グランゼドーラ王国 歴史の闇と盟友の謎

何人もの勇者を輩出してきたグランゼドーラ王国。その歴史はただ輝かしいだけのものなのかと考えてしまうことがあります。

また、勇者と盟友に関る謎も、ver.5.3で判明したことも含めて個人的考えを書いてみたいと思います。

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歴史の秘密が隠されている?

以下ver.5.3のネタバレを含みます!

 

 

グランゼドーラ王国建国の経緯

現グランゼドーラ王国の歴史は城の図書室にある『グランゼドーラ王家の始まり』という本の中に記されています。 
強大な悪と戦い 休息を必要とされた神は

残されたチカラで 選ばれし人の子に
神の加護を 与えたもうた。

魔を滅ぼす勇者となりて 世界を救うであろうと
神は告げられたのだ。

生まれた子は 双子であった。
兄は 勇者として。弟は 勇者を支える友として
世界を脅かす魔と 戦ったという。

魔を滅ぼした後 兄は国をおこし 王となった。
これが グランゼドーラ王家の始まりである。
弟は人知れず いずこかへ旅立ったという……。

ここで分かるのは勇者と盟友の起源は双子の兄弟であり、現在に至るまでの勇者と盟友は元をたどれば同じ血筋の遠い親戚のような関係という事であり、このことは創世記に書かれている内容とも一致します。

 その後、約3000年前に歴史上記録の残る二人目の勇者が建国王となったのが現在まで続くグランゼドーラ王国となります。この勇者は初代勇者の子孫であることから前身となった王国の王都移転や国名変更をおこなったものと推測でき、実際には別の国名だった時期が長かったとしても王家の血筋が同じことから現在のグランゼドーラ王国では前身となった王国の歴史もひとつにまとめて現王家の歴史と考えていると考えられます。この内容を創世記と照らし合わせると神話時代末期に誕生した初代勇者が大魔王を倒したのちにグランゼドーラ王国の前身となる王国を建国したのが始まりとなります。

ちなみに約3000年前レンダーシア以外の大陸ではドワチャッカ大陸での三闘士の末裔たちが建国したウルベア地下帝国・ガテリア帝国・旧ドルワーム王国の三国が割拠し「三国時代」と呼ばれるような時代でした。この三国時代の末期がver.4.3の舞台でしたので主人公たちがウルタ皇女に面会した時代にはすでにグランゼドーラ王国は存在していたことになります。

初代勇者ですが創世期においても双子でありこれが勇者と盟友の起源であると書かれていますが、どうやらこの時代には盟友という存在はいなかったようですがそれについては「心層迷宮」で判明します。

盟友を輩出する双子の弟の血筋は歴史に埋もれ消息不明となったとされていたのですが、当代の盟友である主人公がエテーネ村出身であることから双子の血筋は古代エテーネ王国民の中に流れていたと考えられ、エテーネ王国の建国王であるレトリウスが初代盟友の子孫なのではないかというような推測もありましたが…

 

初代勇者の双子の弟は死んでいた では盟友とは

ver.5.3で実装された王家の迷宮の『心層迷宮』内において初代勇者である双子の名が、「アシュレイ」「レオーネ」であると知らされます。

二人の師であるガーニハンの魂を縛り付けていた悔恨の園において双子の勇者は兄であるアシュレイは大魔王討伐後に勇者の誕生を予言した巫女の二代目をめとり王国を建国したと語られます。

これにより初代勇者が建国した現グランゼドーラ王国の前身が神聖ゼドラ王国」という名であったと判明します。

初代勇者であると明言する根拠としては神聖ゼドラ王国というグランゼドーラ王国の前身と思われる名称の国を建国したほかに彼らの時代は、

「神々の争った爪痕が 大地に残りし時代...... 王国などなく」

と亡霊により語られていますのでこれはナドラガ神と六種族神が戦った神話時代の末期であると考えられ双子の勇者である事と合わせて初代勇者の可能性が限りなく高いと考えられるからです。

