出した種族神の長子が父神同じく人間を滅ぼそうとした事実は創造神グランゼニス→創生の女神ルティアナ→竜族の神ナドラガへと悪しき面が受け継がれてしまったといえるでしょう。

ルティアナも神話時代、異界滅神ジャゴヌバとの戦いでジャゴヌバが魔瘴を吐き出し大地を汚染させ始めると賢者メゼからの進言を受け汚染された大地とそこに住むアストルティア民と賢者集団を切り離し見捨てます。そこには俊住や後悔があった事はルティアナが語りますがルティアナ自身も厳しく冷酷な一面を持っていたといえます。

 

人間を滅ぼそうとした長子ナドラガとそれを護ろうとした末子グランゼニスという構造はドラクエⅨの創造神グランゼニスと女神セレシアの対立と似ています。

セレシアの場合は自らを世界樹の木に変身させることで父に対して抗議の姿勢を示しますが神同士でなく竜族と人間族の戦争にまで拡大してしまったアストルティアでは他の種族神である五柱の神々の援軍によってナドラガと竜族は破れた事実はルティアナが多くの種族神を産んだ事による多様性と協調のチカラの勝利といえるでしょう。

 

しかし、ナドラガに勝利した神々はナドラガの肉体とナドラガンドをバラバラに分割封印し罪が許される時まで罰を与え続けることを神獣たちに託しますが、その罰は苛烈で氷・闇・嵐の領界で現在生活できる集落はひとつだけ、水の領界に至っては神獣カルシャの温情が無ければすべては海底に沈み唯一の陸地に逃げ延びた竜族も全員飢え死にする運命でした。ナドラガと竜族に罪があるとしてもその子孫たちに対して数千年の長きにわたり苛烈な罰が与えられ続けた事からもナドラガ以外の神々にも厳しく冷酷な面は受け継がれているのかもしれません。

 

創造神グランゼニスから女神ルティアナ、そして七柱の種族神へと冷酷な側面が受け継がれてしまったとするならとこしえの揺り籠からの脱出、長きにわたる旅を経て新しい世界を創生しようとしたルティアナの試みは失敗したといえるのでしょうか。

 

決してそうではないよいうに思えます。ルティアナが望んだものは不完全だったり歪んでいたとしてもナドラガや他の種族神にも宿っていたと考えます。

 

ナドラガは何故人間を憎んだのか

創生の女神ルティアナが最初に生み出した子であり、七柱の種族神の長子竜族の神ナドラガは何故ルティアナの末子人間族の神グランゼニスを特に憎み戦いを仕掛けたのか、ver.3の物語の中では、強い竜族が弱い種族を支配するのが当然と考えていたからだと語られますが竜族以外の中で人間が特に弱い種族なので憎んだだけとは考えられない気がします。

『勇の民 人間』

秀でたところがないと 思われていた彼らだが

危機に直面した時 決して くじけずに

立ち向かう 勇ましさを秘めていた

と、いしずえの森の岩に刻まれた人間は他の種族よりも突出した能力はないようですが勇者が生まれてくるのは人間族からだけ、魔界で誕生した大魔王は必ず人間の住むレンダーシア大陸に侵攻してくる事(ゼクレス魔導国で魔法の門が発明された後も)、災厄の王が世界を滅ぼしかけた時も神の緋石の効果によりレンダーシア大陸だけは無事であったと公式設定資料集アストルティア秘聞禄(P.015)にある、ナドラガを除く六柱の種族神を祀る光の神殿があるのはレンダーシア大陸の中心小エテーネ島だけなど、どうにもドラクエⅩの世界には人間族を中心に世界が成り立ち人間族が優遇されているような印象を受けます。

 

やはり女神ルティアナは末子グランゼニスと人間族を特別扱いしていたと考えます。

それは人間族が元々、とこしえの揺り籠を脱出した時に連れてきた人間たちが長い旅に耐えるため光輪のない天使へと変化させた存在を基に生みだされたので古き世界への郷愁や古き世界の神への複雑な思いもあっての事なのかもしれません。

 

一方で、長子ナドラガは竜族の神でありルティアナが彼を産み落とす時に古き世界のドラゴン系のモンスターを意識したと思われます。ナドラガが管理していたナドラガンドの混沌に生息するモンスターは全てとこしえの揺り籠からフォーリオンを守護してきたグレイナルの末裔である事、最初につくりだした竜族アルとイヴェナの竜化の手助けをした謎の光球もおそらくはグレイナルの魂です。神話篇の聖竜の神話のムービー叙事詩の復活」で登場する聖竜グレイナルの魂である光球は、ver.6.5後期で配信されたエストNO.754「受け継がれしチカラ」出現し前述した竜化の能力を授けた光球と酷似しているからです。

神話篇に登場したグレイナル

聖竜グレイナル竜族の成長に手を貸したのはナドラガがルティアナの産んだ最初の神だったからだけでなくその特徴に自分と同じドラゴン系の生き物を基にしたからでしょう。つまり、長子ナドラガ神と竜族は末子グランゼニス神と人間族と同じく古き世界、とこしえの揺り籠、ドラクエⅨの世界の影響が強く残った存在といえます。

 

古き世界の神によって生み出されたドラゴンと人間を基にした神と種族という特別な存在であるのに母である女神ルティアナは明らかに末子グランゼニスと人間を贔屓しているとナドラガには見えていた。エルドナ・ガズバラン・ワギ・マリーヌ・ピナヘトといった他の妹弟とは違い、同じく特別な存在であったからこそ許せない存在になってしまったのでしょうか。

 

それでもナドラガの中にもあった慈愛の心はオストロフにも宿りそれはエステラビアスに受け継がれます。

kyuroinu.hatenablog.com

 

そして、長子ナドラガ神が末子グランゼニス神と人間を特に敵視し滅ぼそうとしたことの遠因はドラクエⅨの世界まで遡るのかもしれません。

 

神・竜・人間

竜族と人間族はとこしえの揺り籠の影響が強く残っている存在ですが、ナドラガ神と竜族の誕生に強く関わりがあると思われる竜・ドラゴンは古き神・創造神グランゼニスとも深く関わる存在です。

 

神話篇のグレイナル叙事詩、ver.6.4~6.5のストーリーやサブクエストでも登場する聖竜グレイナルドラクエⅨでも登場しますが、Ⅸの世界には光の竜グレイナル・闇の竜バルボロス・聖なる心のアギロゴスという三体の竜が語られます。

グレイナルは300年ほど前にガナン帝国を滅ぼした英雄としてドミール火山で主人公と出会い、バルボロスは300年前にガナン帝国に仕えグレイナルに負けるがガナン帝国と共に復活し主人公とバルボロスのの前に立ちはだかる敵として登場します。アギロゴスに関してはⅨ本編には登場せず宝の地図のボスとして登場する若返ったグレイナルからその名を聞くことができます。

 

宝の地図のボスであるグレイナルからは

「光のグレイナル 闇のバルボロス

そして 聖なる心のアギロゴス……

遥か昔 我らは ひとつだった。」

三体の竜は元々同一の存在だったことが語られ、さらに

「神が おのれの闇を 封印せしとき

バルボロスは 滅び……

弱りゆく光が 私に年をとらせた。」

「だが 聖なる心が こうして

おまえをみちびき 闇と 光とを

よみがえらせてくれた。

幽閉されていた アギロゴスの

たましいも 肉体へと 戻ったのだ。

いずれ あの方も 自由となるはず。」

とも語られます。

アギロゴスの正体は明かされていませんが、幽閉されていた、おまえをみちびき、などからカデス牢獄に捕まっていた天の箱舟の運転士アギロであり、アギロが魂で天の箱舟が肉体で両方が一体となって聖なる心のアギロゴスとなると考えられます。

 

光と闇と聖なる心はかつてはひとつの存在でありアギロゴスが完全復活により自由になるあの方とは誰か、おそらく創造神グランゼニスの事でしょう。宝の地図に封印されている魔物の殆どはグランゼニス神の肉体の一部です。その宝の地図に若返った本来の姿で登場した聖竜グレイナルが口にした内容からもそう考えるのが自然に思えます。

 

三体の竜が元々はひとつだったと聞くとキリスト教の概念「三位一体」を結びつけることも可能かもしれません。かなり無理がありますが。

※三位一体とは父(父なる神)・子(神の子イエス・キリスト)・聖霊は一体であり、唯一の神が三つの姿になって現れたのだという考え方です。

 

光のグレイナル・闇のバルボロス・聖なる心のアギロゴスは創造神が生み出した竜でその役割だけでなく創造神の存在や復活とも関わる特別な存在だったといえます。

 

神なき世界で

古き神グランゼニスの影響が強く残ったために闇落ちしてしまったかもしれないナドラガ神以外の神々は現在肉体を失っていますが世界を見守っています。

各種族は種族神との対話ができなくとも、その存在を身近に感じることができずとも滅びずそれぞれの歴史を生きています。

種族神たちの器

初代勇者の誕生を預言した巫女クラメは種族神グランゼニスの声を聴けたようですがその後継者ダフィア以降は本当に預言者としての能力を持っていたのかもわかりませんし、その巫女たちは二代目勇者アジールの生母、ゼーナピア女王を最後に政治の舞台から排除されたと思われます。

アジールとゼーナピアな死後、新国王として魔族と戦ったメルザイン王は神聖ゼドラ王国の国名をグンゼドーラ王国に改めましたが、これは巫女たちをはじめとする宗教勢力との決別しグランド・ゼドラ(grand-Zedra)崇高なるゼドラ族というゼドラ族のみによる支配を確立した事を示していると考えます。

 

エルトナ大陸のキリカ修道会はエルドナ神の声を聴くことを目指し主人公も僧侶の職業クエストにてその声を聴きますがかなり例外的であり、キリカ修道会がエルフ族全体に絶大な影響力を持っている様子もありません。

 

神々は完全に消えてなくともその子である各種族たちは神に頼らず生きています。時には過ちを犯し争ったりもするでしょうが協調のチカラを思い出し困難を乗り越えていくのでしょう。

だから新しい種族神が誕生することは侵略者と戦うための兵器以上の意味は無くでその存在は長続きはしない消える運命なのです。生き残ったフォステイルもいづれは神化のチカラを捨てるか存在が消えるかの選択をすることになるでしょうし彼ならその事にも気づいていそうです。

 

そしていつか、神が残したシステムである勇者も種族の器も生まれなくなたっときこそ女神ルティアナがアストルティアを創生し七柱の種族神に託した願いが成就したといえるのかもしれません。

 

問題は天使たちがそれに気付いてない事なのですが

 

新しい冒険の舞台ゼニアス

ver.7の舞台は果ての大地ゼニアスと呼ばれる場所であると情報にはあります。

 

このゼニアスとはおそらくゼニス(Zenisu)+アース(Earth)の造語で、

意味はゼニスの大地となるのではないかと考えています。

 

このゼニス(Zenisu)とはグランゼニスのことでしょうが古き世の神グランゼニスなのか人間の種族神グランゼニスなのかも気になるところですが、出現するモンスターに「スライム祖」という名前がついています。

スライム

スライム祖をスライムの祖先と考えるならアストルティアのスライムの祖先はとこしえの揺り籠に生存していたスライムたちとなるでしょう。

また、そのほかの「ウパソルジャー」「ひとくいが」ドラクエⅨで登場しています。

 

ver.7の冒険の舞台がとこしえの揺り籠ならばゼニスとは古き神グランゼニスとなるでしょうか。もしくは古き世の神と種族神両方のグランゼニスが登場することになるのかもしれません。

 

今回はここまで

ダフィアの世界

ver.6.2で登場し強烈な印象を残したダフィア。

混乱の時代に生まれた大人物ですが彼女に対する評価は様々でしょう。

そんな彼女が生きた時代、望んだ世界とはどんなものだったのか個人的な考えを普段以上に妄想強めで書いてみたいと思います。

以下ネタバレを含みます!

 

ダフィアが生まれた時代

ダフィアが生まれ活躍したのは神話時代の最末期、レンダーシア大陸でした。

 

初代勇者アシュレイ・レオーネの双子と同時代を生きた人物です。

その時代の様子は悪神化したアシュレイの心域やver.5.3で解放された心層の迷宮で一部知ることが出来ます。

 

神話時代の末期は激動の時代であり、女神ルティアナと異界滅神ジャゴヌバが戦い封印された後に七柱の種族神の長子ナドラガ神が他の種族神と対立した末ナドラガ神は破れますが他の神々も肉体を失う事となった後の世界で、神々の争った傷跡が生々しく残っていた頃です。

 

この時代は、世界を守護する神々が肉体を失った事でアストルティア側に危機感や焦りが生まれたのか魔界勢力を討伐するために六聖陣と聖闘士たちが繰り返し魔界へ遠征し勝利を重ねていましたが、魔界に初代大魔王ゴダが誕生した事で情勢は一変します。

ゴダは魔界初の統一国家を建国し、六聖陣に対して魔界として初勝利をおさめただけでなくアストルティアに対し組織化された軍団を率いて逆侵攻を仕掛けます。

ゴダの顔はいまだ不明

公式設定資料集「秘聞録」によるとゴダが六聖陣に勝利した時期を境にアストルティアでも魔瘴が発生するようになったとあり、さらに大魔王の侵攻を受けたレンダーシア大陸は未だ統一国家が無く各部族が結束しきれず大きな混乱の中にあったようです。

 

この様な時代に生まれたダフィアの出生については不明な点が多くありますが、アシュレイ・レオーネに出会うまで長い期間をソーラリア峡谷のグランゼニス宮で過ごしたと二人の師ガーニハンから語られることからソーラリア峡谷にあったとされるグランゼニスを信仰する教団の関係者の子もしくは生まれて早い時期に教団に勧誘されたのかもしれません。

 

ダフィアの活躍

ダフィアは早くからグランゼニス神から神託を受けることが出来る巫女クラメの後継者候補として育成され霊力を高める修業を収めた事から呪文の使い手としても優秀であったようです。

 

巫女クラメが死去し、正式に二代目巫女としての地位を継承してからは自ら大魔王ゴダ討伐への参加を希望し前線へ赴きます。

巫女が前線に来るということ自体がグランゼニス神の加護をもたらす事になると喜ぶ兵士たちが悪神の心域にいた事からその実力だけでなく存在自体が大魔王軍との戦いを勝利に導く原動力のひとつとなったのでしょう。

