今回はver.5.4で追加された新職魔剣士のクエストで訪れたある場所とその周辺モンスターから歴史を考えてみたいと思います。
以下ネタバレを含みます
古跡の井戸へ
三門の関所からグランゼドーラ城へ向かうために通るレビュール街道ですが、ver.5.4で追加された新職「魔剣士」のクエストでレビュール街道南にある遺跡地帯を抜けた先にある古跡の井戸へ入ることが可能となりました。
古跡の井戸がある場所へは現代では遺跡地帯の壁が崩れた場所から行く事が可能ですが、約1000年前の古レビュール街道では壁が崩れていないため行くことはできません。
遺跡地帯は1000年前の段階ですでに遺跡地帯と看板に書かれていますのでこれらの遺跡群が建造されたのは1000年以上前であり、古跡の井戸のなかの建造物も遺跡群と同時代もしくはそれより前に建造された可能性があります。
実際に古跡の井戸の中に入ってみると、井戸というよりは古代の巨大地下貯水槽の入り口だったのではないのかと考えられる構造になっています。
貯水槽とはいってもその全体像は見えないほど大きく、方角では南・東・西へ長く水路が続いています。
地図上の表記は「古跡の井戸ー地下道ー」となっています。
貯水槽としてだけでなく水路として船などで人や物資の移動を担う役割があったのかもしれません。
もしくは、現在は手入れがされていないので雨水や染み出した地下水が長年かけてたまり貯水槽のように見えているだけで実際にはレビュール街道南に建造された巨大な地下道で利用されていた当時は馬車や徒歩で人が往来していた可能性もあります。
内部の建築様式、壁や柱の装飾、石像の見た目などは基本的にレビュール街道にある遺跡群と酷似しておりそのことからもこの地下道を建造した人々はレビュール街道の整備をおこなった人々と同一だと考えられます。
レビュール街道にある遺跡群と現グランゼドーラ王国領とでは建造物の大きさや装飾が異なっていますが、その配色や現在でも使われている紋様など共通点もあります。
よって、少なくとも古跡の井戸を含めた遺跡群が建造された時代は神話時代の末期に「勇者アシュレイ」がレビュール街道も含めたレンダーシア大陸北西部に住む諸部族をまとめ神聖ゼドラ王国を建国した後の時代に造られたと考えられます。
井戸の中の神儀の護堂
古跡の井戸の中には「神儀の間」が隠されていました。
神儀の護堂が遺跡地帯の入り口に約1000年前まで存在していましたが現在では入り口が崩れていて入ることはできません。
神儀の護堂の「神儀」ですがこれは「置字」といわれる位牌などの戒名の下に書かれるものでその中でも昔の将軍家や大名など地位の高い人に使われる「尊儀・神儀」から来ていると思われます。
位牌そのものが死者の魂の依り代となる場所なので、死者の魂に贈られたものとなるでしょう。
1000年前の神儀の護堂の最深部「承継の間」では、
禁忌の術にて 邪悪なるチカラを封じ
その 代償として 人ならざるものと
成り果てたる魂 ここに 眠る
かつての名を捨てし 我ら
秘術の番人として とこしえに 神儀を守らん
と書かれています。
※岡山県の神社では神儀という神事があり、そのなかでは猿田彦と獅子舞が悪魔払いをするという踊りもあるようですが、この神儀も由来として関係しているかもしれません。
神儀の護堂は、禁忌の術を使用した人たちの魂を祀るために造られたと思われます。
神儀の間もおそらく同じく魂を祀る場所として造られたと思われます。
では、禁忌の術を使って、おそらく大魔王軍など魔界勢力と戦った人々の魂を祀った場所がなぜ井戸の中の地下に置かれていたのでしょうか。
ドラクエシリーズの世界では井戸の中に宝箱や住む人がいるのはよくありますが、現在の古跡の井戸は「邪毒のウィーヌム」の隠れ家となっておりおそらくこの場所を知っている利用している人々はほぼいない状況だと考えられます。
地上にある神儀の護堂入り口が使えないままにされレビュール街道全体が破壊され修復もされていない状況である事も併せて考えると古跡の井戸の下にある神儀の間は秘密にするため、発見されないように地下に造られた可能性はないでしょうか。
個人的にはこの神儀の間を造った人々は邪教徒であったと考えます。
なぜ邪教徒であると考えるのかそして邪教徒とは誰の事であるのかを考えてみたいと思います。
遺跡地帯と邪教
レビュール街道の現在と1000年前では自然環境や生息しているモンター種類に変化がありますが、遺跡地帯を徘徊しているモンスターだけは1000年前と変わりがありません。
「だいまじん」と「ミステリピラー」です。
この2体の豆知識をみてみると、
- ミステリピラーは邪神の神殿を支える柱に魂が宿ったモンスター
- だいまじんは神像が魔王に寝返ったモンスター
と魔王や邪教と関りがあるモンスターですが、だいまじんの生息地は魔界・ウェナ諸島などとひろい範囲ですが、
ミステリピラーは古レビュール街道南・真のレビュール街道南・神儀の護堂と遺跡地帯だけに生息しています。