しかし、大魔王討伐後兄のもとを去り歴史に消え後の盟友の血筋となるとされていた双子の弟レオーネは大魔王の呪いにより死んでいたという衝撃的事実も知らされます。

また、双子の勇者の母親の魂を縛り付けていた哀惜の砂漠においてもレオーネの死について聞くことができました。

この悔恨の園と哀惜の砂漠両方で盟友という単語は出てきません。

どちらも双子の勇者アシュレイとレオーネとだけ言われています。アンルシアと主人公に対しても

「我が一族に ゆかりのある者たちだな。」

と語りかけてくるだけです。つまりこの時代には盟友という存在・定義はなかったといえます。

盟友とはこの時代より後に登場し勇者を助ける存在として定義されたと考えられ、なにより初代勇者の時代はあくまで二人とも勇者であったのです。

この事は現在のグランゼドーラ王国に伝わっている話、創世記に書かれている事とも異なる重大な内容でした。

一方で、のちの時代の勇者と共に大魔王と戦った賢者ワルスタットの魂を縛り付けていた断罪の森においては、勇者アンルシアと主人公に対し

「当代の勇者と盟友」

といわれますし実際に賢者ワルスタットは勇者と盟友と共に修業し大魔王を倒しています。

ワルスタットの時代の勇者は大魔王との戦いで命を失っていますのでグランゼドーラ王国を建国した記録上二人目の勇者ではないと思われます。

これらの会話から初代より後の勇者に対しては少なくても、賢者ワルスタットの生きた時代の勇者と盟友・1000年前の勇者アルヴァンと盟友カミル・勇者アンルシアと盟友である主人公という三人の盟友の存在が確認できますがその盟友の起源となるはずのレオーネが大魔王との戦いで死んでいたとなると盟友とはどこから来たことになるのでしょうか。

初代勇者の双子の弟の子孫が盟友であるという大前提が崩れたとするとその血筋の正当性と共に盟友としての力は何由来であるのかという疑問がわきます。

またなぜレオーネの死を後世に伝えず行方不明としたのか、そして後に登場してくる盟友という存在をレオーネの血筋から生まれると定義したのかも大きな謎です。

現段階では盟友としての主人公やカミルの能力がなにから来ているものなのかはわかりません。しかし、盟友という定義ができた背景には何か理由があるはずです。その理由には、ver.4.1で感じたグランゼドーラ王家と過去には血筋が繋がっていたはずの盟友カミルにたいする態度などの違和感もあわせてグランゼドーラ王国の歴史の闇があるような気がしています。

次にその歴史の闇が表れているのではないかと個人的に考えているレビュール街道について少し見てみたいとおもいます。

  

現在と過去のレビュール街道を考えてみる

初めてレンダーシア大陸へ上陸した当時から荒廃していたレビュール街道。当初は大魔王軍との戦いの中で荒廃していったのかと考えていましたがよくみれば長い年月放置され続けたのだろうと推測できる場所でした。

そしてver.4.1の舞台であった約1000年前のグランゼドーラ王国においても現代ほどではないにしろすでに荒廃していたことに疑問を持った人もいるのではないでしょうか。

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なんでこんなに荒廃してしまったの…教えて

もし、1000年前に大魔王ネロドスの侵攻によりレビュール街道の建造物が破壊されたとするならその後、建造物の復旧もしくは撤去が行われるはずですがその後1000年間それをした形跡はなくそのまま放置されていたようです。1000年前に盟友カミルと訪れた「神儀の護堂」も当時は出入りできたのに現在では入り口は使えなくなっています。

レビュール街道は王都と三門の関所を繋ぐ陸路の重要なルートでありそこを荒れるがままにしておくという事は通常は考えられません。

可能性としては、港湾が整備されグランドタイタス号が建造されたことで物流や人の移動が海路中心になり陸路の重要性が薄れたという事は十分あり得るとは思いますが、それでもレビュール街道北には王家の墓がありまた緊急脱出路としても使われる海風の洞窟など王国にとって重要な施設があります。また、軍事的にも自国の防衛や他国への援軍などで三門の関所へ兵士をすばやく移動させるためにも街道の整備は必要なはずですが何故なのでしょうか。

この不気味で不思議な光景に歴史の闇が隠されている気がします。

1000年前すでに崩壊していた巨大建造物たち首だけで転がっている巨大な石造の顔これらは誰により造られなぜ放置されているのかは「神聖ゼドラ王国」の建国の歴史と名称から推察してみたいと思います。

 

神聖ゼドラ王国

神話時代末期に初代勇者アシュレイによって建国された神聖ゼドラ王国

※一般的に国名に神聖が付く場合は宗教的権威に支持され国王と認められた存在が君臨する国家体制でありその宗教と一体化した概念です。例えば9世紀から成立した神聖ローマ帝国ローマ教皇に皇帝として認められ支持された中世国家です。