 

初代勇者である双子アシュレイとレオーネ、二人の剣の師であるガーニハンとダフィアの四人はドラクロン山地で初代大魔王ゴダとの最終決戦に挑み見事勝利します。

その戦いで勇者レオーネは呪いで石化、ガーニハンは死亡しますが生還した勇者アシュレイとダフィアはその後結婚しレンダーシア大陸初となる地域統一国家神聖ゼドラ王国を建国。アシュレイは初代王としてダフィアはその妃として国政を取り仕切ります。

 

アシュレイは政治に関しては得意ではなかったようですが、ダフィアは高い政治力を発揮します。大小の部族が寄り集まって建国された王国を運営することは苦労も多かったでしょうがダフィアはアシュレイを神輿とするゼドラ族を重用ポストに登用する一方で各部族の伝統や習慣を改めさせるなどして臣民として融合させていく方策を執ります。

 

この方針に反対する独立派を鎮圧する中、レオーネを神輿とするレビュール族がトランブル将軍を中心に大規模な反乱を起こした際には、討伐をためらうアシュレイを説得しトランブル将軍とレビュール族を成敗し禍根を断ちます。

レビュール族とついでに征伐されたデバリポ

これらの建国間もない頃に起きた諸問題を解決し現在のグランゼドーラ王国まで続く国家の基盤を作り上げ勇者の血筋を当代の勇者アンルシアまで繋げた功績の多くは建国王アシュレイだけでは不可能で、むしろ王妃ダフィアの才覚によるところが大きかったといえるでしょう。

 

公式設定資料集「秘聞録」の年表において、神聖ゼドラ王国の建国をもって神話時代は終わり、これより先は神々の時代ではなく各大陸の六種族が各々に活躍していく時代に入ります。

神話時代に幕を引き、新しい時代の始まりを切り開いた英雄のひとりとしてダフィアの功績はあまりにも偉大です。

 

ダフィアの裏の顔

大魔王討伐に王国の建国と繁栄に活躍したダフィアですが、彼女は恐ろしい裏の顔を持ちアシュレイ達に対する裏切り行為をしていました。

 

大魔王ゴダとの決戦でゴダの呪いを受け石化したと思われていたレオーネは、実はダフィアによって石化されたのでした。

初代巫女クラメが生前ダフィアに渡していた呪いの札を仕込んだお守りを双子の勇者に送り大魔王討伐後御しやすい方を生かしそうでない方を戦いのどさくさに紛れて排除するという計画をクラメとダフィアは企てていたのです。

怖い計画…

更にレビュール族が蜂起した際には反乱軍を城内に手引きし石化されたレオーネを渡し隠させる事で、国王アシュレイとレビュール族の指導者トランブル将軍の双方を引くに引けない状況まで追い込み争わせトランブル将軍とレビュール族を討伐させます。

 

生前のクラメと画策した計画はアシュレイとレオーネのどちらかを始末するというだけのものでした。それは、アシュレイの出身であるゼドラ族とレオーネを養子として迎え神輿としたレビュール族が大魔王討伐後再び争うことを回避させるためのものでした。

 

ゼドラ族とレビュール族は人間族の中でも大きな部族であり長年争っていた関係にありましたが両部族が勇者を神輿とすることではじめて人間族は団結し魔界勢力と対抗できるようになったのです。大魔王との決戦を前にした塩水晶の陣地でも服装の色から見てゼドラ族とレビュール族の兵士が半々であったと思われますがおそらくこれは双方の部族が大魔王討伐後の主導権争いを見越して積極的に兵を出すことで相手方の部族が有利にならないようにと考えたからでしょう。大きな争いがあった後はより多く犠牲を払ってでも勝利に貢献した勢力の方が強く権利を主張できるのが当然だからです。

 

巫女クラメは勇者のどちらかを排除し生き残った方と自分の後継者であるダフィアが結ばれれば部族間の衝突は回避できると考えていたのかもしれません。しかし、ダフィアはそれよりもむしろ積極的に両部族が対立する方向へ仕向けることでダフィアが言うところの「本当の意味での統一」を成し遂げようとしたのでした。

 

この時代巫女の置かれている状況とは、歴史の中で巫女たちの役割とは何だったかなど考えてみたいと思います。

 

巫女たちと神聖ゼドラ王国

DQⅩの世界には他に、いばらの巫女イルーシャなども存在していますが今回は巫女=クラメやダフィアに率いられたグランゼニス神信仰に関わる集団という認識で書いていきたいと思います。

古来より日本では巫女とは祈祷・占い・神託を伝える・神楽を舞うなどの役割を持つ女性を巫女と呼んでいました。

古代ギリシアシビュラ(ギリシア語: σίβυλλα、英語: Sibylと呼ばれるアポローン神の神託を受ける女性たちを巫女して訳されたりしています。

 

神話時代末期、クラメに率いられた巫女たちは人々のグランゼニス神への信仰心を利用し部族が乱立する社会で特別な地位を築き上げたと悪神の心域で聞くことができます。

まだ神々の肉体が健在であった頃の名残があり現在より神が身近に感じられたであろう時代で神託を通じてグランゼニス神と人々を繋ぐ役目を果たす巫女や教団の存在は重要だったはずです。更に、大魔王軍が魔界から侵攻してくるという今までになかった事態に混乱する社会では尚更クラメたちは重要視されたのではないでしょうか。

クラメ達も在籍してたかもしれない謎の教団

巫女クラメが上手く立ち回り立場を強固にし大きな部族の長であっても簡単には逆らえない状況を作り上げた事で「ゼドラ族の女が勇者を産む」という神託を信じさせただけでなく双子の勇者の片方をレビュール族に養子に出せという神託にゼドラ族を従わせることを可能にしたのでしょう。

巫女たちが強い宗教的権威を持ちそのことが人間族社会においては重要だったことの表れが初代勇者アシュレイが建国した神聖ゼドラ王国という国名です。

 

神聖が国名につくという事は、その国家が宗教的権威に支持されその王権は神が与えたものであり、その宗教世界を守護するこという理念を表します。

世界史の教科書にも登場する神聖ローマ帝国とは西暦962年オットー一世のローマ皇帝戴冠から始まるローマ・カトリック教会と結合し支持されキリスト教カトリック世界を守護する理念を持った国家です。実際に神聖ローマ帝国という国号は12世紀ごろからつかわれだしたようです。

 

つまり神聖ゼドラ王国とはゼドラ族(唯一の勇者アシュレイ)がグランゼニス神に与えられた王権でレンダーシア大陸と人間族を守護する国家という意味になります。

この、「グランゼニス神に与えられた王権」を担保するのは王妃である巫女ダフィアの存在です。おそらく建国直前にグランゼニス神は巫女ダフィアに人間世界の守護者としてアシュレイに王権を授けるという神託を下したのでしょう。

この国号を名乗った時から勇者レオーネとレビュール族は王国から排除されることが決まっていたのかもしれません。グランゼニス神の神託にレビュール族の名は無かったのですから。

 

本当にダフィアにそのような神託が下ったのかは怪しいですが…

 

ダフィアが神託を利用してでも「本当の意味での統一」を急いだのだとしてそこには何か理由はあるのでしょうか。

 

神託の信憑性、危機感

神託を行う事で部族社会で特別な地位を確保していた巫女ですが、その神託に信憑性はあったのでしょうか。

 

少なくとも巫女クラメはゼドラ族に勇者が生まれることを言い当てた事からクラメに神託が下ったことは確かでしょう。しかし、双子の勇者が生まれてくるとわかっていたかは謎です。双子の勇者が生まれてくるとあらかじめ知っていたならどちらかを排除しようとしなかったのではないかとも考えますし、勇者誕生後は神託が下らなかったからこそ大魔王討伐後にむけて暗躍したのではないでしょうか。

 

「ゼドラ族に勇者が生まれる」巫女への最後の神託だったのかもしれません。

そもそも神話時代末期は神々がその肉体を失った事でその力の多くを失いグランゼニス神もレンダーシアを護るための神の緋石を残した後は長き眠りについています。

 

眠りについたグランゼニス神は頻繁に神託を下すことはできないはずで巫女クラメが得たという神託の多くは偽りだった可能性があります。そして後継者となったダフィアは本当の神託は一度も得ることが出来なかったのではないでしょうか。

クラメの後継者として育成されていたダフィアがソーラリア峡谷のクランゼニス宮で過ごしていたことから巫女たちとソーラリア峡谷に存在したグランゼニスを信仰する教団に所属していた又は深い関わりがあったはずです。

 

神々が姿を隠しその声を聴けなくなっていく時代に教団は存続の危機を迎えたのかもしれません。ソーラリア峡谷に巨大な神殿を築き「古代エルネア文字」という独自の文字を使用していた教団は神託を下せなくなり人々が神への信仰を失っていき存続できなくなると焦ったのではないでしょうか。実際に現在ではソーラリア峡谷の神殿は廃墟と化し教団も存続していない様子です。

 

そこで教団と巫女たちは、最後の神託を利用し教団を存続させるための勢力を作り上げるために巫女の長であるクラメを中心に各部族間を偽の神託を使って渡り歩き存在感を高め最後にゼドラ族とレビュール族の間を取り持ったのではないでしょうか。

勇者が大魔王を倒した後は、御しやすいどちらかの部族を中心に統一を図り教団を保護させればいいと考えたのかもしれません。

 

巫女たちがそうまでして教団を維持したかった理由はなんでしょうか。

 

巫女への扱い・望む未来

巫女たちの出身がどのようなものかは分かりません。

ダフィアのように長く修業したものを除き各部族間の間を渡り歩いていたとすると、もしかすると「あるき巫女」のような側面を持っていたのかもしれません。

あるき巫女とは特定の神社に所属せず各地を巡りながら祈祷や口寄せなどを行っていた女性たちですが、芸人や遊女を兼ねている事も多くありました。

一説には、もともと諸国を巡る遊女たちに神社が宿を提供するために名目上、巫女と呼んだことが始まりだったという立場もあるようです。

 

であるなら、元々は部族社会で貧しさや戦争によって帰る場所を失った女性が多く在籍し生きていくために巫女となったのかもしれません。そんな巫女たちを護るためにも教団の維持は大事だったのでしょう。

むきー!全部貧乏が悪い!!

そして、神託が外れた時はどうだったのでしょう。

神からの神託が得られなかった場合や結果が望まれないものだった時、もしかするとひどい仕打ちが待っていたのかもしれません。

 

そう考える理由は神話篇世告げの姫サテラの記憶から

サテラは元々レンドア島の教会に居たシスターでしたが父を心配する少女テティを安心させるためについた小さな嘘が評判をよんでしまい預言者として祭り上げられます。

そして、戦争の行方を聞きに来た大使の頼みを断り切れず偽りの預言を授けてしまい、信じた軍は敗北しその責任をサテラは負わされナギリ洞に幽閉されてしまいました。

サテラの預言

サテラがどの国の出身かは不明ですが大使はサテラに対して国民のひとりとしてと言っていることから人間族の国の可能性が高いと思われます。罪人を外国であるエルトナ大陸のナギリ洞に幽閉するという事は預言や神託の結果が外れた時は国外追放や幽閉(終身刑?)という非常に重い罪に問う習慣がアストルティアにはあるのではないでしょうか。もしかするとこれらは神話時代から続いており教団の神託・預言が外れると巫女は重い責任を負わされたのかもしれません。

本来、神託と預言は同一ではなく神に伺いを立て言葉を頂くのが神託や託宣と呼ばれる種類であり、預言とは本人の意思に関わらず降ってくるものという違いがあるようですがDQⅩではサテラの様子からも似たものとして扱われているように見えます。

 

この様な事が背景にあるのだとしたらラメやダフィアの企みは巫女たちを護るための行動だったのではないかと思えてきます。

レオーネの心域でジア・クトに汚染された導きの天使がみせた過去の映像で、クラメから呪いの札を仕込んだお守りを渡され計画を明かされたダフィアは、

「はい。私どもの望む 未来のため

争いの芽は 摘んでおくに限ります。」

と、答えます。

 

クラメやダフィアが望んだ未来とは部族社会を統一させ安定化させることで、巫女たちが利用され迫害されない世界。もっといえば貧しさや戦争が原因で巫女となる者が出なくていい世界だったのではないでしょうか。

 

ダフィアとアシュレイ

大魔王ゴダの討伐と神聖ゼドラ王国の建国という偉業を成し遂げた二人はどういう関係だったのか考えてみます。

 

アシュレイの心域では初めて出会った時、アシュレイから一目ぼれしていた様に見えますし王家の迷宮の心層迷宮でもダフィアはアシュレイの方と気が合っていたようだと聞けます。実際に御しやすい方としてアシュレイを選ぶわけですが、ダフィアはアシュレイに対してどのような感情を抱いていたのでしょうか。

 

思うままにならない政治と石化したレオーネを不憫に思い悲しむ母、自分だけが生き残った罪悪感で疲弊しているアシュレイを支え義母の世話もこなすダフィアが夫に対して感情的になる場面があります。それはトランブル将軍の反乱を武力鎮圧することにためらいを見せるアシュレイに対して

「なんと 弱気な! 己の連れ合いが

弱者だと 感じることぐらい

ゾッっとすることが ありましょうか。」

と、詰め寄ります。

 

この場面は、ダフィアの怖さ激しさを感じる場面ですが同時に別の事を思ってしまいました。それは、ダフィアにとってアシュレイは完璧な神の代行者であってほしかったのではないでしょうか。その期待を裏切られたと感じたからこそ強く詰め寄ったように見えました。

怖い…

個人的にダフィアはクラメと違い神の声を聴くことは出来なかったと考えています。彼女が神託を下す場面はありませんし、彼女の神託が正しかったという話もありません。

しかし、巫女の長である以上その能力は求められたでしょうし神の声が聞けているかのように振る舞いもしたでしょう。そんなダフィアにとって神託によって生まれてきた勇者アシュレイは正義の象徴である以上に、巫女の正当性を保証する存在であり彼女の人生そのものだったのかもしれません。

 

アシュレイとレオーネは勇者として生まれ大魔王を倒すためだけに生きてきました。

それと同じようにダフィアもグランゼニス宮でクラメの後を継ぐため、巫女や教団の繁栄のため、大魔王討伐後は勇者に嫁ぐためだけに育てられてきたのだとしたら自分の全てを捧げた相手が、決断できない自分の使命を果たさないというのはダフィアにとって人生全てを否定されたと思えたのではないでしょうか。