モンスターの豆知識にはいろいろ矛盾があるものや後に設定で変えられてしまったモンスターなども居ますが、仮にこれが正しいと仮定してみると
レビュール街道の遺跡地帯にはかつて邪教への信仰が盛んだった時期があったという事になるのではないでしょうか。
邪教徒たちによって遺跡が破壊されたとも考えられますが、それはいつ頃なのかという事になります。
1000年前の大魔王ネロドスの侵攻時期かもしれません。
アストルティアにはダークドレアムを召喚しようと企んだ団体など邪教ともいうべき存在は有るので魔界からの侵略を歓迎する勢力が居たもしくはネロドスに唆されて邪教徒となったという可能性は考えられます。
ただ、ネロドスは当時の勇者アルヴァンによって倒され残された魔軍十二将も叡智の冠によって封印されました。
一時的な侵攻に呼応して盛り上がった信仰であるなら大魔王が敗れた後は急速に勢力は衰えたと考えられます。
三門の関所を抜け王都までの街道沿いですから邪教徒が破壊したのなら復興がされるはずですがそれもなされていません。
邪教によって生み出されたミステリピラーが今でも闊歩している理由はあるのか。
破壊され廃墟化している遺跡が放置されている事から、あの遺跡地帯そのものが邪教徒によって造られからの現状だと考える事はできないでしょうか。
その邪教徒とは誰だったのか
邪教の正体
ドラクエの世界で邪教といえば大魔王などの手下の集団で世界征服のための手先となているような印象があります。
ドラクエⅤの「光の教団」やドラクエⅩでいえば「邪教祖サダク」のような存在です。
現実の世界で邪教といえば必ずしも悪魔崇拝をしているような団体というわけではありません。
むしろある宗教団体から見て他の宗教を非難するときや統治者が意にそぐわない宗派を弾圧するときにの口実として邪教という用語が使われることが多いかもしれません。
仏教の中でも宗派が違えば相手を邪教として非難した歴史を持つ宗派もあります。
この話がドラクエⅩの世界に適用されるならアストルティアの住人の中でも宗派の違いや政治的対立から邪教徒認定され迫害されることがあるという事になります。
女神ルティアナだけでなく各大陸の種族神やダーマ神、山の神イプチャルなど数多くの神々が信仰されているアストルティアですがこれらの信仰が迫害されないのはその時々の統治者の利益と反しないからであるはずです。
では、レビュール街道の遺跡地帯でその時の統治者である神聖ゼドラ王国もしくはグランゼドーラ王国に邪教徒と認定された人々が居たとしてそれは誰だったのでしょうか。
それはレビュール族かもしれません。
以前書いた記事で、初代勇者である双子「アシュレイ」と「レオーネ」とアシュレイが建国した神聖ゼドラ王国につて現在のレビュール街道から個人的な考えを書かせてもらいました。
※ゼドラ族とレビュール族との対立、盟友という概念の誕生などについて考えを書いた過去記事です。
以前書いた記事の中で、神聖ゼドラ王国の建国時に支配層から排除されたレビュール族はアシュレイなど勇者や王家に連なる者たちの埋葬や慰霊の祭祀を執り行う事で王国内の権威と権力を増していきその事がレビュール街道の発展と現在の荒廃に現れているのではないかと推測しました。
また、「盟友」という存在もゼドラ族とレビュール族の対立の中で生み出されたのかもしれないと考えているので、その過程でレビュール族の族長の息子として育てられたアシュレイを勇者として祀ることを禁止されたのではないでしょうか。
レビュール族に対する弾圧の始まりです。
そして、神儀の護堂といった魂を祀る施設は禁呪の保存という目的以外には使えないように入り口を封印され、四術師のような限られた賢者に管理されるようになったと考えます。
ですが、レビュール族のアシュレイへの信仰が禁止されたからと言ってすぐに変わるわけではなかったのかもしれません。
禁止された信仰と大魔王軍と戦ったアシュレイやレビュール族の魂を祀る場所として地下に秘密の礼拝場所となる「神儀の間」を造ったのではないでしょうか。
そこで密かに慰霊の祭祀や祈りを捧げていた事でしょう。
そこでの祈りがもしかしたらミステリピラーのようなモンスターを生み出した原因となったのかもしれません。
邪神の神殿を支えた柱というのは、弾圧した側から見た時に邪教徒だという考えに基づいた豆知識の記述なのではないでしょうか。
以上が遺跡地帯とその周辺に住む人々への弾圧の一度目です。
レビュール街道周辺への弾圧は少なくとも二回はあったのではないかと考えています。
遺跡破壊と盟友カミル
1000年前までは封印されているとはいえ神儀の護堂は健在で遺跡自体も手入れされていたようですが、現在では護堂への入り口は崩れ遺跡地帯自体も木の根が壁を這うという廃墟と化しています。
この様な状態になっているのは1000年間放置されたからではないような気がします。
レビュール地域は街道が王都まで延び、他国からの使節団や商人たちも陸路で移動する上では必ず通るといっていい場所のはずです。