神聖ゼドラ王国の場合、国王として認めた宗教的権威は勇者の誕生を予言した巫女だと考えられます。

または当時存在していたとすればソーラリア峡谷の古き神の遺跡を拠点としていたグランゼニス教団だった可能性もあります。もしかすると巫女はグランゼニス教団に所属もしくは関りがあった場合は両方という事になるでしょう。

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ナドラガ神との戦いを壁画として残したと思われる教団

当時、巫女の権威は絶大なものがあったようでゼドラ族に勇者が生まれると預言したのちにその双子のうちどちらかをゼドラ族と対立するレビュール族に里子に出せという預言をし、それにはゼドラ族も従わざるを得なかったようです。

双子の弟がレビュール族に里子として出されたことにより両部族は表面上は団結し、大小の部族が寄り集まりながら魔族と戦っていた人間たちは双子の勇者をそれぞれ神輿として担いだ二大勢力、ゼドラ族とレビュール族のもとに集結し魔族との戦いに勝利をおさめました。

レビュール族はその名の通り現在のレビュール街道あたりに住んでいた部族と考えます。ゼドラ族はゼドラ洞があるロヴォス高地に住んでいた部族かもしれません。

二つの部族が団結したことにより大魔王との戦いに勝利し、その後建国されたのが神聖ゼドラ王国ですがその国名にはレビュール族の名は入っていません。その理由はレビュール族に里子に出された双子の勇者の弟レオーネが大魔王との戦いで死んでしまったからでしょう。レビュール族の族長は血のつながらなかったレオーネを本当の子として育て立派なレビュール族の男として育てたと自負をしていただけに彼の死をとても悲しんだようです。

レビュール族の神輿であったレオーネの死とその死によって打ちのめされてしまった族長を横目に生き残った双子の勇者の兄アシュレイはゼドラ族の神輿であったため建国の主導権はゼドラ族が握り国名を神聖ゼドラ王国としたと考えられます。

当然レビュール族でなくともこれに反感を抱いた小部族や勢力は多く存在したはずですが、ゼドラ族が勇者を輩出しさらに宗教的権威でもあり勇者誕生を予言した巫女の二代目をアシュレイが妻として娶ったことで反対勢力は押さえつけられてしまったのでしょう。

では、神聖ゼドラ王国の建国にレビュール族が参加しなかった可能性はあるのかと考えるとそれは無いように思えます。理由としては、レオーネの里親となったレビュール族の族長の魂が王家にゆかりのある者が登場する心層迷宮の悔恨の園に縛り付けられていることや、何より王家の墓がレビュール街道北にある事から神聖ゼドラ王国の建国に参加していると考えることが普通ですし、王家の墓がレビュール街道北にあるという事がレビュール族にとっては重要であったと思われます。

※古来より英雄や支配者の遺体を弔う行為をだれが取り仕切るかは権力抗争においてとても重要な側面がありました。古代マケドニアの偉大な征服王アレクサンドロス三世も急逝したのちその遺体は部下であるプトレマイオスによって盗まれエジプトへと運ばれたといいます。これは王の遺体を埋葬するものこそが彼の後継者となれるという考えからおこなわれました。このプトレマイオスが建国したのがプトレマイオス朝エジプトであり、その最後のファラオがクレオパトラ(7世)です。

ドラクエ10の魔界においてもゼクレス魔導国の建国王であるワラキウスの死を弔ったのは彼の妻や部下ではなく妹のゼクリアでありそれが「ゼクリアの大皿」の名前として残っています。

つまり、レビュール族はレオーネの死を弔うことを口実に王家の墓を自勢力の土地であるレビュール街道に建設させることで後々に王国内での発言権や宗教的権威を手に入れようと考えたのかもしれません。実際にそれは途中まで上手くいっていたのかもしれないとも思えます。レビュール街道北には巨大な建造物跡や整備された街道がありこれはレビュール族がこの地で大きな権力を獲得していた証拠といえないでしょうか。

しかし、そうなれば当然ゼドラ族は面白くないはずです。

ゼドラ族としてはレビュール族の力を削ぎたいと考えた結果あるものが生み出されたのではないでしょうか…

 

盟友の誕生とグランゼドーラ王国

勇者アシュレイを建国王として国名にあるように支配層となったはずのゼドラ族が勇者レオーネの死を弔い王家の墓を管理することで権威と権力を手に入れ始めたレビュール族に対して優位に立つために生み出された定義が『盟友』なのではないでしょうか。