 

神託の呪い

アシュレイと共にゼドラ族による統一を目指したダフィアですが、一度だけクラメに与えられた使命から逸脱してみようと考えた瞬間があったのではと考えます。

 

レオーネの義兄でありレビュール族の指導者であったトランブル将軍による大規模な蜂起が起きた時名乗った国号神聖レビュール王国、これは神聖ゼドラ王国と同じように神聖と冠する事から宗教勢力から支持された事がわかります。

 

当然この正統性を担保するのはダフィアの存在でしょう。

 

ダフィアはレビュール族を城内に手引きしただけでなく蜂起が成功した暁にはゼドラ族からレビュール族に乗り換えると密約を交わしていたのかもしれません。

悪神の心域の反乱軍の隠れ家では「レビュール族の出身であるトランブル将軍はさぞや肩身が狭い思いをしているだろうに…。」と聞けます。

心域は悪神と化したアシュレイの記憶や願望をもとに形成されているので反乱軍の隠れ家での話はアシュレイが直接聞いたわけではなく反乱後の調査や伝聞を基に作られたと思いますがこの発言から、レビュール族の不満が高まる中でもトランブル将軍はアシュレイを支えようとしていた様にみえました。

トランブル将軍

しかし将軍が抑えようとしても王国への不満は頂点に達しそれに対応できないアシュレイ王という状況下で、ダフィアから内密に乗り換えの可能性を示されレビュール族は暴発し蜂起を決定。トランブルも一族と命運を共にする決心をしたのではないでしょうか。

 

このダフィアの行動は、もしかするとクラメが決めた道に従うだけでなく自分の意思で出した神託が現実となるのか、運命から自由になる別の世界があるのか試してみようとしとしたのではと思えます。ですが結果はトランブル将軍は討ち取られレビュール族の死体の山が築かれました。

 

帰還したアシュレイとそれを迎えたダフィアの会話の中で、

ダフィアは「すべては運命の導きだったのです」と答え

アシュレイは「お前が妻でなくばひねり殺しているところだ」と激高します

 

しかし、アシュレイはダフィアを殺せなかったようです

 

それは愛していたからなのか、自分が勇者として国王としての使命から逃げれないダフィアが逃さないと知ったからなのでしょうか。

そしてダフィア自身もまた巫女として受け継いだ使命から逸脱することは出来ない自由になれない運命だと気づいたのかもしれません。

 

アシュレイは神に選ばれた勇者として、ダフィアは神託の巫女として死ぬまで自分の意思で生きることは許されず運命に逆らうことは出来ないという事実。神託の呪いを受け入れこの先の人生を夫婦として生きるのです。

 

最後に

今回はダフィアの生きた世界と何を望んだのかについていつも以上に妄想強めで長く書いてしましました。

 

個人的にver.6の登場人物の中でダフィアはかなりお気に入りのキャラです。

物語はどうしてもいい人だらけになってしまいがちですがその中で清濁を併せ持つようなキャラは魅力的ですし、その人生が気になってしまいます。

今後再登場するとしても、今以上に怪しく輝いていて欲しいと願います。

夫婦仲よく浮気はいかんよアシュレイくん

今回はここまで

 

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天星郷と天使にまだ残る疑問 ~ver.6.4を終えて~

ver.6.4ストーリーをなんとかクリアできました。

今回の冒険では神話時代・古フォーリオンへの旅を通して天使の成り立ち、アストルティアの創生などについて知ることができました。

しかし、新たなることが判明すると今までの情報との食い違いや新たな疑問が発生してきます。

今回は、天星郷・天使に関してまだ残る疑問について自分なりの考えを取り急ぎ書いてみたいと思います。

以下、ver6.4までのネタバレを含みます!

 

古フォーリオンと天使

ver.6.4でパドレやキュルルの助力を得て時渡りで訪れる事となる古フォーリオンは現在より遥か昔の時代、創生の女神ルティアナが健在でありルティアナの子である七柱の種族神もまだ長子ナドラガとエルトナしか存在してない時代でした。

自宅で鎧も脱げないほどの恐妻家パドレ氏

おそらく、ルティアナ達が安息の地へたどり着いてから数百年~千年以内の時代だと考えられます。

それは、古フォーリオンで天使メファビアから「天使の寿命は1000年を超える」と聞けること、とこしえの揺り籠からの旅で全ての天使が老人となっていない事、子供姿の天使が居ない事などを考えると1000年より上は上限無く生き続けるなどという事がないかぎり数百年をかけて旅をし安息の地で天地創生を開始してからも1000年以内と考えるのが妥当ではないでしょうか。

 

現在のフォーリオンで生きる天使たちも500~600年前の英雄を勧誘した導きの天使は存命ですが1000年以上前の英雄たちに関しては導きの天使が世代交代してる様子とも合致するように思えます。

 

その世界ではアストルティアは創生の最中であり未だ混沌の中にありました。

 

その世界で出会う事となる天使長レクタリスは他の天使と違い頭上に光輪を頂く天使でしたがその秘密も明らかとなります。

天使長レクタリスはとこしえの揺り籠から旅をしてきた純粋な天使の唯一の生き残りであり、他の天使たちは元は人間だった存在がルティアナによって天使として作り変えられた存在でした。

レクタリスの頭上には光輪が

とこしえの揺り籠が、ジア・クトに侵略され滅亡する前にルティアナは生き残った僅かな天使と人間を率いてグレイナルをお供に新天地を求め逃亡しますが、その長旅が人間にとっては過酷過ぎたために天の賜物たる果実を与え人間を天使に作り変えたのが現在の天星郷にも生きる光輪を頂かない天使だったのです。

※便宜的にレクタリスの様な天使を第一世代天使、元人間だった天使を第二世代天使と呼びたいと思います。

 

この天の賜物たる果実とはドラクエⅨの女神の果実の事かもしれません。

そして天星郷(てんせいきょう)とは天使に転生した者たちの郷だったのです。

 

第一世代天使であるレクタリスはジア・クトからアストルティアを護るための神具創生をルティアナから命じられていましたが、多くの第二世代天使の犠牲と最終的に時渡りしてきた主人公の助力を得て必要な素材の確保し神具創生の儀を執り行います。

神具創生の儀に必要な秘奥とは天使の光輪、つまり自らの命そのものでありレクタリスはその大いなる使命と共に長かった命を終わらせます。

レクタリスは使命を果たした

レクタリスの犠牲により誕生したのが二つの神具「神剣レクタリス」アストルティアの楯」でありレクタリスの命ともいえる光輪の核を主人公は現代まで持ち帰り神具の修復を行う事となりました。

 

神具創生の儀からのレクタリスの葬儀においてエルドナはその魂を救済すべくナドラガの助力を得て天魂石に保管されていた肉体の死を迎えた天使たちの魂を新たな肉体に転生させる仕組みが作られます。

これによって現在のフォーリオンの転生の園のような魂と肉体の循環が可能になり、第二世代天使も天使となる事で繁殖能力が消え子孫を残せないため天使人口が減り続けるという問題も解決される事となりました。

 

第一世代天使と第二世代天使の違いを知った現在気になるのは聖天舎にいるモーモリーデンデロベーの二人です。この二人は天使なのかモンスターなのか、何故頭上に光輪があるのかこれからも話に絡んでくることは無いのか謎です。

きみたちはなにもの?

 

ルティアナとセレシアは同一神か

ドラゴンクエストⅨとⅩの世界は連続した時間軸の中に存在し、とこしえの揺り籠はDQⅨの世界であり創生の女神ルティアナとはⅨの女神セレシアの未来の姿ではないかという考えはver.1~3当時すでに考察勢の方々から上がっていましたし繋がりを示唆するような名称は何度も登場しています。

 

天使長レクタリスは天使ラヴィエルに憧れていた事が語られますが、ラヴィエルドラクエⅨに登場するキャラでありリッカの宿屋に居る謎の人物でしたが後に天使イザヤールの双子の妹であった事が判明します。

レクタリスがラヴィニスに憧れ、レクタリスの生まれ変わりと考えられる天使ユーライザの姉的存在であった天使ヘルヴェルが憧れていたのが天使イザヤールという構造からもDQⅨとの繋がりを感じます。

 

女神ルティアナ=女神セレシア説を個人的には支持しています。

その一方で何故セレシアは名前を変えたのか、ver.5.5完結以前は大いなる闇の根源の正体はDQⅨ世界の創造神で女神セレシアの父で天使たちを創造したグランゼニス神ではないかと考え、そういった内容の記事を以前何度か書いてきました。

邪神と化してしまった父から逃げるために女神セレシアはとこしえの揺り籠を脱出し父から身を隠すためにルティアナと名を改め新しい世界を創生し、かつて人間を滅ぼそうと考えた父との和解が出来なかった後悔からそのやりなおしを願って末子を人間の種族神としグランゼニスの名を与えたというのが自説でしたが結果は大ハズレでした。

ジア・クトという外来の侵略者から逃亡するだけなら名前を変える必要があったのかは謎です。

 

予想が外れた過去の記事たちです

kyuroinu.hatenablog.com

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ver.6.3で天使長ミトラーが語られる創生の女神とその眷属の物語では

「とこしえのゆりかごを創りし 古き神は

 若き女神 ルティアナに 創生の力を託し

 滅びゆく世界から 出立させる。」

と、あることからとこしえのゆりかごがDQⅨの世界であるなら古き神は創造神グランゼニスだと断定できることになります。

 

また、ver.5.4において光の郷フィネトカで極天女帝たち六聖陣から語られる神々の物語において一柱の若き神、女神ルティアナに創生の力を託した古き神は顎髭を蓄えたシルエットで創造神グランゼニスと似ており男神のように見えます。

グランゼニスにセレシア以外の娘が居たとは作品中では語られていません。妖精サンディがセレシアの妹を名乗りますが、宝の地図に封印されたグランゼニスの一部である怪力軍曹イボイノスをみやぶると

「かつては ひとりむすめと りっぱな宮殿に 住んでいたが ふつかよいで 目がさめたら 封印されていた。」

というコメントをみることが出来ました。

イボイノスと忘却の怨霊は同じ見た目

DQⅨとⅩはつながった物語だと考える立場としては創生の女神ルティアナと女神セレシアは同一神だと断定していいと考えますが、繋がった世界でも同一神ではない可能性としては創造神グランゼニスがDQⅨの物語後復活した際にもう一人娘を産みそれがルティアナであった。セレシアはジア・クトの侵攻の際に古き神と共に死んだという説くらいでしょうか。

 

種族創造

エストNO.737「立ちはだかる壁」ではエルドナ神による種族創造の過程の一部を垣間見ることができます。

 

エルドナが種族として作った女の子はまだ心を持てず実態も希薄な存在でした。

ナドラガ神と違いエルドナ神は種族創造に苦労しているようですがこれによって今まで考えていた各種族の誕生過程が大きく違っていたことが判明しました。

 

ver.4.2においてグリエ王子からオーガ誕生にまつわる神話では、

「我らオーガは 怪物の身体に 

人の心を宿すという 試みで生み出されたと。」

とあり、ゾンガロンの技「ケモノになれ」はオーガを原初の状態へ回帰させる技だと聞かされます。

可能性のケモノ

ゾンガロンと初めて対峙する場面でも各種族固定の魔物に変化する事から七種族全てがモンスターに人の心を宿すことで誕生したのだと考えていましたが違いました。

  • エルフ→おにこぞう
  • オーガ→シールドオーガ
  • ドワーフ→シールドこぞう
  • ウェディ→スクラッチャー
  • プクリポ→ファーラット
  • 人間→オーク

と思い込んでいましたが、当時のムービーでも賢者エイドスは人間であるのにオークではなく「げんじゅつし」に変身させられてましたし調べてみると戦闘中の技として使われた場合はこれらのモンスターからランダムで変化するようです。

 

オーガを含めモンスターに人の心を入れて種族としたという設定は年月を経て運営的に変更されたのかもしれませんし、そもそもがオーガに限った神話であり他の種族は無関係だったのかもしれません。その神話も不正確なものでガズバランの御業「戦の舞」の効用と偶然合致しただけのものなのかもしれません。

 

一つ面白かったのは、エルドナ神が種族創生で作った女の子は耳が長くとがるというエルフ族の特徴を有していましたがエルドナ神にもある背中の羽を持っていませんでした。

耳は尖っているが羽は無い

エルフの特徴をもった人物で背中に羽がないといえば六聖陣のひとりである星辰武王が居ます。もしかしたら星辰武王は原始的なエルフの肉体的特徴を生まれつきか修業の成果としてなのか受け継いだのかもしれません。

星辰武王には羽がない

エストでは竜族の創造に使われた設計図の石板が古フォーリオンで光っていました。

いまだ竜族の設計図しか石板に刻まれてはいないようでしたが現代のフォーリオンにはその由来は忘れ去られていましたが外郭に五枚設置されています。

ルティアナが生んだ種族神は七柱ですので、二種族分の設計図が行方不明となっている事になります。見比べてみると古フォーリオンの竜族の設計図と同じ石板は現代では外郭に設置されていないようです。

 

となると、竜族を除く六種族の内で設計図が設置されていない種族はどれかとなりますがそれは人間族かもしれません。

竜族の設計図が設置されていないのはおそらく、ナドラガ神が闇落ちし他の六種族神と戦いナドラガンドごと封印された経緯からその罰として竜族の石板も封印もしくは破壊された可能性があります。

古フォーリオンの外壁 竜族の設計図

そして人間族は、第二世代天使が元々とこしえの揺り籠を脱出した人間がルティアナによって変化させられた存在であることから新たに人間を作るための設計図を必要とされなかったのではないかと考えます。

 

設計図に何が書かれているかは解読できませんでしたが、エルドナ神が肉体は作れても心を持たせることが出来ていなかった事から設計図の最も重要な情報とは各種族の心についてなのかもしれません。

アストルティアに住む各種族はその見た目と共に精神性もそれぞれ違いそれは各大陸の歩んできた歴史によるところだけでなく種族神が予め設計した心が大きく影響しているのでしょう。

 

