災厄の王ってもしかして?

現在ver.6.4のストーリー最中ですが6.3のムービーをみかえしていて気になる部分がありました。今回は、神話篇で登場した災厄の王の魔物化する前の帝王とは何者だったのか、前回の記事で書いたジア・クトと錬金術の関りなどについて個人的な妄想を急に思いついたので書いてみたいと思います。

以下ネタバレを含みます!

 

災厄の王って元は…

ver.6.3序盤において魔窟アラモンドに滞在していたミトラーが天使長として復帰する展開があります。これは、今まで世界を守る役目を代々受け継がれてきた使命だからとどこか他人事だったミトラーが自分を慕うピコや魔窟アラモンドの面々との出会いによってアストルティアを守る意義を見いだしその重責の恐怖を克服するという話ですが、この一連の展開でミトラーは「帝王」と呼ばれています。

アストルティアを去るときも帝王コールの中で天星郷へ帰還していきますが、それを観ていて帝王という呼び名に反応してしまいました。

 

DQⅩにおいて帝王と聞くと思い浮かべる存在があります。

 

それは神話篇で登場する「災厄の王」の魔物化する以前の存在です。

災厄の王の豆知識によると「理性を失う前は帝王としてアストルティア守っていた」とあります。古代世界でアストルティアを守っていた英雄とは誰なのでしょうか。

※一般的に帝王という呼び名は、複数の政体(国家の統治権の運用に関する方式)を束ね、命令権を持つ君主に対して使われます。

 

神話時代末期、初代勇者登場の頃から現在に至るまでアストルティアに複数の大陸を支配した国家が存在したとは現在確認されていません。かつて、ドワチャッカ大陸ではウルベア地下帝国など帝国を自称した国家は存在しましたがそれでも支配地域はドワチャッカ大陸内に止まってたと考えられます。

アストルティア全体を守護するような存在で各国や各種族に対して命令権を持つとすると帝王とはどんな存在だったのか。

 

帝王とは天使だったのではないでしょうか。

天使が帝王?

なぜ古代世界で天使が帝王と呼ばれたのか。

天星郷には地上に対しては原則不介入という決まりがあるようですが、実際にミトラーユーライザティアン(クエストNO.712)のようにその決まりを破ってしまったり天使という事実を隠す気もない者たちも存在します。

現在では、片翼になっているものの羽を隠すこともなく平然と行動していた天使長ミトラーが帝王(流星の帝王)と呼ばれていました。

 

ミトラーと事情は異なるとしても古代世界で一人の天使が地上を観察してるうちに思い入れをしてしまったのか、何かしら事故か天星郷を追放されたのか地上に住み着いた天使がアストルティアを守るための活動をし、その結果人々から「帝王」とよばれたのかもしれません。各種族がそれぞれの住む大陸で独立した歴史と文化を育んできたアストルティアにおいて天使の様な皆が自分たちより上位の存在と思えてしまうような存在でなければ帝王などと呼ばれることはないのではないでしょうか。

 

災厄の王はアストルティアを守護していた帝王が大いなる闇の根源によって変貌させられた存在ですが、その元が天使であったからこそ地上世界への不介入を原則としていた天星郷も放置できず聖竜グレナイルと初代時の王者を使わしたと考えます。

 

初代時の王者とパニガルム

聖竜グレイナルはとこしえの揺り籠からの旅を護衛していたことが古フォーリオンでナドラガ神から語られますが、グレイナルに出会う事はできませんでした。神話時代には危機に備えて肉体を源世庫パニガルムに保管されていたのかもしれません。

 

古フォーリオンでペネメイから源世庫パニガルムには「とこしえの揺り籠を守護した実績のある精霊や人間も保管されている」と聞けることから、星空の守り人ともよばれ白星剣を世告げの姫に残した初代時の王者がDQⅨの主人公であるならば、女神の果実を食べ人間となった後はパニガルムに保管されてところを災厄の王を倒すため天使として復活させられグレイナルと共に地上へ遣わされたのでしょう。

 

現在のフォーリオンでは「とある世界から持ち出した過去の遺物の保管庫」と説明される源世庫パニガルムですが、古フォーリオンでは「とこしえの揺り籠を旅立つ際様々な動植物を保存し運んできた」とより具体的に生命を保存してきたことが説明されます。

仮死状態的に運ばれてきた生命が内部で発生した混沌により独自の生態系を産みだしてしまったものを管理している事からもおそらくパニガルムとは、

ハニカム構造(honeycomb structure)+ガルム(Garm)の造語だと考えられます。

フォーリオン下層に存在する源世庫パニガルム

ハニカム構造とはミツバチの巣にみられるような、正六角柱を隙間なく並べることにより強度を保つ構造です。

そして、ハチミツ(honeyは古代世界では小アジアアナトリア半島)などで死体の防腐処理としてハチミツの入った埋葬用の壺の中に死体を収めた事から転じて、ギリシア神話では人類最初の女性とも言われるパンドーラー(元々は地母神・豊穣の女神だった説もあり)の子宮とも考えられたことからハチミツは豊穣の女神としてのパンドーラーのチカラが宿る復活の象徴とされていたという説があります。