つまり、本来は双子でどちらも勇者であったアシュレイとレオールこの二人に対して兄が勇者で弟は勇者をサポートする存在である盟友という役割を創作し、レオールはアシュレイの一段下の存在であるとし、レオーネを神輿としたレビュール族の権威を落とそうと画策したのではと考えます。

つまり盟友という存在は後に捏造された存在だったのではないでしょうか。

神の声を聴けた巫女の預言はあくまで「ゼドラ族に勇者が生まれる」だけだったはずです。生まれた勇者は双子で、もしかすると勇者としてのチカラにはそれぞれ分担があったかもしれません。例えば兄アシュレイは勇者としての攻めのチカラ、弟レオールは勇者としての護りのチカラというように。

ふたりとも勇者であったのに、片方に盟友という役割を与え大魔王を倒すことができる勇者はあくまで兄アシュレイだったとすることでレオーネとレビュール族の権威と地位を落とし、もしかするとレビュール族自体をゼドラ族に吸収もしくは滅ぼしてしまったのかもしれません。

ただ、皮肉にもアシュレイ死後にも勇者を助ける存在である盟友が現れています。この謎はまだわかりませんが、勇者としての護りのチカラを持った存在が王家以外から生まれてくるという事態は神聖グランゼ王国としては看過できないはずです。

そこで盟友に次いで捏造したのがレオーネは生きて大魔王に勝利し兄のもとを旅立ち消息不明になったが、その子孫の血筋から盟友が生まれてくるという物語でした。

これにより勇者はゼドラ族からしか生まれないという正統性と盟友を臣下として使える口実を確保したのではないでしょうか。

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勇者が誕生するのはグランゼドーラ王国から

そして、約3000年前に記録上の二人目の勇者によって建国されたグランゼドーラ王国の名は前身であった神聖ゼドラ王国から神聖の文字が外され替わりにグランドが付きました。この名称はおそらく、グランド・ゼドラ(grand-zedra)から来ている名称だと思われ、意味としては偉大なるゼドラ・崇高なるゼドラとなりもはや宗教的権威からも離れゼドラ族の国であると宣言したかたちとなります。ここまでの歴史の中でレビュール族やその他の大小の部族はゼドラ族に吸収され場合によっては滅ぼされて歴史の中に消えていったと思われます。

さらにゼドラ族は自分たちが唯一、神の力を授けられた勇者と盟友を生み出せる存在であり人間の世界、ひいてはアストルティアの盟主となるべきであると誇示するために盟友という存在を作り出しまたその起源を捏造したというのがグランゼドーラ王国の歴史の闇といえるのではないでしょうか。

 

最後に

今回は以前から疑問に思っていたレビュール街道と心層迷宮で判明した新事実から個人的な考えを書かせてもらいました。相変わらず妄想は強めです。

初代勇者の一人レオーネが盟友の起源ではなかったとすると、歴代の盟友の存在はなんだったのか、勇者以外にも神のチカラを授かった一族がいたのかとも考えられますが実際には初代を含め歴代勇者はグランゼドーラ王国の血筋から輩出されている事実には変わり在りません。勇者と盟友に関する起源、この謎は今後明らかになるのかとても気になります。

またレビュール街道がなぜ荒れるがままにされているのかという疑問にも十分な答えは出せていない気もしますが、ゼドラ族としてもレオーネを里子として出し共に魔族と戦ったレビュール族の本拠地を対立の中で許すことはできず、かといってすべてを消し去ってしまうのも良心が痛み出来なかったのかもしれません。

もし、今回書いたような神話時代末期から各部族や王国内で権力闘争が繰り広げられてきたとするなら命を懸けて大魔王と戦ってきた歴代の勇者や盟友とその仲間たちはどう感じていたのでしょうか。それとも彼らも生き残った後には当たり前のように権力闘争の中に身を投じて行ったのでしょうか。

現在レビュール街道ではワインが生産されています。リーネの参加したオークションでも、シャトー・レビュールはワインの女王として名高いと紹介されています。

このワインは神話時代にも飲まれていたのでしょうか、もしそうならアシュレイとレオーネも飲んだのでしょうか。

もしかしたら、アシュレイとレオールそしてガーニハンと二代目巫女の四人で大魔王を倒したらレビュールのワインで祝杯をあげようと約束していたのかもしれませんね。

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勇者と盟友そしてその仲間たちに乾杯

今回はここまで