裏切りの天使はヘルヴェルで終わりか

主人公の四天の星巡りを妨害したり、悪神の火種をつかって神化の儀に工作を仕掛けた首謀者はユーライザが姉と慕った天使ヘルヴェルでした。

ヘルヴェル怖い…

ヘルヴェルは約300年ほど前、神代の遺構での作戦中に当時上司だった天使に突然襲われ真っ赤な石を飲まされた時から聖天舎への裏切り行為を密かに行い続け、自分がそうされたように部下の導きの天使アルビデにも石を飲ませて仲間に引き入れ悪神の火種を密かに作らせるなど暗躍していました。

 

これらの行為はヘルヴェルが望んで行なった訳ではなく、赤い石を飲まされたことによってジア・クトに汚染され気づかぬうちに思想や行動をジア・クトの利益になるように改変されてしまった結果でした。

ヘルヴェルは、ver.6.1でその正体を英雄フォステイルに見破られ神剣レクタリスによってジア・クトの汚染から解放されることになります。また、同じく汚染されていた天使アルビデはver.6.0でヘルヴェルによって暗殺されています。

 

ジア・クトから解放されたヘルヴェルはその後、ジア・クト念晶体のひとかけらジア・ルミナの母船への特攻でその命を散らせます。これによって、現在の天星郷にジア・クトに汚染された裏切りの天使はいなくなったのでしょうか。

 

裏切りの天使として明確に確認できる存在は四人

  1. 天使ヘルヴェル
  2. 天使アルビデ
  3. 300年前のヘルヴェルの元上司
  4. レオーネにジア・クトの洗礼を授けた導きの天使

1~3.については既に死亡が確認できますし、4.も天使の寿命から考えてすでに亡くなっているはずです。

 

ヘルヴェルに赤い石を飲ませた元上司は、正当防衛でヘルヴェルによって殺害されていますが、正当防衛が認められたという事は元上司に罪があったと判断されたという事でありその人物は「罪付き」となるはずです。ユーライザも罪付きと呼ばれており、罪付きは死んでも転生を許されないと聖天舎の特務室前に立つ天使ザイオーンから聞けた時期があるので元上司も死から300年たった現在も転生できてない可能性があります。

 

ユーライザの罪とは主人公と冥王ネルゲルの戦いにおいて主人公を助けたという地上に対する不介入の原則を破ったものでしたがこれと天使同士の殺人未遂が同程度の罪になるのかなどはわかりません。

 

ヘルヴェルやアルビデも既に死亡し彼女たちが他の天使をジア・クトに汚染させてなければ裏切りの天使はもういない事になりますが、4の導きの天使だけは考える必要がある気がします。

プールいきました?

彼はレオーネにジア・クトの洗礼を授けた後は天星郷に戻りレオーネの死に関する記録を改竄し少なくとも彼の行動に疑問を持たれる事なく天使として死を迎えているはずです。その行動に疑問を持たれたり罪付きとなってしまっていたならユーライザと同じく担当となった英雄にたいしても疑問の目を向けられるはずだからです。

 

ユーライザに導かれた主人公がまだ生者で、レオーネは既に死んでおり初代盟友という肩書がある事と単純な比較はできないかもしれませんが少なくともレオーネを英雄として資格が足りてないと考える天使は居ない様子です。

ジア・クトに汚染された存在、裏切りの天使のまま死を迎えた後その魂は汚染されたまま転生するのでしょうか。もし、転生するのならあの導きの天使の生まれ変わりがまだ天星郷のどこかにいるのかもしれません。

 

裏切りの天使が汚染されたまま転生出来たと仮定してそれが後のヘルヴェルの元上司なのではないかとも考えれますが、元上司はヘルヴェルを襲った際に返り討ちに会います。しかし汚染されたヘルヴェルは後にアルビデを仲間に引き入れています。これはジア・クトに汚染された天使は常に二人以上存在しようとしていたという事ではないでしょうか。

 

もし、ヘルヴェルが元上司を返り討ちにできなかった場合は二人でジア・クトの為の行動をしていたはずです。ヘルヴェルとアルビデのように。

裏切りの天使は二人のほうが怪しまれずに工作活動ができるでしょうしどちらかに万が一があったり寿命により転生を待つ状態であっても残る一人が活動を続けたり仲間を増やすこともできるはずです。

 

ヘルヴェルとアルビデが死亡した現在でもジア・クトに汚染された裏切りの天使がまだ天星郷に存在しているとしたらそれは誰なのか。

 

現在の処、それらしい人物はみあたりません。

ただ、それを探す上での何かしらのヒントはある気がしています。

 

紅い眼鏡

約3000年前、二代目勇者アジール戦死の責任をおしつけられ女王ゼーナピアによって処刑される初代勇者にして初代盟友であるレオーネの前に現れた導きの天使はジア・クトの洗礼をレオーネに授けますがその時、特徴的な見た目へと変身します。

両目が赤い結晶にかわり、その左目をレオーネに差し出し彼を仲間に引き入れますが、この赤い結晶はおそらくヘルヴェルが元上司に飲まされた、アルビデに飲ませたのと同じモノだと思われます。

 

導きの天使と同じくヘルヴェル自身や元上司も真っ赤な石を目から取り出したのかはわかりませんが真っ赤な石そして赤い目というものはジア・クトの洗礼と深く関係している事は理解でいます。

 

深淵の咎人、厭悪のルベランギスを倒すと手に入るアイテム「赤のラクリマ

ラクリマとはラテン語で涙を表す「lacrima」から来ており赤いラクリマとは赤い涙という意味だと考えられます。

深淵の咎人も元は天使であったのがジア・クトに汚染され堕天使となったのではないかという内容を以前かきましたが、咎人達の姿を図鑑でみてみると妄執のグリアンデは赤い瞳を持ち、厭悪のルベランギスは両手両足に赤い爪(人間の血で染めた)を持ち、絶念のアウルモッドは赤い宝石の首飾りを身に着けています。

 

関連する記事です

kyuroinu.hatenablog.com

 

赤い宝石・赤い目というものが堕天使の象徴となっているのかもしれません。

 

余談ですがラクリマという品種のブドウがイタリアで栽培されているようです。

ぶどうの果実の形が涙型である事や果実の皮が薄く果汁がしたたり落ちる様が涙を流しているように見えるからだそうです。

キリスト教ではブドウは他の果実と同様「祝福であり呪い」でもあり「祝福、安全、迫りくる審判」の象徴とされ、ブドウの木はイスラエルの民の象徴ともされているようです。祝福であり呪い、迫りくる審判という部分だけを取り出してみると星々を侵略し天使たちを汚染するジア・クトの所業・独善的な行動原理と重なる部分を感じてしまいます。

 

赤い宝石の目を持つ天使がジア・クトに汚染されている事の証と仮定するとちょっと気になるものがあります。

 

それは、天使長ミトラーの紅い眼鏡です。

初登場時から大きな赤い眼鏡が印象的なミトラーでしたがなぜそのような眼鏡をかけているのかの理由はまだわかりません。

もし、ミトラーがジア・クトに汚染されているとして現在までそれらしき行動は見られませんし現在まで積極的に天星郷の防衛やジア・クト対策の先頭に立っているようですが、ver.6のオープニングムービーをみているとフォーリオンでアシュレイと共に歩くヘルヴェルとすれ違いヘルヴェルから一礼されると振り返り眼鏡に指で触れると紅い眼鏡が輝くシーンがあります。

まさか…ないよね?

ヘルヴェルが聖天舎を裏切っていたことを知った現在観返すと、もしかすると二人でなにかしらの目配せがあったのではないかと勘繰ってしまいます。

 

天使長ミトラーがジア・クトに汚染され裏切りの天使となっているというのはさすがに考え過ぎでしょうか。

紅い眼鏡に関してはver.6.3で登場した魔眼の月、万象の王を自称するジア・レド・ゲノスをみて、2007年に放送されたアニメ天元突破グレンラガンに登場するアンチ=スパイラルを思い出したので、天使長ミトラーの紅い眼鏡や口調などは同じく天元突破グレンラガンの登場人物カミナへのオマージュなのかなとも考えています。

 

紅い眼鏡の天使といえば他にも聖天舎のモーモリーがミトラーと同じ眼鏡をかけています。浄罪の泉のスパエルの眼鏡も赤く、天使長の部屋の前に立つラクレスのマスクの目の部分も赤くなっていますがこの三名も現状ジア・クトとの関りは見えません。

ラクレスの目の部分は赤いメッシュ

 

最後に

今回はver.6.4クリアまでに感じた天使たちへの疑問や新たに判明した事など関して自分の考えを書いてみました。

 

ジア・クトに汚染された天使がまだ存在しているとしてそれが天使長ミトラーであるというのは可能性としては低いでしょうがずっと気になっていた紅い眼鏡とレオーネの前に現れた導きの天使が結びついてしまいました。

今後、ver.6.5前期後期でも何かしら今まで見過ごしていたような展開や発見などがあればと期待しています。

 

この他にも、天星郷の本棚で0~4まで確認できる「名もなき天使」が書いた本も気になりますが著者が自分を下級天使だと書いてることから聖天舎に所属する審判の天使などは著者の候補から外れる事と主人公の事を新たなる異界滅神なのではないかと書いてることから現在ではどこまで重要視していいか判断しかねるところもあり今回は省きました。

 

もうすぐver.6.5ですがジア・クトとの決戦に向けてどのような展開があるか楽しみにしています。

紅い眼鏡 1995年夏、人々は溶けかかったアスファルトに己が刻印を足跡しつつ歩いていた…

今回はここまで。

 

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災厄の王ってもしかして?

現在ver.6.4のストーリー最中ですが6.3のムービーをみかえしていて気になる部分がありました。今回は、神話篇で登場した災厄の王の魔物化する前の帝王とは何者だったのか、前回の記事で書いたジア・クトと錬金術の関りなどについて個人的な妄想を急に思いついたので書いてみたいと思います。

以下ネタバレを含みます!

 

災厄の王って元は…

ver.6.3序盤において魔窟アラモンドに滞在していたミトラーが天使長として復帰する展開があります。これは、今まで世界を守る役目を代々受け継がれてきた使命だからとどこか他人事だったミトラーが自分を慕うピコや魔窟アラモンドの面々との出会いによってアストルティアを守る意義を見いだしその重責の恐怖を克服するという話ですが、この一連の展開でミトラーは「帝王」と呼ばれています。

アストルティアを去るときも帝王コールの中で天星郷へ帰還していきますが、それを観ていて帝王という呼び名に反応してしまいました。

 

DQⅩにおいて帝王と聞くと思い浮かべる存在があります。

 

それは神話篇で登場する「災厄の王」の魔物化する以前の存在です。

災厄の王の豆知識によると「理性を失う前は帝王としてアストルティア守っていた」とあります。古代世界でアストルティアを守っていた英雄とは誰なのでしょうか。

※一般的に帝王という呼び名は、複数の政体(国家の統治権の運用に関する方式)を束ね、命令権を持つ君主に対して使われます。

 

神話時代末期、初代勇者登場の頃から現在に至るまでアストルティアに複数の大陸を支配した国家が存在したとは現在確認されていません。かつて、ドワチャッカ大陸ではウルベア地下帝国など帝国を自称した国家は存在しましたがそれでも支配地域はドワチャッカ大陸内に止まってたと考えられます。

アストルティア全体を守護するような存在で各国や各種族に対して命令権を持つとすると帝王とはどんな存在だったのか。

 

帝王とは天使だったのではないでしょうか。

天使が帝王?

なぜ古代世界で天使が帝王と呼ばれたのか。

天星郷には地上に対しては原則不介入という決まりがあるようですが、実際にミトラーユーライザティアン(クエストNO.712)のようにその決まりを破ってしまったり天使という事実を隠す気もない者たちも存在します。

現在では、片翼になっているものの羽を隠すこともなく平然と行動していた天使長ミトラーが帝王(流星の帝王)と呼ばれていました。

 

ミトラーと事情は異なるとしても古代世界で一人の天使が地上を観察してるうちに思い入れをしてしまったのか、何かしら事故か天星郷を追放されたのか地上に住み着いた天使がアストルティアを守るための活動をし、その結果人々から「帝王」とよばれたのかもしれません。各種族がそれぞれの住む大陸で独立した歴史と文化を育んできたアストルティアにおいて天使の様な皆が自分たちより上位の存在と思えてしまうような存在でなければ帝王などと呼ばれることはないのではないでしょうか。

 

災厄の王はアストルティアを守護していた帝王が大いなる闇の根源によって変貌させられた存在ですが、その元が天使であったからこそ地上世界への不介入を原則としていた天星郷も放置できず聖竜グレナイルと初代時の王者を使わしたと考えます。

 

初代時の王者とパニガルム

聖竜グレイナルはとこしえの揺り籠からの旅を護衛していたことが古フォーリオンでナドラガ神から語られますが、グレイナルに出会う事はできませんでした。神話時代には危機に備えて肉体を源世庫パニガルムに保管されていたのかもしれません。

 

古フォーリオンでペネメイから源世庫パニガルムには「とこしえの揺り籠を守護した実績のある精霊や人間も保管されている」と聞けることから、星空の守り人ともよばれ白星剣を世告げの姫に残した初代時の王者がDQⅨの主人公であるならば、女神の果実を食べ人間となった後はパニガルムに保管されてところを災厄の王を倒すため天使として復活させられグレイナルと共に地上へ遣わされたのでしょう。

 

現在のフォーリオンでは「とある世界から持ち出した過去の遺物の保管庫」と説明される源世庫パニガルムですが、古フォーリオンでは「とこしえの揺り籠を旅立つ際様々な動植物を保存し運んできた」とより具体的に生命を保存してきたことが説明されます。

仮死状態的に運ばれてきた生命が内部で発生した混沌により独自の生態系を産みだしてしまったものを管理している事からもおそらくパニガルムとは、

ハニカム構造(honeycomb structure)+ガルム(Garm)の造語だと考えられます。

フォーリオン下層に存在する源世庫パニガルム

ハニカム構造とはミツバチの巣にみられるような、正六角柱を隙間なく並べることにより強度を保つ構造です。

そして、ハチミツ(honeyは古代世界では小アジアアナトリア半島)などで死体の防腐処理としてハチミツの入った埋葬用の壺の中に死体を収めた事から転じて、ギリシア神話では人類最初の女性とも言われるパンドーラー(元々は地母神・豊穣の女神だった説もあり)の子宮とも考えられたことからハチミツは豊穣の女神としてのパンドーラーのチカラが宿る復活の象徴とされていたという説があります。