そんな重要な地域が1000年間荒れるがままに放置され続けた状態が現在なのでしょうか。
放置された結果が現状なのではなく、王国によって神儀の護堂入り口や街道の遺跡地帯周辺の建造物は破壊され見せしめとしてあえて現在まで放置されているのではないでしょうか。
それは誰の命令でなにがきっかけだったのか。
命令を下したのは「ジュテ国王」と「エメリヤ妃」、原因となったのは「盟友カミル」の裏切りであると考えます。
ジュテ王とエメリヤ妃は1000年前のグランゼドーラ王国の国王と王妃です。
ふたりは当時の勇者アルヴァンの両親でありました。
勇者アルヴァンは大魔王ネロドスとの戦いで禁呪「邪魂の鎖」を使用した事で呪われ自分自身を王家の迷宮に封印してしまうという悲劇的な最後でした。
この原因を作ったと思われていたのが当時の盟友カミルです。
盟友カミルはネロドスとの決戦前夜にアルヴァンの許嫁であるヴィスタリア姫の従者であったヤスラムと駆け落ちをし自らの使命を放棄したと思われていました。
ver.4.1で主人公とキュルルが歴史に介入したことでカミルへの誤解は解けヤスラムの正体も魔軍十二将の一人、智将ジャミラスであったと判明します。
主人公が歴史に介入する前までは盟友カミルの名誉は傷つけられその勇者の像の隣にあった盟友の像も破壊されていました。
そして、勇者アルヴァンが使用した禁呪は元々は盟友カミルが使用するために神儀の護堂から持ち帰ったものでした。
歴史介入の影響がどの範囲まで未来を変えてしまうのかはよくわかりませんが、現在のレビュール街道・遺跡地帯・神儀の護堂入り口の破壊は盟友カミルが裏切ったと思われていた当時の結果なのではないでしょうか。
ジュテ王とエメリヤ妃の行方不明となったカミルへの怒りは彼女が使うはずだった禁呪を保管していた神儀の護堂やその周辺へと向けられたのではないでしょうか。
本来であれば勇者アルヴァンを助けるために盟友カミルが邪魂の鎖の術を使い呪われ犠牲となるはずでしたし、それが当時の盟友の使命だったはずです。
勇者であると同時に王国の跡継ぎであるアルヴァンが犠牲とならなくてはいけなかった事実とその禁呪という存在への怒りもあり神儀の護堂とその周辺も破壊されたと推測します。
勇者を犠牲とするような禁呪を保管していた施設・信仰は邪教であり徹底的に排除すると兵士に命令が下ったことでしょう。
その周辺に住み細々とでもレビュール族としての歴史や信仰を守っていた人たちがいたとすると彼らにも大きな被害が出た可能性もあります。
これが二度目の弾圧です。
そして、裏切ったカミルとアルヴァンに呪いをもたらした禁呪を守っていた者たちへの見せしめとして破壊された遺跡は現在まで放置されていと考えます。
古跡の井戸の中も激しい弾圧から隠すために利用できなくなりやがて忘れ去られた存在になってしまた可能性があるかもしれません。
無人で長年放置されていた故にウィーヌムという本当に邪悪な存在に隠れ家として利用されるという皮肉な結果となったのでしょうか。
街道を通る者たちは王家を怒らせるとどんな仕打ちを受けるのかを目にしながら街道を往来することとなったことでしょう。
最後に
長くなりましたが、レビュール街道の過去と現在を見比べモンスターの存在などから
- ゼドラ族がレビュール族を弾圧するために邪教徒と決めつけた
- レビュール族はレオーネ達への祭祀を守るために「神儀の間」を造った
- ミステリピラーはレビュール族の祈りの中で生まれたのではないか
- 1000年前カミルへの誤解から遺跡地帯は最終的に破壊された
となるのではないでしょうか。
相変わらず妄想強めです。
そもそもレオーネが本当に石化されたまま死んだのか勇者と盟友の関係などまだまだ不明なことが多いので今後判明することもたくさんある事でしょう。
ver.5.4ではver.1時代からの未回収だった部分をかなりあっさりと説明していたりするので書いたようなドロドロとした話などは無い可能性の方が高いでしょう。
それでも、古跡の井戸の中で神儀の間を見た時に考えてしまったのです。
地下に隠してまで何を祀ろうとしたのかそして何を祈ったのかと
神儀の護堂では自らの魂を犠牲とし名前を捨ててまで秘術を使用した人々の魂が祀られていました。
カミルはアルヴァンのために秘術を使おうとし、アルヴァンはカミルのために自分が犠牲となりました。
きっと歴代の秘術を使った人たちも同じように愛する人のため、守りたい人たちのために秘術を使ったのでしょう。
例え名前は忘れ去られてもその思いを人々は知っていたからこそ地下に隠してでもその魂を祀り祈る場所が必要だったのだと思います。
邪教徒たちは地下の神儀の間で歴史から名を消され忘れ去られた人たちのために祈っていたのだと思います。
それがレオーネや歴代の勇者であってもそうでなくても魂を捧げ人々のために尽くした人たちがいたからこそ自分たちがあるのだと忘れないために。
今回はここまで