ギリシア神話に出てくるパンドラの箱のパンドラとはこのパンドーラーの事であり、箱は元々はギリシア語でパンドーラーの壺であったものが後の世にラテン語に翻訳された時に誤訳でパンドラの箱になったとの説があります。

 

そして、ガルム(Garm)北欧神話の冥界ヘルヘイムの番犬であり冥界へ近づこうとするもの、冥界から逃げ出そうとするものを見張るとされています。

 

死者をいつの日か復活できるように保存するとともにそれが外部に抜け出すこと、何者かが入り込むことを阻むための構造物がパニガルムであり、このシステムはその後転生の園へ発展し天使たちが生まれ変わるために使われたのかもしれません。

 

異界滅神ジャゴヌバの襲来以来アストルティアの危機は何度もあったようです。

大魔王の侵攻はレンダーシア大陸に限定されているようですがそれ以外でも1000年前の魔人族ストレザーテの襲来(ガーディアンクエスト)や偽りの太陽レイダメテスが世界を焼くなど幾度も危機がありましたが天使が直接討伐に乗り出す事はありませんでした。破界篇の破魂の審判については天使が関係してますがそれは偽レンダーシアという創造主を失い不安定化した世界についての話なので例外的なのかもしれません。

 

災厄の王が大いなる闇の根源と関わった存在でその力が強大であったからとしても天使と聖竜グレイナルをパニガルムから復活させてまで送り込んだとするとそこにはどうしても天星郷が討伐しなくてはいけない理由があり、それは災厄の王が元々は天使でありその責任をとるためだったのではないかと思えてしまいます

そして、光の河に封印することが出来たので世告げの巫女に白星剣を授けアストルティアの民でも時の王者になれる体制を構築したのかもしれません。

 

二代目は失敗しますが…。

失敗しちゃった二代目

とこしえの揺り籠はDQⅨの世界であり、創生の女神ルティアナとは女神セレシアの事であるという説を個人的には支持していますので源世庫パニガルムにはエルギオスだけでなく光の竜グレイナルと対をなす闇の竜バルボロスや天使イザヤールの肉体や魂も保管されているのではないかと期待してしまいます。

 

深淵の咎人との共通点

災厄の王と深淵の咎人には共通点があります。

それは双方とも光の河に封印されていた存在ですが、封印のチカラが弱まった事で復活し地上に幻影を送りだしたのが災厄の王であり、ルティアナの復活と消失によって生じた揺らぎによって封印から抜け出し出現するのではないかと聖天舎に警戒されているのが深淵の咎人です。

 

深淵の咎人を図鑑でみてみると、

1.妄執のグリアンデ

  • 神々の時代天星郷に仇なし封印された存在
  • 神々に軽んじられたと逆恨みし

2.厭悪のルベランギス

  • 人間はつまらない存在であり神に愛される価値など無い
  • 人間の命を奪うのが生きがい

3.絶念のアウルモッド

  • 人間という種族を愛す一方天使こそが高慢で無知蒙昧存在と悟り
  • 禍々しき双角の橙色の輝きは美しかった姿の名残か。かつての志の高さか。

明らかに神や天使と深い関わりがあるようです。

山羊頭はバフォメットから?

神々とはおそらく女神ルティアナやその子である七柱の種族神のことでしょう。

深淵の咎人は少なくとも神話時代、ナドラガ神が六柱の妹弟と争い神々が肉体を失ってしまうより前に存在し封印されたことがわかります。

ルベランギスとアウルモッドは正反対であっても人間に対する感情が強く、なぜ人間族に対してだけなのかなどはわかりませんが神々を恨み人間や天使を排除しようとする考えとその姿から深淵の咎人は堕天使なのではないかと思えてきます。

 

妄執のグリアンデはその見た目が蝙蝠に似ていますが、キリスト教文化圏では蝙蝠=悪魔のイメージを持たれています。絶念のアウルモッドも見た目からバフォメット(山羊の頭を持つ悪魔)が基になっているでしょう。

厭悪のルベランギスは猛禽類のような見た目ですが、中世以降のキリスト教宗教画では天使は猛禽類の羽をもつ姿で描かれている事があるなどから元は天使であったのではないかと考えられますが、現在天星郷に暮らす天使たちの羽は猛禽類よりは白鳥の羽に似ています。

 