ギリシア神話に出てくるパンドラの箱のパンドラとはこのパンドーラーの事であり、箱は元々はギリシア語でパンドーラーの壺であったものが後の世にラテン語に翻訳された時に誤訳でパンドラの箱になったとの説があります。

 

そして、ガルム(Garm)北欧神話の冥界ヘルヘイムの番犬であり冥界へ近づこうとするもの、冥界から逃げ出そうとするものを見張るとされています。

 

死者をいつの日か復活できるように保存するとともにそれが外部に抜け出すこと、何者かが入り込むことを阻むための構造物がパニガルムであり、このシステムはその後転生の園へ発展し天使たちが生まれ変わるために使われたのかもしれません。

 

異界滅神ジャゴヌバの襲来以来アストルティアの危機は何度もあったようです。

大魔王の侵攻はレンダーシア大陸に限定されているようですがそれ以外でも1000年前の魔人族ストレザーテの襲来(ガーディアンクエスト)や偽りの太陽レイダメテスが世界を焼くなど幾度も危機がありましたが天使が直接討伐に乗り出す事はありませんでした。破界篇の破魂の審判については天使が関係してますがそれは偽レンダーシアという創造主を失い不安定化した世界についての話なので例外的なのかもしれません。

 

災厄の王が大いなる闇の根源と関わった存在でその力が強大であったからとしても天使と聖竜グレイナルをパニガルムから復活させてまで送り込んだとするとそこにはどうしても天星郷が討伐しなくてはいけない理由があり、それは災厄の王が元々は天使でありその責任をとるためだったのではないかと思えてしまいます

そして、光の河に封印することが出来たので世告げの巫女に白星剣を授けアストルティアの民でも時の王者になれる体制を構築したのかもしれません。

 

二代目は失敗しますが…。

失敗しちゃった二代目

とこしえの揺り籠はDQⅨの世界であり、創生の女神ルティアナとは女神セレシアの事であるという説を個人的には支持していますので源世庫パニガルムにはエルギオスだけでなく光の竜グレイナルと対をなす闇の竜バルボロスや天使イザヤールの肉体や魂も保管されているのではないかと期待してしまいます。

 

深淵の咎人との共通点

災厄の王と深淵の咎人には共通点があります。

それは双方とも光の河に封印されていた存在ですが、封印のチカラが弱まった事で復活し地上に幻影を送りだしたのが災厄の王であり、ルティアナの復活と消失によって生じた揺らぎによって封印から抜け出し出現するのではないかと聖天舎に警戒されているのが深淵の咎人です。

 

深淵の咎人を図鑑でみてみると、

1.妄執のグリアンデ

  • 神々の時代天星郷に仇なし封印された存在
  • 神々に軽んじられたと逆恨みし

2.厭悪のルベランギス

  • 人間はつまらない存在であり神に愛される価値など無い
  • 人間の命を奪うのが生きがい

3.絶念のアウルモッド

  • 人間という種族を愛す一方天使こそが高慢で無知蒙昧存在と悟り
  • 禍々しき双角の橙色の輝きは美しかった姿の名残か。かつての志の高さか。

明らかに神や天使と深い関わりがあるようです。

山羊頭はバフォメットから?

神々とはおそらく女神ルティアナやその子である七柱の種族神のことでしょう。

深淵の咎人は少なくとも神話時代、ナドラガ神が六柱の妹弟と争い神々が肉体を失ってしまうより前に存在し封印されたことがわかります。

ルベランギスとアウルモッドは正反対であっても人間に対する感情が強く、なぜ人間族に対してだけなのかなどはわかりませんが神々を恨み人間や天使を排除しようとする考えとその姿から深淵の咎人は堕天使なのではないかと思えてきます。

 

妄執のグリアンデはその見た目が蝙蝠に似ていますが、キリスト教文化圏では蝙蝠=悪魔のイメージを持たれています。絶念のアウルモッドも見た目からバフォメット(山羊の頭を持つ悪魔)が基になっているでしょう。

厭悪のルベランギスは猛禽類のような見た目ですが、中世以降のキリスト教宗教画では天使は猛禽類の羽をもつ姿で描かれている事があるなどから元は天使であったのではないかと考えられますが、現在天星郷に暮らす天使たちの羽は猛禽類よりは白鳥の羽に似ています。

 

これはDQⅩにおける天使は英雄の死後その魂を天界に導くという使命を持つことから北欧神話のヴァルキュリヤが基になっている面があり、北欧神話のエッダ(Edda)と呼ばれる文書群の中の一部にはヴァルキュリヤは白鳥の衣をまとって地上に降りてくるといった白鳥のイメージと結びついている事も影響していると考えられます。

 

本来、堕天使=悪魔ではないようですが一般的には混同する部分もあります。

深淵の咎人が元々は神話時代の天使であったとして、それがモンスター化してしまった理由はジア・クトが絡んでいるのでしょうか。

 

独善的な考えで神々や人間に敵対する姿勢は悪神化した英雄たちにも似ています。英雄たちは悪神の火種によって変化してしまいますが、その悪神の火種もジア・クトの結晶から作られたものです。

元々はジア・クトのひとかけらだった異界滅神ジャゴヌバ(ジア・グオヌバ)によってモンスター化させられた災厄の王も同じく光の河に封印されていたことを考えると災厄の王も元は天使であった可能性が高くなってきたように思えます。

 

深淵の咎人を監視する役目の天使ミレリーは「光の河のもっと深い領域には深淵の咎人たちがいる。」と語ります。神々に背いた天使は光の河内部に封印するといのが神話時代からのやり方なのかもしれません。

 

深淵と錬金術・進化

深淵の咎人の「深淵」とは深く水が淀んだ場所や奈落(地獄)を指し、英語の「abyss(アビス)」に対応する言葉のようです。

本来は古代エジプトの一部で信仰対象として成育された聖なる牛をアビスと呼んだことに由来し、この聖なる牛は創造神の化身と考えられた事から転じたのか悪魔や魔女について研究をする悪魔学と呼ばれる分野の中ではアビスとは「進化の終着点」であり人間が最後に行きつく未来を表すという考えもあるようです。

 

深淵・進化をドラクエの世界で結びつけて考えてみると進化の秘法を生み出した地獄の帝王エスタークを一番に思い出します。

地獄の帝王エスターク

地獄の帝王と進化の秘法、錬金術とジア・クト、時の放浪者キュレクスについて何か関りがあるのではないかという内容の記事を前回書きました。それに対する新しい発見などはありませんがDQⅣで初登場した地獄の帝王エスタークと見た目が似ている災厄の王の存在も考えると同じく光の河に封印されていた災厄の王と深淵の咎人は、進化の秘法・進化の終着点としての深淵という繋がりを感じてしまいます。

この繋がりからも双方とも元は同じ存在だったのではとなり深淵の咎人が堕天使であったのなら災厄の王も元は天使だったのではと考えてしまいます。

 

前回の記事です。

kyuroinu.hatenablog.com

 

ジア・クトによる肉体の変化・進化の例として悪神と化した英雄たち、ジア・クトのひとかけらにまでなってしまった英雄レオーネのほかにももう一人存在しています。

 

エストNO.715「世紀の発見」をクリアするとパルミオ博士とペコリア婦人の間に生まれてくるプクラスです。

プクラスはペコリアが妊娠中にパルミオ博士が研究していたジア・クトの結晶の影響を受け体調が変化しペコリアのお腹の毛が虹色になるなどした末に生まれてきます。

プクラスは生まれてすぐに言葉を理解し話す事ができるなど成長の速度が速いようですがこれらはジア・クトのチカラが影響している可能性が高いでしょう。

赤ちゃんだけどデバリポより頭がいい

ジア・クトの結晶が胎児に影響し通常より早い成長速度となったのか、より進化した生命体として生まれてきたのかはまだ謎ですが生まれながらにアストルティアに生きる七種族とジア・クトのハイブリッドという初めての存在がプクラスなのかもしれません。

 

最後に

災厄の王は古代に天使が大いなる闇の根源によって魔物化させられてしまったので源世庫パニガルムから星空の守り人と聖竜グレイナルが送り込まれたのではないかとの考えを書きましたが、現在それを確定させるような情報はありません。

元々は、ミトラーに対して「帝王」と連呼する場面から長く疑問だった災厄の王の魔物化するまえの帝王とはどんな存在だっのか、帝王というからには帝国の君主だったのかなどにたいする少しでも回答が提示されているのではと考えたのがきっかけです。

 

災厄の王から分離した理性も人間の少年の姿ではありますが天使の羽や光輪もありません。豆知識と設定資料の集創世記では帝王とありますが、同じく公式設定資料集である秘聞録では「世界に平和を築こうとした英雄」と帝王の部分が削除されてしまっています。

 

神話篇も元々期間限定のクエストであった事から必ずしも本編と関わらない可能性もあるのかとは考えていましたがver.6で二代目時の王者ハクオウが登場した事から今後明らかになるのではと期待もしています。

理性です

今回はここまで

 

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ジア・クトと古代エテーネ・錬金術に関してとりあえず

ver.6.4直前でありますが、以前から頻繁に登場し重要な役割を持ちながら全貌がいまいちわからない錬金術錬金術が栄えた古代エテーネ王国と現在アストルティアへ全面攻勢を開始しようとしていジア・クト念晶体には何かしらの関りがあるのではないかと考えています。

そこで、今疑問に思っている事は簡単にメモ代わりに書いてみたいと思います。

以下、ネタバレを含みます!

 

古代エテーネ王国の歴史

古代エテーネ王国はレンダーシア大陸の内海、大エテーネ島を中心に時見の能力と錬金術を駆使し栄えた王国でした。

その勢力は大エテーネ島以外にも及んでいたと推測され、レンダーシア大陸外の人間族以外の五種族からの移住者や海洋都市リンジャハルとの交易も盛んだったようです。

 

古代エテーネ王国の始まりは、今から約5700年前大エテーネ島に住むマデ氏族の若者レトリウスが出合った、放浪者キュレクスとケミル氏族の族長の息子ユマテルが深い絆で結ばれ、島の各氏族を統合し建国に至ったというものです。

 

そこから727年ほど繁栄しますが、突然の滅亡を迎えてしまします。

その経緯や滅びの運命が回避されてしまった現在についてはver.4で語られますが今回は省略します。

 

建国王レトリウスは、美しいアイスブルーの瞳を持つ女性であった事がエストNO.588「えにし紡いで」で語られることからレトリウス本人もしくはマデ氏族に初代勇者・盟友の血筋が流れているではないかとの考えもあります。

現に、現在の盟友である主人公は古代エテーネ王国第49代国王ドミネウスの弟パドレの子供であり王族の血を引いています。

そして、ドミネウス自身とその子であるメレアーデとクオードもアイスブルーの瞳を持っています。

 

時見と錬金術

古代エテーネ王国の繁栄を支えた二つの技術、「時見」錬金術ですが、それぞれ放浪者キュレクスユマテルの出身ケミル族に由来します。

 

放浪者キュレクスの正体は異界から来訪した異世界生命体でした。

レトリウスが病に倒れた時、それを癒すためキュレクスがレトリウスの肉体時間を戻そうとしたチカラの副作用でレトリウスの肉体に宿ったのが時渡りの能力でした。

その能力は不完全ではありつつもレトリウスの子孫たちに受け継がれ、時渡りの能力とキュレクスの助力があって時見を行うことでエテーネ王国に降りかかる災いを回避していたのです。

キュレクス(本物)

キュレクスが協力的ではなくなった後の時代には第十五代ギリウスによって力を奪われ時見の箱が作られます。

ギリウス以降の王たちはこの時見の箱を利用して時見を行いますがその事がエテーネ王国の滅亡へと繋がっていきました。

 

ユマテルはケミル族族長の息子でありケミル族自体が錬金術の使い手でしたが、ユマテルはその中でも天才的な錬金術師であったようです。

ユマテル

エテーネ王国の錬金術による繁栄は彼による功績が大きく、レトリウスとも恋仲でありユマテルが生んだ第二代国王オルクスの父親なのではないかとも考えられます。

実際、レトリウス亡き後ユマテルはオルクスの後見人として彼の治世を支えます。

 

錬金術の正体とは?

錬金術自体はドラクエ世界においては頻繁に登場しますがその正体はよくはわかっていません。錬金釜に二つ以上の素材を入れてアイテムや武器防具を錬成したりカラーリングしたりと生活を豊かにするために使われる側面もある一方で、恐ろしい側面も持ち合わせています。

 

それは、錬金術による肉体の変化です。

代表例は、ドラクエに登場する地獄の帝王エスタークが生み出した「進化の秘法」です。進化の秘法は進化の過程を無視し肉体を変質させてしまい強力な能力を手に入れさせてしまうという恐ろしい錬金術です。

ドラクエⅣにおいて進化の秘法関連の話で登場する錬金術バルザックドラクエⅩの世界にも登場し60年前の世界において主人公の姉妹兄弟と対決すると同時に主人公のエテーネ村での育ての親の祖父であった事も後に判明します。

 

この様に、恐ろしい怪物を生み出してしまう側面を持つ錬金術と似た性質を持つものがもう一つ存在します。

 

それは「魔瘴」です。

 

魔障はアストルティアに来訪した異界滅神ジャゴヌバを女神ルティアナに仕える賢者たちが封印しようとしたところジャゴヌバから放出され始めたものでした。

この魔瘴に汚染されアストルティアから切り離された大地が魔界となり、その魔界で魔瘴に適応出来た者が魔族となっていきました。

ジャゴヌバ

魔族はアストルティアに住む他の種族よりも長寿で高い能力をもっています。

そしてドルワーム王国の資料によれば「魔物が触れるとその力が何倍にも…」と書かれているように魔瘴を取り込んだ魔族は肉体を変出させます。

ある意味、魔族とは魔瘴により進化した生命といえるのかもしれません。

 

特に異界滅神ジャゴヌバのチカラを借り受けた、冥王ネルゲル大魔王マデサゴーラなどが肉体を変出させる姿を我々は目撃しています。

さらに、災厄の王は世界を守護した帝王がジャゴヌバによって変貌させられた存在ですがその姿は、進化の秘法を作り出したエスタークに似ています。

 

このように、錬金術の暗黒の側面と異界滅神ジャゴヌバが発生源となった魔瘴との類似点は偶然なのでしょうか。

そして、異界滅神に由来する魔瘴と似た作用を持つ錬金術によって繁栄した古代エテーネ王国とは、ケミル族とは何だったのでしょうか。

 

錬金術の始まりはいつだったのか、術はとこしえの揺り籠から持ち込まれたのか、とこしえの揺り籠はドラクエⅨの世界だったのかなど不明な点が多くあります。

 

ジア・クトと放浪者キュレクス

魔障の発生源となったジャゴヌバはver.6.3においてその正体はジア・クト念晶体のひとかけらであり真の名は「ジア・グオヌバ」であると明かされます。

異界滅神の一族=ジア・クトであるとなりました。

 

ジア・クトはアストルティアへ宇宙空間を航行してやって来たわけではないようです。

ジア・クトは「異なる世界の境界をも乗り越える」と語られることから目的地の座標が判明すればそこへ直接空間や次元を飛び越えて辿り着くことが出来ると思われます。

 

異なる世界から来訪した存在と聞くともう一人思い出す人物が居ます。

そう、放浪者キュレクスです。

※天魔クァバルナも摩天より飛来していますが、それが宇宙空間を移動してきたのか異世界より飛来したのかは判明していません。

 

キュレクスは異世界より来訪し行き倒れていたところをレトリウスに助けられ、それが縁で親友となります。

行き倒れキュレクス

なぜ、キュレクスはなぜアストルティアへ来たのか、そして大エテーネ島に居たのか、大エテーネ島にはジア・クト念晶体のひとかけらジア・グオヌバが生み出した魔瘴と似た作用を可能とする錬金術を扱う一族が居たのは偶然かとの疑問が生まれます。

 

キュレクスがアストルティア・大エテーネ島へ来訪したのは何かしらの目的をもって異世界から逃亡して来たのではないでしょうか。逃亡してきたからこそ行き倒れになり、そこをレトリウスに助けられた可能性はないでしょうか。

 

何者から逃げたとしてそれはジア・クトからなのか、そしてアストルティアへきたのは偶然なのかそれとも錬金術に関わっているのか、関わっていたとしてそれはジア・クトを知るためまたは対抗する為という可能性があるのではと妄想してしまします。

 

次にそう妄想してしまういくつかの要素を書いてみます

 

マデ島遺跡とジア・クトの結晶

前述した、ジア・クトと放浪者キュレクスの共通点である異世界へ移動できる力の他にも、大エテーネ島には何かジア・クトとの類似性があるように思えています。

 

1.とこしえの虹

とこしえの虹は職人用の素材ですがモンスタードロップ以外で現在入手場所として表記されているのは大エテーネ島のティプローネ高地だけです。

ティプローネ高地 星ふる谷

これはフレンドがTwitterに上げたスクショをみて改めて確信しましたがその色・形状をみればver.6.2以降であればジア・クトの結晶と酷似しています。

もしよければ、バザーなどで確認していただければよくわかります。

 

ティプローネ高地には「星落ちる谷」といわれる場所があり常に空は暗く流れ星を観測できます。周りには流れ星が落ちたのではないかとないかと思われる地面に突き刺さった鉱石が存在し特殊な錬金素材なども手に入れれるようです。

 

ジア・クトの結晶と酷似したとこしえの虹が採取できるこの場所はかつてジア・クトが襲来した場所なのか、またはキュレクスが来訪した時に何らかの理由で持ち込まれたのでしょうか。

 

2.マデ神殿の壁

マデ神殿は古代エテーネ王国の古い都でしたが、キィンベルに遷都してからは王族以外立ち入り禁止とし、キュレクスを幽閉するために使われていました。

 

その壁には文字とも紋様ともわからないレリーフが彫られています。

その紋様の意味や規則性は理解できませんが、ver.6のOPムービーで主人公の顔面に当たりパルミオ博士に回収される結晶をみた時からマデ神殿の壁のレリーフと似ているのではないかと考えていました。

ジア・クトの結晶

マデ神殿

ジア・クトの結晶

マデ神殿

両方の写真を見比べると同じとは言えないかもしれませんがそれでも似ているように思えてしまいます。このレリーフはマデ氏族やケミル氏族に由来するものなのか、キュレクスの世界から来たものなのかでも違いがあるでしょう。

 

最後に

今回は今疑問に思ってることを書いてみたので結論らしいものはありません。

ジア・クトと古代エテーネ王国・錬金術に何かしらの関りがあるのではないかと想像していますが今後それらが明らかになることがあればと期待しています。

 

ジア・クトの名前の由来は、the act=行為・法令 なのではないかと考えています。

ジア・クトは一方的な侵略で、かなり独善的な考えを持っているようです。

「ジア・クトの 洗礼を受け入れよ。

世界を変えるのだ。人類を!文明を!

進化の階梯へと 引き上げるのだ。」

この台詞はジア・クトに浸蝕された導きの天使がレオーネへの勧誘時のものですが、この言葉にジア・クトの本音が入っているとするなら侵略した世界を強制的に進化させる事こそが真の目的であり、それ故ジャゴヌバは魔瘴を吐き出したとすると生命を強制的に進化させることも可能な錬金術との関係がより気になってしまします。

とこしえの虹金策はじめました 砕けろ!

今回はここまで

双子の勇者とその子孫 まだ残る盟友の謎

ver.6.2と6.3を駆け足ですがクリアすることが出来ました

天星郷と英雄たちをめぐる物語は急展開をみせますが、双子の勇者アシュレイとレオーネの過去についても判明していきます。そこで明らかになった勇者と盟友をめぐる新事実と6.3を終えた時点で新たに浮かび上がった疑問について個人的な考えを書いてみたいと思います。

以下、ver.6.3までのネタバレを含みます

 

双子の勇者

初代勇者アシュレイと初代盟友レオーネの双子は悪神と化してしまいましたが、彼らの心域を巡る中で二人はどちらも勇者であり盟友という概念は当時には存在しなかったことが判明します。

 

大魔王ゴダとの戦いで石化した(真犯人はゴダではなくともに戦った仲間であり後のアシュレイの妃となる巫女ダフィア)レオーネと彼が養子として出されたレビュール族の権威を落とすため勇者称号をはく奪しようとする政治的企ての中でアシュレイがせめてレオーネの名が歴史に残るようにと考えたのが勇者に付き従う存在としての盟友レオーネでした。

 

勇者と盟友の関係についてはver.5.3当時から何度か自分なりの予想を書きましたが大まかにですが当たっていたようです。

 

過去に書いた記事です

kyuroinu.hatenablog.com

 

kyuroinu.hatenablog.com

 

レオーネが本格的に盟友として活動するのは石化されてから数千年先、神聖ゼドラ王国の王子である二代目勇者アジールの時代でした。

アジールの強い想いに反応したのかレオーネの石化の呪いは解け復活を果たしますが歴史的に自らが盟友として扱われていた事に衝撃を受けたもののアジールのためにそれを受け入れ二代目勇者アジールの盟友として彼を鍛え上げ大魔王ヴァルザードとの戦いに挑みますがその戦いでアジールは命を落とす事になります。

 

女王ゼーナピアによりアジール死亡の責任を押し付けられ処刑場へ送られたレオーネはそこでジア・クトに浸蝕された導きの天使からの勧誘を受けその計画に乗る事を決めます。

変な顔

レオーネはここで命を終える事になるので盟友の血筋は一旦絶えたように思われますが後の時代にも盟友はカミルと主人公と生まれてきます。

では、本来勇者と同じ親を持ち同じく勇者であったはずの盟友はどこから生まれてくるのでしょうか。

 

勇者と盟友の血筋

初代勇者アシュレイは神聖ゼドラ王国を建国しその血筋は現在のグランゼドーラ王国にまで受け継がれています。

 

①.現在に至るまでの勇者は全員アシュレイの血筋から誕生しています。

  • 二代目勇者アジール(神聖ゼドラ王国王子)→大魔王と相打ち
  • 三代目勇者アルヴァン(グランゼドーラ王国王子)→大魔王討伐後自らを封印
  • 四代目勇者アンルシア(グランゼドーラ王国王女)

アジールがアシュレイの子孫である事はver.6.2でレオーネが処刑される場面で女王ゼーナピアによって言及されています。

アジールは少年時代に亡くなっている事から子孫が居たとは考えにくいですが、王家の血筋自体は絶える事なく神聖ゼドラ王国の後継国であるグランゼドーラ王国の王家へ受け継がれているようです。

 

三代目勇者アルヴァンも大魔王ネロドス討伐後に若くして亡くなっており婚約者ヴェスタリア姫や想い人であった盟友カミルとの間にも子供が生まれていたとは考えにくいのですが、アルヴァンには妹フィリアが居ます。勇者が生まれてくるのは初代勇者アシュレイの血を引く王家からである事には変わりはないようです。

 

アシュレイの特徴であるアイスブルーの瞳はアジール、アンルシアに受け継がれていますがアルヴァンとその妹フェリナ姫には受け継がれていません。

外見として強調されていますがアイスブルーの瞳が勇者の象徴というわけではないようです。

カミルはアイスブルー、アルヴァンは違う青系色

では、本来アシュレイと同じ勇者として生まれた初代盟友レオーネ以降の盟友はどこから誕生してきたのでしょうか。

 

②.初代盟友レオーネは実際には初代勇者のひとりでしたが

  • 二代目盟友レオーネ(アジールの時代に石化から復活)→戦後処刑される
  • 三代目盟友カミル(出自不明、辺境の国出身?)→アルヴァンの後を追い消息不明
  • 四代目盟友主人公(5000年前の古代エテーネ王国王族が時渡りで現代へ)

 

盟友の出自に一貫性は無いように見えますが、レオーネが実際は勇者である事、二代目勇者アジールの時代にはレオーネが復活しこの時代限定の盟友が登場していない事、三代目カミルはレオーネと同じアイスブルーの瞳を持っている事を合わせて考えると盟友もまた同じ勇者の血筋から生まれてくると考える方が自然なように思われます。

 

ドラゴンクエスト貴種流離譚の要素が強いことも考えるとより一層自然だと考えます

貴種流離譚(きしゅりゅうりたん)とは神話などにみられる物語の類型の一種であり、若き神や英雄、王族などが不遇の扱いを受け各地を旅し試練を乗り越えることで成長し栄誉を受けるという物語の原型となる概念です。

 

盟友も同じく双子の勇者の血筋から生まれてくると仮定するとカミルと主人公は何故勇者の血筋にあるのかという問題が出てきます。

心域内でレオーネに子供が居たという話は聞けません。

 

そもそもアシュレイとレオーネは双子であり同じ親を持って生まれた勇者であり勇者と盟友などという役割はなかった事を考えると、カミル以降の盟友がレオーネの子孫からのみ登場すると限っているのでしょうか。

 

勇者システムとは大魔王級の存在が魔界から光の河を超えてアストルティアに侵攻しようとすると自動的に勇者が特定の血筋から生まれてくるものであることから、必ずしも盟友(二人目の勇者)はレオーネの子孫から出る必要がない可能性すらあります。

アシュレイの子孫から勇者と盟友の両方が誕生する可能性もあると考えます。

 

では、レオーネに子孫は居たのかを考えてみたいと思います。

 

 

レオーネに子孫は居たのか

数千年の間、石化していたレオーネが復活を遂げたのは二代目勇者アジールの時代でした。アジールの顔つきアイスブルーの瞳や髪色などからアシュレイの子孫である事がうかがえます。

アジールは幼いころのアシュレイ・レオーネにそっくり

石化されるより以前、ゴダ討伐戦前にレオーネに子供がいた場合その子孫の家系が今から約1000年前の三代目盟友カミルまで続いた可能性はありますが、その場合二代目勇者アジールの時代にその子孫は何をしていたのか、盟友(もう一人の勇者)として覚醒すべき者が生まれていなかったのかという疑問が生じます。

 

また、ゴダ討伐前にレオーネに妻や子がいた場合それをダフィアが許したのかと考えると恐ろしい結論になってしまいそうです。御し易いという理由でアシュレイを選びレオーネを石化させたダフィアがレオーネの妻子を許す理由はなく必ず亡き者にしようとするでしょう。

そう考えるとゴダ討伐より前にレオーネに子孫が居たとは考えにくいかもしれません。

 

勇者とは大魔王のアストルティア侵攻を感知すると自動的にそれに対抗するために生まれて来る存在であることから、この時代もアジールが生まれるに前後して盟友(もうひとりの勇者)が生まれていた可能性があります。実際にその後、三代目勇者アルヴァンの時代にはカミルが、四代目勇者アンルシアの時代には主人公が存在してます。

 

アジールの時代に盟友が生まれていなかったとすると、その理由はこの時代にレオーネの子孫は存在していないため、二回目の大魔王襲来には石化していたレオーネが復活する事が決まっていた可能性があるからではないでしょうか。

 

そうなると、レオーネが死亡した後の世に誕生した盟友カミルはレオーネの子孫である可能性はないでしょうか。二代目アジールの時代には存在していなかったレオーネの子孫が今から1000年前の時代にはカミルとして存在していたという事はレオーネが復活し処刑されるまでの期間に子孫を残していたという事になります。

 

勇者アジールと盟友レオーネ、さらに賢者ワルスタットの旅はレンダーシア大陸各地に赴いたと考えられますが、一か所ここではないかと特定できる場所があります。

それは、死せる結晶の荒野の結晶の塔内でレオーネに見せられた過去の回想「厳しい修行の日々」の背景の地形や植物から現在の小エテーネ島の名もなき草原だとわかります。

修業はしないが休憩だけはするデバリポ

この時期の小エテーネ島名もなき草原には約5000年前に滅亡した古代エテーネ王国から脱出できた人々がエテーネ村をつくり2000年ほど生活していたはずです。

名もなき草原に立ち寄っていた時期があるなら、そこでエテーネ村の人々と交流があってもおかしくはありません。その交流の中で、レオーネにも短い期間ではあっても愛する人ができその女性との間に子供を授かったのではないでしょうか。

 

もしかすると、レオーネは愛する女性が子供を身ごもった事を知らぬまま亡くなった可能性もあるかもしれません。

レオーネが知らずとも彼の血を受け継いだ子供が生まれ三代目盟友カミルまで繋がったとしたほうが苦しい人生を送った彼に対するせめての救いになるのではないかと考えてしまいます。

 

レオーネの血筋がカミルまで繋がったと仮定しても、主人公である四代目盟友のルーツに関しては謎が残ります。

主人公は、約5000年前に古代エテーネ王国の王族パドレメローネの間に生まれた赤子が時渡りによって現在のエテーネ村に流れ着きそこでアーヴエムリヤに育てられた経緯があり、生まれた時期だけであれば二代目勇者アジールの時代よりも2000年近く前となります。

 

勇者と盟友の系譜を生まれた時期だけで考えると

1.初代勇者アシュレイ・初代勇者&初代兼二代目盟友レオーネ(神話時代末期)

  ↓

2.四代目盟友主人公(約5000年前)

  ↓

3.二代目勇者アジール(約3000年前)

  ↓

4.三代目勇者アルヴァン・三代目盟友カミル(約1000年前)

  ↓

5.四代目勇者アンルシア(現在)

 

と、なります。なぜこのような順番になってしまったのでしょうか。

 

主人公はレオーネの子孫ではない?