これはDQⅩにおける天使は英雄の死後その魂を天界に導くという使命を持つことから北欧神話のヴァルキュリヤが基になっている面があり、北欧神話のエッダ(Edda)と呼ばれる文書群の中の一部にはヴァルキュリヤは白鳥の衣をまとって地上に降りてくるといった白鳥のイメージと結びついている事も影響していると考えられます。

 

本来、堕天使=悪魔ではないようですが一般的には混同する部分もあります。

深淵の咎人が元々は神話時代の天使であったとして、それがモンスター化してしまった理由はジア・クトが絡んでいるのでしょうか。

 

独善的な考えで神々や人間に敵対する姿勢は悪神化した英雄たちにも似ています。英雄たちは悪神の火種によって変化してしまいますが、その悪神の火種もジア・クトの結晶から作られたものです。

元々はジア・クトのひとかけらだった異界滅神ジャゴヌバ(ジア・グオヌバ)によってモンスター化させられた災厄の王も同じく光の河に封印されていたことを考えると災厄の王も元は天使であった可能性が高くなってきたように思えます。

 

深淵の咎人を監視する役目の天使ミレリーは「光の河のもっと深い領域には深淵の咎人たちがいる。」と語ります。神々に背いた天使は光の河内部に封印するといのが神話時代からのやり方なのかもしれません。

 

深淵と錬金術・進化

深淵の咎人の「深淵」とは深く水が淀んだ場所や奈落(地獄)を指し、英語の「abyss(アビス)」に対応する言葉のようです。

本来は古代エジプトの一部で信仰対象として成育された聖なる牛をアビスと呼んだことに由来し、この聖なる牛は創造神の化身と考えられた事から転じたのか悪魔や魔女について研究をする悪魔学と呼ばれる分野の中ではアビスとは「進化の終着点」であり人間が最後に行きつく未来を表すという考えもあるようです。

 

深淵・進化をドラクエの世界で結びつけて考えてみると進化の秘法を生み出した地獄の帝王エスタークを一番に思い出します。

地獄の帝王エスターク

地獄の帝王と進化の秘法、錬金術とジア・クト、時の放浪者キュレクスについて何か関りがあるのではないかという内容の記事を前回書きました。それに対する新しい発見などはありませんがDQⅣで初登場した地獄の帝王エスタークと見た目が似ている災厄の王の存在も考えると同じく光の河に封印されていた災厄の王と深淵の咎人は、進化の秘法・進化の終着点としての深淵という繋がりを感じてしまいます。

この繋がりからも双方とも元は同じ存在だったのではとなり深淵の咎人が堕天使であったのなら災厄の王も元は天使だったのではと考えてしまいます。

 

前回の記事です。

kyuroinu.hatenablog.com

 

ジア・クトによる肉体の変化・進化の例として悪神と化した英雄たち、ジア・クトのひとかけらにまでなってしまった英雄レオーネのほかにももう一人存在しています。

 

エストNO.715「世紀の発見」をクリアするとパルミオ博士とペコリア婦人の間に生まれてくるプクラスです。

プクラスはペコリアが妊娠中にパルミオ博士が研究していたジア・クトの結晶の影響を受け体調が変化しペコリアのお腹の毛が虹色になるなどした末に生まれてきます。

プクラスは生まれてすぐに言葉を理解し話す事ができるなど成長の速度が速いようですがこれらはジア・クトのチカラが影響している可能性が高いでしょう。

赤ちゃんだけどデバリポより頭がいい

ジア・クトの結晶が胎児に影響し通常より早い成長速度となったのか、より進化した生命体として生まれてきたのかはまだ謎ですが生まれながらにアストルティアに生きる七種族とジア・クトのハイブリッドという初めての存在がプクラスなのかもしれません。

 

最後に

災厄の王は古代に天使が大いなる闇の根源によって魔物化させられてしまったので源世庫パニガルムから星空の守り人と聖竜グレイナルが送り込まれたのではないかとの考えを書きましたが、現在それを確定させるような情報はありません。

元々は、ミトラーに対して「帝王」と連呼する場面から長く疑問だった災厄の王の魔物化するまえの帝王とはどんな存在だっのか、帝王というからには帝国の君主だったのかなどにたいする少しでも回答が提示されているのではと考えたのがきっかけです。

 

災厄の王から分離した理性も人間の少年の姿ではありますが天使の羽や光輪もありません。豆知識と設定資料の集創世記では帝王とありますが、同じく公式設定資料集である秘聞録では「世界に平和を築こうとした英雄」と帝王の部分が削除されてしまっています。

 

神話篇も元々期間限定のクエストであった事から必ずしも本編と関わらない可能性もあるのかとは考えていましたがver.6で二代目時の王者ハクオウが登場した事から今後明らかになるのではと期待もしています。

理性です

今回はここまで

 

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