主人公は古代エテーネ王国の王族出身であり、エテーネ王国の偉大な建国王レトリウスは美しいアイスブルーの瞳をもっていたことがエストNo.588 「えにし紡いで」で語られることからレトリウスの出身であるマデ氏族に勇者・盟友の血が流れているのではないかと推測が多くの考察勢から出ていましたし、妄想家である私もそう考えていました。

 

しかし、レオーネの人生を考えると古代エテーネ王国が建国前、そして滅亡以前にマデ族にその血筋が受け継がれた可能性は低くどこでエテーネ王家に勇者盟友の血筋が入ったのかは現在では不明ですが、いくつかの可能性を考えてみたいと思います。

 

※公式設定資料である「創世記」「秘聞録」で神聖ゼドラ王国と古代エテーネ王国が争ったや交流があったなどの記述が無いことからこの時期両国はお互いに独自の発展を遂げ王族間の婚姻などはなかったと仮定しての考えとなります。

 

いくつか考えられる可能性としては

①.石化以前にレオーネには子供がおり本人もしくは子孫が大エテーネ島渡った。

②.初代勇者アシュレイの子孫が大エテーネ島に渡った

③.アンルシアが時渡りに巻き込まれ古代世界へ行くが帰還できなくなりそこで産んだ子たちがマデ族となっていった

 

これらのケースが考えてみます。

 

①.石化以前にレオーネに子供がおり本人もしくは子孫が大エテーネ島に渡った

この説は個人的には可能性は低いのではないかと考えています。

修業時代のレオーネは若かった、復活したアジールの時代にレオーネの血を引くものが覚醒した形跡がない。そしてもし石化前に妻子が居たとすればそれをダフィアが許すわけはないと前述しましたがレビュール族が蜂起した時もレオーネの子を神輿として担いではおらず指導者はトランブル将軍でした。

 

ただ、レビュール族最後の抵抗場所が現在のココラタの浜辺であった事を考えると、もし仮にレオーネとレビュール族の女性の間に子供がいた場合その母子を巻き込まないためにトランブルが密かに船で逃がした可能性はあるかもしれません。

血のつながらぬ弟でしたが、彼とレビュール族の血筋を残すために。

トランブル将軍

しかし、ココラタの浜辺はレンダーシア大陸北西部にあり外海に繋がっています。その一方、マデ氏族が住んでいた大エテーネ島は大陸の内海にありどうやってそこまで渡ったかは不明です。

心域では一度も登場しなかったシオンが運んだなんて事もありえるかもしれません。

 

②.初代勇者アシュレイの子孫が大エテーネ島に渡った

個人的にはこの可能性がありえるのではないかと考えています。

 

神聖ゼドラ王国の建国王となったアシュレイと王妃ダフィアの間に子供が何人いたのかは不明ですが、二代目勇者アジールの生母である女王ゼーナピアは巫女の血を引いているとレオーネの心域で語られますから、二人の間に子供が誕生しその子が王位を継承していったことは間違いないでしょう。

 

しかし、レビュール族の蜂起を巡る中で夫婦の間には大きな亀裂が入ったように思われます。少なくともアシュレイはダフィアに対して愛情を失い憎しみを抱いたように見えました。

おくさん、コイツ絶対浮気してますよ

そんな中で、複数の子供がいた場合は自分の死後王位につけなかった子がダフィアや彼女の側近に迫害されないために自分とは違って自由に生きて欲しいと王国外に旅立たせた可能性はあるように思えます。

もっというと、ダフィアとの冷めた関係に疲れたアシュレイが癒しを求めて他の女性との間に子供をもうけたがダフィアを恐れて逃がしたなんて事もありえそうな気がしています。

ダフィアを悪くし過ぎていますが彼女が陰謀を巡らせたりする背景には理由がると考え、それらについてはいずれ書ければと。

 

そうなるとマデ氏族の末裔である主人公はレオーネの血を引いてない事になりますが、それでも勇者システムは成立するのではないかと考えを後述したいと思います。

 

③.アンルシアが時渡りに巻き込まれ古代世界へ行くが帰還できなくなりそこで産んだ子たちがマデ族となっていった

これは面白い考えだと思いますが、先の展開となるので可能性は全く分かりません。

 

ただ、勇者アンルシアはアイスブルーの瞳を持っており王家の血を引いています。

ドラクエ10の世界ではすでに時渡りがあり副作用がある事を除けばエテーネ王家のもの以外でも過去や未来に行く事は可能です。

勇者姫もぼくも瞳の色はアイスブルー

主人公が時渡りでマデ氏族となり、その子孫として自分が再び生まれてくるという展開もありえるかもしれませんが個人的には飛躍した考えでもアンルシアが過去に時渡りしたほうが面白い気がしています。

 

ただ、今現在そんな兆候があるわけではないですしあったとしてもかなり先にはなりそうです。

 

 

何故勇者は二人なのか?

ver.6.2と6.3において盟友とはもともと存在してなかった概念であり、勇者が二人だったという事が判明しますが初代が双子だっただけでなくその後も勇者と盟友(実際は勇者)が常に大魔王と戦っている事から双子の勇者が生まれてきたのは偶然ではなく勇者とは同時代に必ず二人存在するのが勇者システムの根幹といえるのではないでしょうか。

なんでふたりなの?

あらためて勇者システムを考えると

魔界で大魔王が誕生し、その大魔王がアストルティアへ渡るべく光の河を超えようとする時、それを感知しアストルティアに勇者が生存してない場合自動的にゼドラ族族長の血筋から前後して勇者が二人誕生するという防衛システムなわけですが

  • 初代大魔王ゴダ→アシュレイ・レオーネ誕生
  • 大魔王ヴァルザード→二代目勇者アジール誕生・レオーネ復活
  • 大魔王ネロドス→三代目勇者アルヴァン・カミル誕生
  • 大魔王マデサゴーラ→四代目勇者アンルシア誕生・主人公が時渡りで現在へ

と、つねに勇者のチカラを持つ者が二人存在し覚醒しています。

 

やはり勇者が二人同時期に存在していることが重要だといえるでしょう。この謎は、勇者と盟友の原点が判明した事でむしろ新たに出来た謎です。何故、同じ役割を持った勇者がふたりなのか。

 

レオーネの子孫がカミルなのではないかと前述しましたが、カミルはおそらく子を産んではいないと思われます。彼女自身辺境の出身といわれていますが本当の出自は不明のようですし親兄弟に関わる話もでてきません。

アルヴァンと出会ったオルセコ王国の剣術大会にどのような経緯で出場したのかも不明ですがver.4.1で彼女はどこか孤独な存在のよう印象を受けました。

 

もしかすると、カミルは早くに家族や一族を失っており天涯孤独な身の上で彼女自身も子を産むことなくアルヴァンの後を追って王家の迷宮へ消えた事からカミルの消息不明をもってレオーネの血は絶えた可能性があります。

 

そこで、次の大魔王襲来に備えるべく勇者システムは古代エテーネ王国から勇者の血を引く主人公を母マローネによる時渡り時に現代へ召喚したのではないでしょうか。

秘聞録によると大魔王マデサゴーラがアストルティアへ出征したのが20年前、その時点で勇者システムが発動するわけですがアンルシアの兄トーマ王子は23年前に生まれているのでこの勇者システムからは外れています。

 

アンルシア姫が生まれたのが16年前、それより1~3年前に主人公がエテーネ村にやって来たのならそこには意味があったのではないでしょうか。

つまり、主人公は偶然現代へ流れ着いたのではなく意図的に現代へ時渡りさせられたのではと推測してみます。

この時代に来ることは決められていた?

そうすればレオーネの血筋が絶えていたとしても、勇者の血を引く(それがどの勇者かはまだ不明)者が同時代に二人存在できるからです。

勇者が二人必要なら毎回双子を誕生させればいい様にも思えますがそうならないのにはまだ理解できてない理由があるのかもしれません。

 

更に、人間族以外には勇者は生まれませんが、エルフ・オーガ・ドワーフ・ウェディ・プクリポさらに竜族を加えた七種族には「種族神の器」となる選ばれる特別な存在が生まれます。

ver.3で竜族の戦士アンテロが探し拉致しようと企んだ存在ですが、その神の器が選ばれる基準は判明していません。

 

しかし、人間族の器が勇者アンルシア・ウェディ族の器がヒューザ(剣士リューデ末裔)プクリポの器ラグアス王子(英雄フォスティルの子孫)であることを考えると神の器も特定の英雄の血筋に生まれてくる可能性があるように思われます。

 

では、アンルシアと同じく勇者のチカラを持つ主人公は人間種族の神「グランゼニスの器」に選ばれなかったのでしょうか。

 

そこで大胆に根拠のない仮説を一つ

グランゼニスは二人いるのではないでしょうか

 

女神ルティアナの器であったイルーシャも双子の弟ナラジアが居ました。

ドルワーム王国では双子は不吉であるとの言い伝えからチリは捨てられます。

 

今現在、グランゼニスが二人いるまたは双子であるという推測できるような証拠はありません。神墟ナドラグラムにある破壊されたグランゼニス像も一人の姿のように見えます。ただ、女神ルティアナの器であったイルーシャが双子、そしてルティアナが明らかに特別扱いしていたグランゼニス神からのお告げによって生まれた最初の勇者が双子という事に何か関連があるのではないかと考えてしまいます。

 

結論

長く書いてしまいましたが、今回の結論としては

  1. レオーネは石化から復活後子孫を残した可能性その子孫はカミルまで繋がった
  2. 大魔王襲来時常に勇者は同時代に二人存在させられる
  3. 勇者システムは欠員がでるともう一つの血統や別時代から補充する
  4. カミルの代でレオーネの血筋が絶えたため勇者システムが主人公を現代に召喚した
  5. 常に勇者が二人な事に意味があるのか、グランゼニスは二人いる説を考えてみた

となります。

 

ver.6.4が目前に迫っています。

新しく判明することもあるかもしれません楽しみに待ちたいと思います。

今回はここまで

ver.6.1の感想と新しく判明した事と疑問

ver.6.1のメインストーリーをクリアできました。

今回は、それの感想と物語の中で新しく判明した事と疑問について書いてみたいと思います。

以下、ver.6.1のネタバレを含みます。

 

神化の儀失敗後のフォーリオン

ver6.0の最後で天星郷に住む天使たちの長年の悲願であった大いなる計画「神化の儀」は神化の光炉に仕込まれていた呪い「悪神の火種」により失敗し、主人公とフォスイティルを除く英雄たちが悪神と化してしまいました。

悪神となったオーガ種族の英雄ラダ・ガートだけはその場で主人公の活躍により封印に成功しますが残る悪神は天星郷を飛び出し行方不明となってしまいす。

 

ver.6.1までの期間で天星郷の行政機関に相当する聖天舎は神化の儀失敗の事実を公表し混乱の収拾を図る一方で特務室に所属する星導課の天使たちに悪神の居場所を探させていました。

 

フォーリオンの市中では英雄たちの中で唯一、神化の儀に姿を現さなかったプクリポ種族の英雄フォスティルが悪神化を仕組んだ犯人なのではという憶測を口にするものも存在していす。

 

 

転生する魂のカタチ

天使長ミトラーから悪神となった三闘士(カブ・ナンナ・ドルタム)、ハクオウ、リナーシェが引き起こしたのではと考えられる異常な現象が発生しているため、これら英雄たちの呪いを解くために「神剣レクタリス」を受け取りユーライザと共にアストルティアへ向かう事となりますが、その前に天使ヘルヴェルの住居にてユーライザの髪型を変更可能にするクエストを受注することになりますが、ここで非常に興味深い話が聞けます。

ユーライザとバーバードール

ユーライザから、自分が罪付きと呼ばれいている事やヘルヴェルが本当の妹のように扱ってくれるという話の他に天使についての重要な話です。

「ひとつの魂が 何度も

生まれ変わることを くりかえしています。

その前世の姿は 今生の姿と そっくりだとか。」

この発言から、天使たち寿命が来ると転生の園で新たな命として転生するがその見た目は前世と全く同じでありユーライザを含め天使たちは天星郷が誕生した時から今と同じ姿で存在していた可能性が高くなってきました。

 

ただ、同じ魂が転生を繰り返す天使たちが前世の記憶を失って転生してくる理由はまだ明らかになっていません。ver.6.0でも聖天舎の書庫に勤務するゾーフィアが「我々の世代は神との交流は未経験」と語っています。

ゾーフィアも神代の時代から天星郷に存在し、繰り返し転生してきたと考えられますが我々の世代はという事は現在天星郷で生活する天使たちは前世以前の記憶を持ってはいないという事になるはずです。

 

何故前世以前の記憶を失って転生するのかはわかりませんが、もし記憶を奪って転生させているものが居たとしたらその者にはどういった目的があるのでしょうか。

例外的に前世以前の記憶を持っている天使がいるのか、もしくは転生を繰り返さず神代の時代から生き続けている天使がいるのかなども気になるところです。

 

そして、天使の見た目は魂のカタチそのものでありユーライザの髪型を変えるという事は魂のカタチを変えるという事であるという事がクエストで判明しますが、このユーライザの魂のカタチを変えるという事が今後の物語の展開に影響を与えるのかもしれません。

魂のカタチが変わったことがユーライザに影響し前世以前の記憶を取り戻すなんて事もありえるのではないでしょうか。

 

 

心域 記憶の牢獄

悪神と化した英雄たちはそれぞれの生まれ育った大陸に舞い戻りそこを滅ぼすべく天変地異を起こすために心域とよばれる自らの生前の記憶と歪んだ願望を元にした空間をつくりだしそこに籠っていました。

心域はおそらく神の宿る場所を表す「神域」とかかっていて本来は神となるべきだった英雄が悪神と化してしまったその神の心が宿る領域という意味だと考えられます。

 

「心域」が興味深いのは、悪神たちの記憶をもとに作り上げられた空間が客観的な事実だけではなく悪神たちがまだ英雄と呼ばれ生きていた当時の主観的な視点や悪神としての歪んだ欲望が混然一体となって作り上げられているという点です。

心域で主人公とユーライザが体験する過去の回想や登場人物の発言はあくまで英雄たちの主観に基づいたものであり必ずしも歴史的事実であるといえない可能性がありますが、それでも歴史に大きな功績を残した英雄たちに世界がどう見えていたのか、愛する者たちにどう思われたかったのかの断片であっても知ることが出来ることはとても面白く感じられました。

 

個別に書きたいことは多いですが、三闘士・ハクオウ・リナーシェを追っていく中で判明した事や気になった事などを簡単に

 

①. 三闘士(カブ・ナンナ・ドルタム)

約4000年前のドワチャッカ大陸を開拓し後の三国時代へつながる繁栄の基礎を築いた三人の英雄でしたがカルサドラ火山の中に心域を形成し火山と融合、カルサドラ火山を大噴火させドワチャッカ大陸から文明を消し去ろうとしていました。

これに対処する事となる主人公・ユーライザとドルワーム王国ですが、物語の中でいくつかの今まで不明確だった事実の真相が判明します。

三闘士の怒りと悲しみが反映された世界

まず、心域において悪神化した時に自らの魂の一部を切り離してそれに正気を保たせていたドルタムがチリに対して「こんなところで子孫に会えるなんて…」と語る事から、現在のドルワーム王家の血筋は天魔の襲来によって滅ぼされた古代ドルワーム王国と繋がっていたことが正式に証明されました。

 

また、三闘士は現在のアグラニ周辺の生まれであったと山神イプチャルから知らされますがドワチャッカ大陸を踏破し全土を開拓したと語られる三闘士中が大陸の中で最も開発されたのが遅かった大陸南部の出身であった事は興味深い事実でした。

以前書いたウルベア地下帝国の滅亡について書いた記事の後半で三闘士の子孫たちが繁栄した約3000年前の三国時代末期においてもガタラ平原より南西・南の土地は未開拓でありアクロニア鉱山の開山とアグラニの町の原型が形成されたのは今から約900年前とアストルティア秘文録(p.021)に記載されていることから三国時代においてはガタラ原野以南の土地はドワーフにとって禁断の土地であったのではないかとの考えを書きましたが実際にはそれ以前から住人がいたようです。

 

それでも開拓がされていなかったのは三闘士にとって、特に長兄カブからの復讐だったのかもしれません。

 

カブには幼い頃、血のつながった妹と弟がいましたが飢えの中で仲間に見殺しにされてしまった過去がありました。

その事実がカブを外の世界へ向かわせる原動力となったわけですが、外の世界で成功し大陸を豊かにしたカブにとって自分の生まれた場所は開拓せず貧しいままにしておくことが弟妹を見殺しにしたかつての仲間に対する彼なりの復讐だったのかもしれません。

 

kyuroinu.hatenablog.com

 

三闘士たちが作り上げた心域は主にカブの精神が反映されていたようです。

カブを止めたいと思いながら同調もしてしまうナンナとドルタムでしたが三闘士は偉業を成し遂げた後に天寿を全うしその晩年はドワーフ同士の争いを止めることが出来なかっただけにカブの深い失望からくる怒りを知っていたのでしょう。

 

古代ウルベア皇国にて「原初の炎」をウルタ皇女から受け取る際に震天王ナンナの壁画の瞳から二つの炎がゆらゆらと舞い落ちて原初の炎として灯ったのはナンナが流した涙のように思えてとても印象的でした。

歪む景色とこぼれた涙のように床に落ちた花

心域の嘆きの庭園の窓からみえる古代ウルベア帝国の景色が歪んで見えるのは人生の晩年の記憶、そして歴史の結末を知ってしまったナンナの心が常に涙を流していたことを表しているのでしょう。

 

②.ハクオウ

約6000年前、二度目の災厄の王の襲来に対抗し結果敗れて亡くなった二代目時の王者ハクオウは自らが落命した場所であるエルトナ大陸の落葉の草原にある自らの碑石に心域を形成しそこからマガツカゼと呼ばれる魔瘴に似た暴風をふかせていましした。

英雄が悪神化して発揮する能力に異界滅神ジャゴヌバに由来する魔瘴と似たものがあるとしたら神化の儀失敗の原因にジャゴヌバやその眷属が関わっている可能性がある可能性が示唆されたと考えます。

ハクオウの心の結界

ハクオウの心域とそれに関する展開でいくつか判明した事がありました。

 

孤児であったハクオウはサハテ僧院の大僧正トゥバンに引き取られそこで剣士としての才能を開花させヤマカミヌの王コウリンに仕えたようです。

更に、未来からこの時代に飛ばされてきたプクラスを保護したのもハクオウであったようです。その後プクラスと交友を持ちハクオウの死後はその遺志を継ぎゴフェル計画を主導したとされています。

 

ハクオウの生きた約6000年前ヤマカミヌの人々は願いごとをするときなどはスイの社(スイの塔が建造されたのは約2000年前と秘聞録p.018に記載)へ赴く習慣があったようです。ハクオウの幼馴染であったアオサもお参りをしていましたしハクオウの心域の薄明の小路にあった結界がスイの社の銅鏡の舞台に安置されている森羅蛮獣を封印している銅鏡と酷似しています。

森羅蛮獣は傲慢さをエルトナ神に諫められ自らのたてがみを差し、そのたてがみを使って「天風のたずな」が作られた話がver.3.4にて語られます。

今回も銅鏡の形の結界に自らの心を閉じ込めていたハクオウと対話するためにコウリン王の魂から渡されたのは「ヤマカミヌ王のたづな」でした。

これは明らかに森羅蛮獣の逸話と重ねられており、英雄ハクオウが持っていた傲慢さを表していると考えられます。

森羅蛮獣を封じている銅鏡

個人の感想ですが、ハクオウの心域での冒険は他に比べても重苦しいものを感じてしまいました。

それは、災厄の王の二度目の襲来によって発動されたゴフェル計画の原因となった二代目時の王者ハクオウの敗北と死。そのハクオウの敗北と死の真相は彼の自殺だったという事から来るものでした。

 

二代目時の王者は、単身で災厄の王に挑み敗れたと伝わっていましたが過去の回想ではコウリン王率いるヤマカミヌ全軍と共にハクオウは災厄の王と戦う予定でした。

ハクオウはそれを止めますがコウリン王は「どんな戦場でもお前となら怖くない」と共に戦う事を強く望み、その結果コウリン王は戦死してしまいハクオウは後事をプクラスたちに託し単身災厄の王に挑みましたがこれは完全に自暴自棄による自殺です。

 

コウリン王は決戦前夜のハクオウとの会話で死の間際もハクオウは皆にとって特別な存在であり信じている事、自分が死後はヤマカミヌを頼むと伝えていました。

コウリン王がエルトナ大陸のアストルティアの未来を託したのはハクオウであり決してプクラスではないのです。それであるにも関わらず、ハクオウは自分に託されたものを全てプクラスに丸投げし自分の死に場所を決めたのです。

コウリン王の魂はハクオウを許し「ヤマカミヌの誇りを守り通した」といいますが果たしてそうでしょうか。

 

ヤマカミヌ全軍と天星郷の英雄候補に名が上がる程の強者であったコウリン王と共に戦っても勝てなかった相手にハクオウが為すべきはプクラスや生き残った兵と共に時間を稼ぎ、他の大陸に援軍を求め各種族の強者や賢者と力を合わせてエルトナ大陸を守る事だったはずです。しかし彼はその道を選ばず一人戦い死ぬ道を選んだのは何故なのでしょうか。

強いけど心が弱いハクオウ

それはおそらく、ハクオウとコウリン王の関係性にあったように思えます。

過去現在の二人の会話シーンを見ていると、単に主従の信頼関係や友情を超えた強い感情を感じます。心域は悪神の主観による記憶や願望が反映された世界ですので実際と同じとはいえませんが二人の間には、少なくともハクオウはコウリン王に対して強い愛情があったと感じました。

ふたりが出合い、大陸平定の戦いを共にする中で主従の関係を超えて信頼と愛情を育んだのか、ハクオウにとって未来を託されたとしてもコウリン王の居ない世界には耐えられなかった結果自殺に近い行動をとったのでしょう。

 

未来でも過去でも、あまりにも大きな責任を託されることになるプクラスが不憫ですが、彼はその責任から逃げることはしなかったのだと改めて知れました。

 

③.リナーシェ

約600年前のウェナ諸島のコルレーン王国の主であり、長年対立していたジュレド王国との平和条約締結と両国の国家統合を成し遂げ現在のヴェリナード王国に伝わる「恵みの歌」の原型である「育みの歌」を生み出した始原の歌姫とよばれた英雄でしたが、ジュレットの町の沖合に心域を形成し暴風雨によりウェナ諸島を壊滅させようとしていました。

リナーシェの心域をめぐる冒険の中でいくつか判明した事があります。

 

大小の島で構成されたウェナ諸島ですが、600年前には現在のヴェリナード王国の王都が置かれている諸島中最大の島は当時は未開の島だったようです。コルレーン王国とジュレド王国の合併とリナーシェとヴィゴレーの婚姻が決まったことを期に新都を建設した事が開発の始まりだったようです。

また、ジュレー島下層に存在しヴィゴレーの幽閉先としても使われたジュレダイ連塔遺跡は600年前ごろジュレド王国の存在した最後の時期あたり発見されたことが明らかになります。ジュレダイ連塔遺跡が建造されたのはさらに古い時代であったとなりますが誰が建造したのか気になるところです。

 

書きたいことも多いのですが、リナーシェの心域をめぐる冒険は三闘士、ハクオウのものと比べても特に面白く感じました。

それは、他以上にリナーシェの当時の心情を中心に描きなおかつ彼女を殺害したヴィゴレーのその後や彼に最後まで付き従った忠臣たちについても触れることで、心域が悪神の主観に基づいて作られた世界であるかともに、歴史の中のひとつの出来事であっても当事者によって真実はバラバラであるということです。

 

リナーシェの記憶の中でのヴィゴレーは善人のふりをした残酷な悪人でしたが、幽閉され成仏もできずにいる彼や彼に仕えた者たちと話してみると印象は変わる部分もあります。これは、リナーシェや彼女の妹アリアにとっての真実とヴィゴレーにとっての真実はまた別であるといくことを演出として見せてくれたからだと考えます。

自らを殺した剣を具現化してくるリナーシェ

民のため妹のため自らを敵国に差し出し、愛してもいない男を婚約指輪を通じて愛していると思い込もうとしていたリナーシェと同じようにヴィゴレーもリナーシェを愛そうと最初は思っていたのかもしれません。

しかし、ヴィゴレーがリナーシェを殺害しようとひそかに心に決めた瞬間をおそらく我々は目撃しています。

それは、心域にて最初に見せられる彼女の記憶で彼女がジュレド王国を訪れ育みの歌を歌った時の会話で、

「あなたの民は わたくしの民ですもの。」

これを聞いた瞬間、ヴィゴレーは決心したのではないでしょうか。圧倒的な育みの歌の力を目の前で見せつけられ自分の横にはリナーシェに心酔している自分の弟カルーモがいる。

先にやらなければ自分がいつ弟と結託したリナーシェによって殺されるかわからない。自分の地位も民もすべてコルレーンに奪われると恐怖したはずです。

 

リナーシェもヴィゴレーも守るものがある故に自分の心を欺き続けた結果の悲劇であったのかもしれません。

悲しいね

今回登場した三闘士・ハクオウ・リナーシェは悪神と化しながらも自分の心がつくりだした歪んだ世界に閉じこもりまるで牢獄にとらわれているかのうで後悔と罪の意識から自縄自縛になっているさまは悲しいものがありました。

 

 

本当にヘルヴェルは裏切り者なのか

天星郷に戻って今回最後の戦いの相手であり、神化の儀失敗事件ならびに天星郷に主人公の悪評を流していたのはユーライザが姉と慕うヘルヴェルであったとフォステイルによって看破されます。

 

ヘルヴェルは悪神の火種をユーライザから奪い取り戦いとなりますが、ヘルヴェルは本当に裏切り者なのかもしくは誰かに操られていただけなのかなど疑問は残ります。

ヘルヴェル怖い!

ヘルヴェルは自身の日記で伝説の天使イザヤールを目標にし崇高な使命のために尽くすと記しています。

これがドラクエⅨのイザヤールを指しているなら、ヘルヴェルの行動はこの日記の内容とはかけ離れていますが、ドラクエⅨのイザヤールも主人公を裏切り集めた女神の果実を奪いガナン帝国に差し出してしまいます。

しかし、イザヤールの真の目的はかつての自分の師であったエルギオスを救い出すため裏切ったふりをし女神の果実の偽物をガナン帝国の皇帝ガナサダイに渡そうとしていました。

 

もしかすると、ヘルヴェルも何か別の目的のために自分を犠牲にし裏切ったふりを演じていたのかもしれません。

ヘルヴェルがユーライザいから悪神の火種を奪った行為はイザヤールの行動と重なるのではないでしょうか。

 

ヘルヴェルの名前の由来は北欧神話に登場するヴァルキリーのヘルヴェル(Hervor)ではないかと考えておりその意味は「軍団の守りて」です。

であるなら、ヘルヴェルは何故天星郷を裏切るそぶりを見せて悪神の火種を盗む理由があったのか、だれを救おうとしていたのか、それは妹のように愛したユーライザの犯した罪とと関わるのかなど今後解明されることに期待します。

 

ただ、個人的には天使が転生をする際に記憶を無くすことがなにか大事な秘密を隠しているような気がしています。

そういえば、審判の天使の中に一人「転生の園」に勤めていた経験を持つ者が居ましたね。

じーーーーー

深淵の咎人についても書きたいことはあるのですが今回はここまで